今月から加わらせてもらった「チェンソーアート倶楽部京都」で初練習を行った。お題は初心者の定番=フクロウである。今年春頃から見よう見真似の自己流で何体か練習したが、羽や毛並みといったようなものの加工・表現の仕方がいまいちつかめず、経験者から教わる方が手っ取り早いと考えたのである。
写真はその記念すべき第1回作品である。左は講習をしていただいたベテランの作品で私の作品は右側だ。フクロウやイーグルなどの定番には最低限の型というかお約束がある。とにかく観客に見せるショーとしての要素を満たし、また常に一定水準の定番を作るための規格品的要素が必要なのだ。
チェンソーカービングでは3つの主要な目的に応じて要素の重点の置かれ方異なるのだ。
1つはショーであり、2つは工芸品、そして3つめが芸術としての彫刻である。チェンソーカービングそれ自体はそれぞれの要素がミックスされたエンターテイメントではあるが、主要な目的はそれぞれで異なる。
1) ショーの目的はまず観客を楽しませることである。作品もさることながら、その製作工程自体がパフォーマンスとしての魅力を持っていなければショートしては成立し得ない。近い例としては寄席の紙切りや風船アートだろうか?
2) 工芸品は一定の規格に基づいて同じものが作られ売れなければならないし、規格品であるためにはメッセージ性は抑制されざるを得ない。観光土産品、贈答品などがその代表例である。
3) 芸術としての彫刻は技術的要素もさることながら、作品に何らかのメッセージ性が求められる。このあたりは人によって異論もあるかもしれないが、何も伝えない芸術は存在する意味がないと思う。
通常、チェンソーカービングは観客を前にして決められた時間内に作品を仕上げるデモンストレーション、ショーとして行われ、できあがった作品はただちにオークションにかけられる。そのためには、決まった時間内にしあげることができ、観客をひきつけて売れる作品を作らなければならない。どうしても一定の条件に適合した規格品・定番が求められる。今のところそれらは、フクロウ、イーグル、クマのベストスリーにアライグマ、ウサギ、魚、犬、などがつづく。そしてそれぞれに“型”があるのだ。
チェンソーカービングは技術的にはバードカービングがイメージ的に近く、それにショー的要素をミックスさせたエンターテイメントだ。したがって、現状のチェンソーで彫刻をするパフォーマンスをチェンソーアートと呼ぶのは、個人的にはやや違和感を覚える。この半年、あちこちの大会やイベントデモを見聞きしてきたが、芸術表現の手段としてチェンソーカービングを行っている人はまだ少ないようである。
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