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教科書に載せたいアイドル史の100曲②(80年~82年「なんてったってアイドル」)(ときめき研究家)

2011-02-01 12:00:16 | ときめき研究家
80年代に入り、アイドルの新しい地平を開いたのが松田聖子(1980デビュー)、それに続いたのが中森明菜(1982デビュー)である。この二人をクラシック音楽史に例えれば、モーツァルトとベートーヴェンの両巨匠に相当する。

松田聖子は、『青い珊瑚礁』(1980)で男性ファンを獲得し、松本隆と組んだ『赤いスィートピー』(1982)では女性ファンを獲得、結婚・出産後もアイドルとして前人未到の境地を歩んでいる。『あなたに逢いたくて』(1996)のミリオンセラーも出産後の作品。毎回多くのアーティストが参加したアルバムのクオリティが高く、従来歌番組でシングル曲を見るのが中心だったアイドルの鑑賞スタイルを変えた。

松田聖子の同期80年デビュー組は、実力派、個性派揃いだ。
河合奈保子(1980デビュー)は、快活な『スマイルフォーミー』(1981)、竹内まりや作品でスローな『けんかをやめて』(1982)など、確かな歌唱力で様々なタイプのヒット曲を連発した。
現皇太子も当時ファンだった柏原よしえ(後に芳恵)(1980デビュー)は、『ハロー・グッドバイ』(1981)でブレイク。
姉同様、高い歌唱力の岩崎良美(1980デビュー)は、佳曲が多いが、最大のヒット曲はアニメ主題歌『タッチ』(1985)ということになってしまう。
ツッパリ路線でポスト百恵を狙った『セクシーナイト』(1980)の三原順子(1980デビュー)は、今や参議院議員だ。甲斐智枝美(1980デビュー)のデビュー曲『スタア』(1980)はアイドルらしい名曲。
それぞれに輝いたが、松田聖子という巨星は、誰よりも長く明るく輝き続けた。

81年デビューの個性派は、伊藤つかさ(1981デビュー)。劇団に所属し子役として活躍していたが、「3年B組金八先生」で人気爆発、レコードデビューを果たした。『少女人形』(1981)を震えながら歌う姿は、ロリコンファンのハートを鷲掴み。
角川映画でデビューした薬師丸ひろ子(1981デビュー)は『セーラー服と機関銃』(1981)を直立不動で歌い、独特の清らかな声で魅了した。

そして「花の82年組」が登場する。
クラシック音楽に例えれば、シューベルトやブラームス、シューマンなど、百花繚乱のロマン派だろうか。
松本伊代(1981デビュー。賞レース上は1982扱い。)は『センチメンタル・ジャーニー』(1981)でデビュー。スレンダーで人工的なルックスと鼻が詰まったような声で、数々の名曲を世に出した。
小泉今日子(1982デビュー)は、デビュー当初の可愛い路線から、自分のことを「コイズミ」と呼ぶ本音路線に切り替えてブレイク。様々なタイプの曲を歌ったが、一本調子の歌い方はいっこうに変わらなかった。アイドルをデフォルメした『なんてったてアイドル』(1985)、のちにドラマ主題歌としてミリオンセラーとなった『あなたに会えてよかった』(1991)が代表曲。
堀ちえみ(1982デビュー)はホリプロらしい野暮ったさが魅力で、ドラマ『スチュワーデス物語』が大ブレイク。『夏色のダイアリー』(1983)は、押しつけがましさのない爽やかな曲。
石川秀美(1982デビュー)は健康的な美少女。スポーツ万能で運動会では大活躍。透明な声で軽快なポップスを歌った。『Hey!ミスター・ポリスマン』(1983)は能天気で、歌うのが楽しくて仕方ないといった歌唱。
早見優(1982デビュー)はハワイ生まれのバイリンギャル。『夏色のナンシー』(1983)は彼女の自画像的なナンバー。英語の発音も本格的で爽やかな名曲。
82年組の真打ちは中森明菜(1982デビュー)。デビュー曲のしっとり聴かせる『スローモーション』(1982)、2曲目のツッパリ路線で荒々しい『少女A』(1982)の振幅の大きさに戸惑いつつ、人々は魅了された。すぐに松田聖子と人気を二分するトップアイドルになり、その地位を長く守った。『DESIRE~情熱~』(1986)で2年連続となるレコード対象を受賞。

82年には、トップアイドルにはなれなかったが、魅力的な曲を残したアイドルがまだ大量デビューした。
『マイボーイフレンド』(1982)の正統派アイドル北原佐和子(1982デビュー)、『ねらわれた少女』(1982)のボーイッシュな真鍋ちえみ(1982デビュー)、『月曜日はシックシック』(1982)の劇画的な三井比佐子(1982デビュー)は、3人セットで「パンジー」として売り出された。
三田寛子(1982デビュー)は村下孝蔵作品の『初恋』(1983)でしっとりとした和風の魅力を発揮。川島恵(1982デビュー)は『ミスター不思議』(1982)で伸びやかな声を聴かせた。白石まるみ(1982デビュー)の『オリオン座の向こう』(1982)はユーミンの佳曲。水野きみこ(1982デビュー)『私のモナミ』(1982)、新井薫子(1982デビュー)『虹色の瞳』(1982)も名曲。坂上とし恵(1982デビュー)『き・い・てマイラブ』(1982)は不可思議な曲調とびっくり声で忘れられない曲。
原田知世(1982デビュー)『時をかける少女』(1983)は、薬師丸ひろ子同様、角川映画の主題歌だが、イノセントな彼女のイメージにぴったり。

かくして、82年はアイドル史上最大の豊作年となった。(続く)

参考文献
・『歌謡曲名曲名盤ガイド1970s』(Hotwax)
・『歌謡曲名曲名盤ガイド1980s』(Hotwax)
・その他、LP・CDの歌詞カード、各アイドルのホームページ等

コメント (3)
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