一昨日26日、国会が閉幕した。
参議院選挙前の思惑で、党利党略の結末。
終盤の国会議員の定数の問題、最高裁判決とのずれが大きい。
ともかく、報道機関の論評も厳しい。
そこで、めぼしいところを見てみた。
沖縄タイムスは、
「新しい区割りでは1・998倍と最高裁が問題にする『2倍以上』をわずかに下回っているが、この数字は10年の国勢調査を基にしている。
今年3月の推計人口に基づく試算ですでに6選挙区で2倍を超えている。
人口移動を考えれば、一時しのぎにすぎないことは明らかだ。」
安倍氏は昨年の国会討論での野田氏との約束を反故にした。
その安倍氏の本質について、北海道新聞は、
「一貫しているのは、自分に賛同する勢力だけで前に進もうとし、異論は切り捨てる姿勢だ。首相の政治は寛容さに欠ける。」
各紙の社説では、
北海道新聞の社説「国会閉幕 参院選へ 安倍政治は信頼に足るか」 が、一番納得。
沖縄タイムスの社説「国会閉会 国民不在の度が過ぎる」も。
北と南の新聞に対して、真ん中の中日新聞は
社説「電力改革廃案 国民無視にも程がある」
「先行して小売りが自由化されている大企業向けの多くは、
東京電力など既存の事業者と独立系の特定規模電気事業者(PPS)との競争によって一キロワット時当たり十一円前後に下がったが、
家庭向けなどの小口は二倍の約二十三円。
利益の九割を小口が占めており、公正さを著しく欠いている。」
・・・とまぁ、社会は、来週から始まる参議院選挙モードか。
ところで、ここ山県市の議会は、今日が閉会日。
9時からは、私が説明した「個人保証の廃止」についての意見書と他の議員が提案した意見書を議案にするための整理の議会運営委員会。
10時からは、最終の本会議。
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●【国会閉幕】首かしげるドタバタ劇
高知 2013年06月27日
与野党による「泥仕合」がまた繰り返された。
国会会期末のきのう、参院で安倍首相の問責決議が野党の賛成多数で可決された。あおりで電気事業法改正などの重要法案が廃案となった。
その責任を与野党は転嫁し合っているが、それが国民の政治不信を一層高めていることを肝に銘じるべきだ。
問責決議案は首相が参院予算委を欠席したことを「国民主権をないがしろにした」として、生活、社民、みどりの風の野党3党が提出した。
首相欠席の背景には、衆院小選挙区定数「0増5減」に伴う区割り改定法案をめぐる与野党対立がある。
同法案は衆院で自民、公明両党などの賛成で再可決され、成立したが、野党が多数を占める参院では法案採決が見送られたことに対し、与党側は「参院の存在意義を否定する」と批判を強めていた。
「ねじれ国会」の下での相も変わらぬ与野党対立と言ってしまえばそれまでだが、最終盤でのドタバタ劇には首をかしげざるを得ない。
参院での問責乱発が政治の停滞を招くことへの批判は根強い。
今回、重要法案を廃案にするという代償を払ってまで問責カードを切る必要があったのかどうか。電気事業法改正に意欲を示していた民主は当初、問責決議に慎重だったが一転して賛成に回った。これも多くの国民の目に分かりにくく映ったのではないか。
自民の姿勢にも疑問符は付く。アベノミクス批判を強める野党側が予算委での集中審議を求めたのに対し、それを拒んでいたからだ。
参院選を目前に控え、答弁ミスなどの失点を避けたい思惑が指摘されている。
実際、「国会終盤にこちらが守りに回るのは当たり前だ」という自民党幹部の声も報じられた。
事実なら情けない話ではないか。支持率が高いうちに参院選になだれ込んで勝利し、念願の衆参ねじれ解消を果たしたい。
そんな狙いも透けて見えるが、これでは党利党略と言われても仕方あるまい。
一方で、自公は衆院議員の定数削減を含む選挙制度改革に関し、有識者による第三者委員会の国会への設置を求める方針という。前向きな提案だ。
与野党が議論を尽くして懸案解決を図る。そんな熟議の政治を国民が望んでいることを忘れてもらっては困る。
●国会閉幕、参院選が実質スタート ねじれ解消が焦点
2013/06/26 19:02 【共同通信】
通常国会は26日閉会し、与野党の第23回参院選に向けた戦いが実質的にスタートした。政府は近く「7月4日公示―21日投開票」の日程を閣議決定。昨年12月の第2次安倍内閣発足後、初の本格的な国政選挙で、安倍晋三首相の7カ月間の政権運営に審判が下る。自民、公明両党が参院過半数を実現し「ねじれ国会」を解消できるかが焦点だ。26日までの共同通信の集計で、選挙区と比例代表を合わせ411人が立候補を準備している。
首相の経済政策「アベノミクス」が大きな争点。首相は参院で勝利すれば、憲法改正の議論を加速させる考えだ。
●社説 国会閉幕 参院選へ 安倍政治は信頼に足るか
北海道 6月26日
通常国会がきょう閉幕し、7月4日公示、同21日投開票の参院選が事実上スタートする。
