厚労省が、昨日4日、児童虐待に関する昨年のデータの速報値を出した。
要点のひとつは、「児童相談所長が行った裁判所に対する親権停止の審判の申立ては16自治体で23事例」。
申立てされた親権停止の事例等も出ていて、「父母のネグレクト」のほか、「父親からの性的虐待」「同居男性からの性的加害』などが例示されている。この親権停止の事例等については、ブログ末で引用しておく。
もうひとつは、「児童虐待相談として対応した件数は73,765件で、これまでで最多の件数」。23年連続更新。
母親へのドメスティックバイオレンス(DV)配偶者間暴力が子どもの前で行われる「面前DV」による心理的虐待について、警察からの相談や通告が増えたことが増加原因の一つという。
さらに、同省が13年8月に児童相談所向けの手引を改正し、虐待の被害児童にきょうだいがいる場合、そのきょうだいも虐待を受けているとして対応するよう求めたことも、増加につながったらしい。
この増加のデータについては、ブログの前半で見ておく。
統計の取り方にもよるのだろうけれど、虐待やDVを身近あるいは当事者として育つと加害者になる可能性が高いということからも、増加傾向は止まらないのだろう。
いずれにしても、加害の多くがオトコ、そのオトコという同じ属性にいて、何といったらいいのか、・・・複雑あるいは申し訳ない思い。
●人気ブログランキング = 今、1位
★携帯でも クリック可にしました →→ 携帯でまずここをクリックし、次に出てくる「リンク先に移動」をクリックして頂くだけで「10点」 ←←
★パソコンは こちらをクリックしてください →→ ←←このワン・クリックだけで10点
★児童相談所での児童虐待相談対応件数(別添1)(PDF:76KB)
児童虐待相談対応件数の推移
(写真をクリックすると拡大)

●平成25年度の児童相談所での児童虐待相談対応件数等/平成26年8月4日【照会先】雇用均等・児童家庭局総務課
厚労省/公式ウェブサイト/2014年8月4日(月)掲載資料/児童虐待相談対応件数
1 平成25年度の児童相談所での児童虐待相談対応件数(別添1)
平成25年度中に、全国207か所の児童相談所が児童虐待相談として対応した件数は73,765件(速報値)で、
これまでで最多の件数となっている。
(参考)平成24年度の児童相談所での児童虐待相談対応件数 66,701件
2 平成25年度に児童相談所長により申立てされた親権停止の事例等(別添2)
平成24年4月から、改正民法・児童福祉法が施行され、親権停止制度が創設されたほか、
法人又は複数人の未成年後見人が選任できるようになった。
平成25年度に全国の児童相談所長が行った家庭裁判所に対する親権停止の審判の申立ての実績は、
16自治体で23事例。法人又は複数人の未成年後見人の選任申立ての実績は、10自治体で11事例。
(ブログ後半に続く) |
●13年度児童虐待、年7万件突破 23年連続で増加
2014/08/04 13:34 【共同通信】
全国の児童相談所が2013年度に対応した児童虐待の件数は前年度比10・6%増の7万3765件(速報値)で過去最多を更新したことが4日、厚生労働省のまとめで分かった。1990年度の集計開始以来、23年連続の増加で、初めて7万件を突破した。
厚労省は、昨年8月の通知で虐待通告があった子のきょうだいも確認するようにしたことや、母親へのドメスティックバイオレンス(DV)に関連し、警察からの通告が増えているのが要因とみている。
最多は大阪の1万716件で、神奈川、東京、千葉と続いた。
前年度からの増加率でみると、鹿児島(2・43倍、231件)が一番多かった。
●児童虐待7.3万件、23年連続更新=「子の前でDV」増加-厚労省
時事(2014/08/04-13:10)
全国207カ所の児童相談所が2013年度に把握した児童虐待の件数(速報値)は、前年度比7064件(10.6%)増の7万3765件に上ることが4日、厚生労働省の調査で分かった。1990年度の調査開始以来、23年連続で過去最多を更新した。
配偶者間暴力(DV)が子どもの前で行われる「面前DV」による心理的虐待について、警察からの相談や通告が増えたことが増加原因の一つという。また、同省が13年8月に児童相談所向けの手引を改正し、虐待の被害児童にきょうだいがいる場合、そのきょうだいも虐待を受けているとして対応するよう求めたことも、増加につながったとみられる。
