今日、消費者庁消費者安全調査委員会が、調査報告書「消費者安全法第23条第1項の規定に基づく事故等原因調査報告書/住宅用太陽光発電システムから発生した火災事故等」を公表した。
家庭用太陽光発電システムのうち事故データバンク登録127件中、命に係わる事故につながる恐れのある事故72件の事故部位と原因を重点調査した、というものである。
これに対し、原子力ムラならぬ”太陽光発電ムラ”を具現化した団体「太陽光発電協会」が間を置かず反応し、”弁解文書”「消費者安全調査委員会 調査報告書「住宅用太陽光発電システムから発生した火災事故等」について」を発表した。
その内容は、要約すると「悪いのは手抜き工事の施工業者と点検を怠っているユーザーであって、太陽光発電システムそのものは何も悪くない」開き直ったものである。
施工の問題や老朽化・メンテナンスの問題は当初から分かっていたことである。それを隠して「法外な電力固定価格買い取り制度」で一般消費者の功利心をあおり、「地球にやさしい」に貢献していると錯覚させ、「20年は持ちますよ」とメンテナンスフリーであるかのように騙して、売り逃げを急いだ詐欺まがいの商法が思いのほか早くに馬脚を現してしまった。
さらに言えば、調査対象となった事故は発火・発煙などをたまたま見つけられて顕在化した一部に過ぎない。大事に至らず見過ごされたものや、いつ事故に至ってもおかしくない隠れ欠陥や老朽化は調査外である。
昨年の「固定価格買い取り制度」見直しや、電力会社の一時買い取り凍結などで太陽光発電熱は冷めてきており、業者の中には発電システムや部品の在庫を抱えてその処分に四苦八苦しているところも出てきている。
追い打ちをかけるような事故報告とメンテナンスフリーの甘言で騙した付けが回ってきては太陽光発電が「ハイ、終了」となってしまう恐れも出てきた。”太陽光発電ムラ”の慌てぶりが見て取れる。
これまで何度も指摘したことだが、「再生可能エネルギー」など存在しないのである。そんなことは物理学の基本をちゃんと理解していれば自明のことだ。現在の人類を頂点とした生命群、生態系を維持するために、有限の地球環境の寿命をできるだけ伸ばすためには、太陽から受けるエネルギーと宇宙へ放出するエネルギーの収支、すなわち地球のエネルギーフローをいかに恒常化させるかを考えて対策をとらねばならないのだ。
化石エネルギーだろうが、「再生可能エネルギー」だろうが、原子力エネルギー、はたまた未知の新エネルギー(ブラックマター?)だろうが、地球のエネルギーフローが+に傾けば「温暖化」、-に傾けば「寒冷化」、物理学の基本法則をきちんと踏まえれば実に簡単な話なのだ。
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