問われるのはちょうど就任半年を迎えた安倍晋三首相の政権運営だ。
デフレ脱却に向けた経済政策を積み重ねてきたが、タカ派的な政治路線には危うさが見える。
選挙の焦点は自民、公明の連立与党が衆院に続き参院でも過半数を獲得するのか、野党が阻止するかだ。
一方で首相は、与野党を超えて憲法改正発議に必要な3分の2の勢力結集を目指す。選挙結果次第では日本の針路が大きく変わりかねない。
各党は理念、政策を明確に示し、国民に信を問うてもらいたい。
*異論切り捨てる姿勢
「日本を取り戻す」。そう訴えて首相は再登板した。
経済政策では大胆な金融政策、積極的な財政出動、成長戦略の「3本の矢」を提示した。株価や為替などの指標を見る限り景気は上向いているかのようだが、生活が良くなったという実感は持てない。
景気対策は相変わらず公共事業主導型だ。「アベノミクス」と言えば新鮮に聞こえるが、かつての自民党政治を再起動させた部分が多い。
首相は1期目でやり残した仕事にも意欲を燃やす。集団的自衛権行使を禁じた憲法解釈見直しを検討する懇談会を再開した。
昨年12月の衆院選で有権者が期待したのはこんな政治だったのだろうか。
安倍政権には「自民党は変わった」と言える実績が乏しい。
「ねじれ国会」を意識して、首相は答弁で「安全運転」を心がけた。だが「巨大与党」の力を背景にしたおごりは随所に表れた。
デフレ脱却策を問われてもまともに答えず「民主党は3年間やってできなかった」と言い返した。自分に不利な質問には答えず、責任転嫁やはぐらかし、テレビ中継を意識したパフォーマンスが目立った。
憲法96条が定める憲法改正の発議要件の緩和を目指す意向も表明した。現職首相として改憲に具体的に言及するのは異例である。
戦争放棄をうたった9条の変更にも積極的だ。日本維新の会、みんなの党や民主党の一部も含めて改憲勢力を構築する考えだ。
一貫しているのは、自分に賛同する勢力だけで前に進もうとし、異論は切り捨てる姿勢だ。首相の政治は寛容さに欠ける。
2年前の東日本大震災で日本は一変した。与野党を超えて取り組まなければならない課題が多く、政治力の結集が何よりも必要だ。参院選はいまの日本にふさわしいリーダー像を問い直す機会ともなるだろう。
*政策面で実績乏しく
個別政策の検証は欠かせない。政策課題の筆頭は震災復興だった。だが民主党政権当時に比べて復興が目に見えて加速した形跡はない。
明らかになったのは膨大な額の復興予算流用や、復興庁職員がネットで被災者らに暴言を吐いていたことだ。政権全体で危機感が共有できていないことの表れと言える。
東京電力福島第1原発事故の被害を受けた地域の除染や住民帰還のめど、「仮の町」づくりで首相の指導力は見えない。歴代自民党政権の原発安全対策の検証もそこそこに、再稼働や原発輸出に前のめりだ。
環太平洋連携協定(TPP)は、オバマ米大統領との会談で「聖域なき関税撤廃ではないと確認できた」と交渉参加へ踏み出した。政策転換の十分な説明もなく、無責任だ。
中国、韓国との関係は冷え込んだまま、改善の見通しが立たない。侵略戦争と植民地支配への反省を表明した「村山談話」の見直しに言及した首相の歴史認識には、中韓だけでなく欧米諸国も疑念の目を向ける。
首相は民主党政権の「外交敗北」を鋭く批判していたが、自らも実績を示せていない。国民は言葉で取り繕う政治を望んではいない。
*野党に危機感足りぬ
勢いづく与党を抑えきれない野党の弱体化には目を覆いたくなる。
民主党は国会論戦を通して自公連立政権の問題点を明らかにできなかった。期待感先行の首相の経済政策が本当に実を結ぶのかなど、議論が深まらなかったのは残念だ。
与党と対決する態勢ができていなかった。新しい綱領を定めたが、憲法問題で明確な姿勢を示せず、論戦でも受け身に回った。改憲、護憲両派が混在する寄り合い所帯の欠点をいまも引きずっている。
政権を担った経験を教訓に、生まれ変わった姿を参院選で示さなければ埋没する。そういう危機感を持たなければならない。
みんなの党と日本維新の会は検討していた選挙協力を見送った。維新の橋下徹共同代表の従軍慰安婦発言で歴史観の違いが隠せなくなった。第三極結集の期待はしぼんだ。
共産党や社民党は護憲政党として正念場を迎える。
巨大与党に対抗する結集軸を構築できるかが問われる。野党にとって存在意義をかけた戦いになることは間違いない。
●社説[国会閉会]国民不在の度が過ぎる
沖縄タイムス 2013年6月27日
第183通常国会は最終日の26日、参院本会議で首相問責決議が可決されるなど与野党が混乱を引きずったまま150日間の会期を終えた。
国会最終盤は与野党とも7月4日公示、21日投開票の参院選を意識し、相手にダメージを与えることを狙った非難の応酬に終始した。
そのあおりを受けて発送電分離に向けた電力システム改革を進めるための電気事業法改正案などが廃案となった。国民不在で与野党とも党利党略としか言いようがない。
