●もんじゅ
もんじゅ /ウィキペディア
概要 [編集]
もんじゅは敦賀市(緑色の部分)北西部の敦賀半島に位置するMOX燃料(プルトニウム・ウラン混合酸化物)を使用し、消費した量以上の燃料を生み出すことのできる高速増殖炉の実用化のための原型炉であり、高速実験炉常陽でのデータをもとに建設された日本で2番目の高速増殖炉である。核燃料サイクルの計画の一環であり、新型転換炉ふげんと共に開発が進んでいた。日本は高速炉開発を国家プロジェクトと位置付けており[1]、国際的にも高速炉を始めとした第4世代原子炉の研究開発において主導的な役割を果たしているとされた[2]。もんじゅはその中心となる施設である。2011年現在、常陽及びもんじゅによって得られたデータをもとにして高速増殖炉開発の次の段階となる実証炉の設計が行われている[3]。
1995年に冷却材であるナトリウム漏洩による火災事故を起こし、さらにそれが一時隠ぺいされたことから、物議を醸した。
その後、運転再開のための本体工事が2007年に完了し、2010年5月6日に2年後の本格運転を目指して運転を再開した。
しかし、2010年8月の炉内中継装置落下事故により再び稼働ができなくなった。
2012年に再稼働する予定[4]であったが、2012年夏時点は未定である。
もんじゅの目的は、高速増殖炉の実用化(商用化)に向けた技術を原型炉(もんじゅ)によって開発し、その設計や建設、そして稼働の経験を通じて高速増殖炉の発電性能および信頼性・安全性の実証、また高速増殖炉の経済性が将来の実用炉の段階において既存の発電炉に対抗できる目安を得ることであり、高速増殖炉の研究開発の場として今後の利用が予定されている。
もんじゅは日本原子力発電株式会社敦賀発電所と関西電力株式会社美浜発電所の2つの発電所と接続されている[5]。
・・・・・・・
ナトリウム漏洩火災事故 [編集]
1995年、二次冷却系で温度計の破損によって金属ナトリウムが640kg±42kg(推定)が漏洩[21]し、火災となった。この事故は国際原子力事象評価尺度ではレベル1と判定されたものの、事故への対応の遅れや動力炉・核燃料開発事業団(当時)による事故隠しが問題となった。
この事故以来、もんじゅは運転休止状態が続き2010年まで運転を停止していた。
・・・・・
|