ちゃ~すが・タマ(冷や汗日記)

冷や汗かきかきの挨拶などを順次掲載

だいすき!!(新番組)

2008年01月17日 23時44分55秒 | 映画
新番組「だいすき!!」がはじまった。知的障害の女性の子育ての物語。


2005年3月から「BE・LOVE」 (講談社刊) でスタートし、現在も連載中の 『だいすき !! ゆずの子育て日記』 が原作。主人公、福原柚子は軽度の知的障害がある23歳。柚子は、子供のような純粋さで恋に落ち、結ばれ、妊娠。やがて母親になり、そのひたむきな気持ちを母親や支援者は必死にサポートする。

けれど柚子を待っていたのは、想像よりはるかに辛く厳しい道だった。
“母親” であることが難しいのは誰でも同じ。みんな不安な初心者なのだ。
幼児虐待事件や家族の間で起こる悲しい事件が後を絶たない今だからこそ、懸命に悩んだり笑ったりしながら、 “母親” になっていく柚子を通して「子供を生んだから母親になる」のではなく、「子供と成長することで母親になっていく」姿を感じて欲しい。
子どもにとって一番必要なのは愛情ではないだろうか。
どんなトラブルにもへこたれず、我が子の幸せだけを願い、誰にも負けない「だいすき!」という感情でまっすぐに子供を愛しぬく柚子。
この物語は、そんな柚子の子育て感動奮闘記だ。
主人公・柚子には香里奈。ドラマ初主演でこの難役に挑戦する。
愛情一杯で柚子を包む母に女優デビュー30周年の岸本加世子、柚子を支える人々を平岡祐太、福田沙紀、紺野まひる、余貴美子が演ずる。

人物で語る物理入門

2008年01月17日 22時56分07秒 | 
米沢富美子『人物で語る物理入門(下)』(岩波新書)を読む。
現代の物理学を創ってきた巨人の業績をコンパクトにまとめて、興味深いエピソードも入れて述べられていて、面白かった。下巻から読んだが、20世紀の物理学の飛躍的な進歩を、一般相対性理論、量子論、宇宙論、物性、クォーク、複雑系などを取り上げている。原子核物理学を築いた女性達ということで、キュリーとマイトナーをとりあげたり、湯川秀樹と朝永振一郎をとりあげ日本の物理学の揺籃期をつくった人たちも取り上げている。物理学の説明はわからないことがたくさんあったが、人物で綴る物理学として読みやすいものである。
女性研究者らしく、女性の視点から辛口のコメントなどもあり、興味深い(アインシュタインの不倫やノーベル賞の賞金を慰謝料とした離婚のことなど)。また、語り口も、女性らしい(「~ですね」などの表現が時折出てくる)。
個人的には、ボーアとその「コペンハーゲン精神」による研究所運営が興味深かった。対等でつきない議論、それを保障するところなど。
それでも、本格的な研究は、20代から30代の若い頃に成果をあげていることが驚異である。「神が降りる」というか、いつでも物理のことを考えているような、寝ても覚めても一つの問題を考えて、議論しているというようなところがあって、そうでないと、研究などはできないものなのだろう。
ところで、著者の米沢富美子はあとがきの中で、「本書に登場した人物は一人残らず、私のすぐ傍らまで来て、生き生きとした声を聞かせてくれました。…そういう半ばトランス状態の空気が、執筆中ずっと私を包んでいました」と書いている。また、「物理より面白いものはないという気がしています。こんな好きになれるものに人生でめぐり合えたのは、この上もない幸せ」とも書いている。米沢さんも、物理人生なのだなあと思う。

あわせて、「対生成」「対称性」などの概念が、つかわれていることも興味深い。ガンマ線が、電子と陽電子をつくりだす「対生成」の過程があること、そして、オッペンハイマーによる「対生成」の正しい記述が始められた(1933年)などなど。これは、田中昌人先生の発達の法則性の研究でも未成熟ながら援用されて、使用されたものだった。