安倍晋三首相に対する問責決議は、参院予算委に欠席したのが理由。野党は「憲法違反であり、国民主権をないがしろにした」と批判する。
予算委の開会は委員長が職権で決めた。これに対し、政府・与党は「与野党合意がない」とした上で、先に提出した平田健二参院議長に対する不信任決議案が処理されていないと主張する。
衆院小選挙区定数「0増5減」に伴う区割り改定法は4月に衆院を通過したが、参院で審議を行わなかったことから、与党側は平田氏の議会運営を問題視。「参院の存在意義を否定する」として不信任決議案を提出していた。
どっちもどっちなのだ。
区割り改定法案は参院送付から60日以内に採決されず、憲法の「みなし否決」を適用し衆院本会議で与党などの3分の2以上の賛成多数で再可決し、成立した。
定数削減については各党の思惑がからみ、一致できる案にはとても至らなかった。
■ ■
区割り改定法は弥縫(びほう)策にすぎない。最高裁は2011年、最大2・30倍の1票の格差が生じた09年衆院選を「違憲状態」と判断した。
昨年12月の衆院選は区割りの確定が間に合わないまま実施され、格差は最大2・43倍にまで広がった。全国の高裁に提起された訴訟は16件。14件が「違憲」と断じ、このうち2件は「選挙無効」に踏み込んだ。「合憲」はなかった。
新しい区割りでは1・998倍と最高裁が問題にする「2倍以上」をわずかに下回っているが、この数字は10年の国勢調査を基にしている。今年3月の推計人口に基づく試算ですでに6選挙区で2倍を超えている。人口移動を考えれば、一時しのぎにすぎないことは明らかだ。
民主党政権時代の昨年11月の党首討論を思い出すまでもない。
当時の野田佳彦首相は1票の格差是正と定数削減を条件に衆院を解散した。民主、自民、公明の3党合意でも「衆議院議員の定数削減については、次期通常国会終了までに結論を得た上で必要な法改正を行う」と明記している。合意の反故(ほご)である。
■ ■
自民、公明両党は衆院議員の定数削減を含む選挙制度改革に向け、有識者の第三者委員会を国会に設置する案を各党に提示する考えだ。
これも参院選向けのポーズではないのか。国会閉会のいまごろになって提案するのでは本気度が疑われる。
「身を切る覚悟」の約束は裏切られ、この秋にも導入するかどうか判断される消費税増税だけが残る。国民への背信行為である。
●【社説】 電力改革廃案 国民無視にも程がある
中日 2013年6月28日
参院本会議での安倍晋三首相に対する問責決議の可決で電気事業法改正案などが廃案に追い込まれた。電力業界に競争を促し、電気料金引き下げなどを目指す重要法案だ。国民無視もはなはだしい。
来月の参院選をいかにして有利に運ぶか。与野党の駆け引きが、成立が見込まれていた電気事業法改正案や生活保護法改正案をはじめ、国民生活に直結する法案や条約などを廃案に追い込んだ。
そもそも電事法改正案とは何か。家庭も電力会社を自由に選べるようにする「小売りの全面自由化」を二〇一六年に、電力会社の発電部門と送配電部門を分ける「発送電分離」を一八~二〇年をめどに実現する電力システムの改革が目的だ。
先行して小売りが自由化されている大企業向けの多くは、東京電力など既存の事業者と独立系の特定規模電気事業者(PPS)との競争によって一キロワット時当たり十一円前後に下がったが、家庭向けなどの小口は二倍の約二十三円。利益の九割を小口が占めており、公正さを著しく欠いている。
小口も自由化されれば原価に利潤を上乗せする総括原価方式が消滅し、PPSなどとの競争で値下げが期待できるようになる。
その道筋は、衆参ねじれでも与野党間の隔たりは大きくない。暮らしに身近な法案でありながら、なぜ参院は廃案にしたのか。国民をないがしろにした政治の駆け引きに翻弄(ほんろう)されたと言うほかない。
さらに見据えるべきは、今なお終わりが見えない東電福島第一原発の事故だ。この事故こそが電力事業に隠された不条理を表に引き出して電力改革を促した。そこから目をそらしてはならない。
小売り自由化に加え、発送電分離も改革の目玉だ。
電力業界による現在の発電と送配電の一体経営は地域独占の土台であり、風力や太陽光などの自然エネルギー参入を阻害していることは否めない。
分離が実現すれば電力業界の既得権益に風穴があき、自然エネルギーなどの送配電網への公平な接続を通じて多様な電源の効率的活用が期待できる。
それは国民の多くが求める脱原発への第一歩でもある。
しかし、首相は民主党政権が表明した三〇年代の原発稼働ゼロを「非現実的」と一蹴し、再稼働や原発輸出に前のめりだ。参院選後の秋の臨時国会に改正案を再提出する方針だが、原発評価の決定的な違いを背景に電力改革を後退させることがないよう強く求める。
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