山崎晃資『発達障害と子どもたち-アスペルガー症候群、自閉症、そしてボーダーラインチャイルド』(講談社+α新書、2005年5月)を読む。2年前の本なのだが、ずいぶん2年間で進展があったので、内容的に古いように感じる。自閉症とアスペルガーの違いや区別を論じたり、自閉症とADHDの診断の問題、明確に虐待などの問題を明示してなかったり、ボーダーライン・チャイルドなども曖昧であったりなどなど…。でも、サイエンスを強調するのではなく、なによりも子どものことを第一おき、断定せずに地道に臨床を行うという姿勢には共感を覚える。それは、著者が、児童精神医学だけではなく、東海大学附属の中学校・高等学校の校長をやった経験からなのかもしれない。
あとがきに、自閉症との出会いが書いてあって興味深い。それによると、1960年代半ば頃の、北大付属病院の精神科病棟での女児との出会いだったようである。「わたしたちはなすすべもなく、母子虚しく田舎へ帰っていった」とされている。そのころから、多くの自閉症児が外来を訪れるようになる、「昭和42年、北大教育学部の仲間の協力を得て、老朽化した北大幼稚園を期限付きで借りて、今で言うデイケアを始めました。五里霧中の毎日でした。従来のカウンセリングやプレイ・セラピー、当時、日本に挿入された行動療法にも限界がありました。私たちの療育指導は大きな暗唱に乗り上げていました」とある。
自閉症療育史としてみると興味深い。北海道大学に付属幼稚園があったことも興味深い…。
ついでに、興味深かったのが、ドイツの精神科医のハインリッヒ・ホフマンの絵本が紹介されていることである。紹介は以下のようなもの。
AD/HDの子どもの様子が世界で最初に公表されたのは『もじゃもじゃペーター』という絵本だと思います。ドイツの精神科医ハインリッヒ・ホフマンがかいたものです。その絵本のなかのひとつ、「じたばたフリップのお話」は、AD/HDの子とその母親の心理がよく表現sれています。父親が「フィリップや、今日はおとなしく食事ができるかな」という場面がありますが、父親の隣で、母親がジロッとフィリップをにらんでいます。この表情は、AD/HDの子どもに手をやき、うんざりしている心理状態をよくあらわしています。
この『もじゃもじゃペーター』の表紙は髪の毛はもじゃもじゃで爪も長くのばしている姿で、アスペルガー症候群を思わせるもの…。さっそく、生協に注文した。
あとがきに、自閉症との出会いが書いてあって興味深い。それによると、1960年代半ば頃の、北大付属病院の精神科病棟での女児との出会いだったようである。「わたしたちはなすすべもなく、母子虚しく田舎へ帰っていった」とされている。そのころから、多くの自閉症児が外来を訪れるようになる、「昭和42年、北大教育学部の仲間の協力を得て、老朽化した北大幼稚園を期限付きで借りて、今で言うデイケアを始めました。五里霧中の毎日でした。従来のカウンセリングやプレイ・セラピー、当時、日本に挿入された行動療法にも限界がありました。私たちの療育指導は大きな暗唱に乗り上げていました」とある。
自閉症療育史としてみると興味深い。北海道大学に付属幼稚園があったことも興味深い…。
ついでに、興味深かったのが、ドイツの精神科医のハインリッヒ・ホフマンの絵本が紹介されていることである。紹介は以下のようなもの。
AD/HDの子どもの様子が世界で最初に公表されたのは『もじゃもじゃペーター』という絵本だと思います。ドイツの精神科医ハインリッヒ・ホフマンがかいたものです。その絵本のなかのひとつ、「じたばたフリップのお話」は、AD/HDの子とその母親の心理がよく表現sれています。父親が「フィリップや、今日はおとなしく食事ができるかな」という場面がありますが、父親の隣で、母親がジロッとフィリップをにらんでいます。この表情は、AD/HDの子どもに手をやき、うんざりしている心理状態をよくあらわしています。
この『もじゃもじゃペーター』の表紙は髪の毛はもじゃもじゃで爪も長くのばしている姿で、アスペルガー症候群を思わせるもの…。さっそく、生協に注文した。