ちゃ~すが・タマ(冷や汗日記)

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林真理子『綴る女 評伝宮尾登美子』中央公論新社、2020年

2020年03月13日 22時46分39秒 | 
宮尾登美子は、高知に行ったとき立ち寄った図書館での展示を見たのがきっかけだった。
しかし、視覚障害者を描いた『蔵』をすでにそのときは入手はしていたのだが読んではいなかった。展示では、その出自が説明されていて、興味をもった。
宮尾の評伝は『遅咲きの・・・』というのある。この『綴る女』は、林が書いた評伝ということで、新聞の書評にも小さく掲載されていたように思う。奈良にいったときにふらりとよった本屋で入手して、読んだ。

この本は評伝ではない。はじめに言っておこう。
この本の主人公は、宮尾なのだろうか?、宮尾なのだろうが、しかし、「綴る女」は林自身だろう。よくいって、宮尾の生活・エピソードが3分の1、林の自分自身のことが3分の1(いやそれ以上か)、あとは周辺的事項が3分の1。「綴る女・宮尾登美子」の鬼気迫る姿は、遅く咲く以前の東京へ出てきたとき、『別冊DELUXE女性自身』の巻末付録の手記の中にあるくらい。あとは、自分自身の出生と環境の物語を丁寧というか貪欲にというか、その描く姿は、著書の中に読み取れということであるようだ。

いくつか宮尾に関する興味深いこと

宮尾は保母をしていたときがあり、その後、社会福祉協議会で働いていた(高知の社会活動家大野武夫を調べてみる必要あり)。この時代、保母の待遇改善の活動をリードし、『季刊保育問題研究』の刊行にもかかわったこと(125-126)。
最後に受賞したのが親鸞賞で、その受賞後に高知にひきこもったとのこと。この時のことが身を隠していて林はよくわからないとのこと。この時の主治医の孫に心当たりがある。聴いてみたい。

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