都道府県別にみると、大阪府が1万716件(前年度比841件増)と最多で、神奈川県の9803件(同1479件増)、東京都の5414件(同626件増)と続く。
●児童虐待が最多の7万件突破 13年度、23年連続増
中日 2014年8月4日
全国の児童相談所が二〇一三年度に対応した児童虐待の件数は前年度比10・6%増の七万三千七百六十五件(速報値)で過去最多を更新したことが厚生労働省のまとめで分かった。一九九〇年度の集計開始以来、二十三年連続の増加で、初めて七万件を突破した。
厚労省は、昨年八月の通知で虐待通告があった子のきょうだいも確認するようにしたことや、母親へのドメスティックバイオレンス(DV)に関連し、警察からの通告が増えているのが要因とみている。児童虐待防止法は家庭内のDVを見て子どもが心に傷を負うことも虐待と定義している。
全国にある計二百七児童相談所が、相談や通告を受けて対応した件数を集計した。都道府県別(政令市なども含む)で最多は大阪の一万七百十六件で、神奈川九千八百三件、東京五千四百十四件、千葉五千三百七十四件と続いた。中部地方では、愛知が三千九百五十七件、三重千百十七件、岐阜七百七十九件、滋賀七百二十二件だった。
前年度からの増加率でみると、鹿児島(二・四三倍、二百三十一件)、鳥取(一・五〇倍、百五十五件)、愛媛(一・四九倍、五百六十五件)などが高かった。
虐待から子どもを守るため親権を最長二年停止できる親権停止制度に基づき、児童相談所長が家庭裁判所に親権停止を申し立てた事案は十六自治体で二十三件あった。制度が創設された前年度より四件少なかった。二十三件のうち保全処分も含めて親権停止が認められたのは十五件。ほかは取り下げが五件、審理中が三件。
認められた事例では、白血病の子どもの輸血を両親が拒んだり、施設で暮らす子どもの腎機能が悪化し腎臓移植に向けた登録をしたのに、保護者が取り消す手続きをしたりといった医療ネグレクト(放棄)のほか、父親や同居男性から性的被害を受けたケースなどがあった。
(続き)
★ 児童相談所長により申立てされた親権停止の事例等(別添2)(PDF:140KB)
1.児童相談所長による親権制限に係る審判の申立て
平成 25 年度において全国の児童相談所長が行った
親権停止の審判の申立ての実績は16 自治体で 23 事例であった。
【平成 25 年度に申立てされた親権停止事例の概要】
事例1
<申立ての背景>
・児童は白血病で輸血が必要であった。
・輸血を行わなければ児童の生命に危険が及ぶにもかかわらず、両親は宗教的
理由から輸血を拒否した。
<申立て後の状況>
・保全処分が認容されて輸血をした。
・その後、本案も認容された。
事例2
<申立ての背景>
・父母のネグレクトのために施設入所中の児童。
・児童は腎機能が悪化し透析が必要となり、腎臓移植に向けて臓器移植ネット
ワークへ登録を行った。
・保護者が臓器移植ネットワークへ登録末梢手続きの連絡をしたことが発覚し
たため親権停止を申し立てた。
<申立て後の状況>
・本案が認容され、臓器移植ネットワークへの登録を継続した。
事例3
<申立ての背景>
・父親からの性的虐待のため児童福祉法 28 条により施設入所した。
・父親は逮捕され実刑となったが、虐待を否定している。
・父親の出所後に児童の引き取りを阻止し、その安定した生活を保障する必要
があった。
<申立て後の状況>
・保全処分、本案共に認容された。
平成 25 年度に全国の児童相談所長が行った親権喪失及び管理権喪失の審判の申立ての
実績は、6 自治体で 7 事例であった。
2.児童相談所長による複数人又は法人の未成年後見人の選任の申立て
平成 25 年において全国の児童相談所長が行った複数人及び法人の未成年後見人の選任
の申立ての実績は、10 自治体で 11 事例であった。
法人で未成年後見人として選任されたものは、児童が入所している児童養護施設の設置
主体である社会福祉法人、県の社会福祉士会、後見事業を行う NPO 法人等が見られた。ま
た、複数人の未成年後見人の事例としては、弁護士とその他 1 名による事例があった。
事例4
<申立ての背景>
・同居男性からの性的加害のために児童は保護を求めてきた。
・他のきょうだいも同居男性からの暴力暴言が怖いと訴えて保護された。
・実母は同居男性との同居継続を望み、児童らの引き取りを訴えた。
・実母が同居男性との同居を望んでいる以上、児童らへの影響を免れないため
親権停止を申し立てた。
<申立後の状況>
・本案が認容され、進路・就職に関して児童主体の援助が可能となった。
事例 5
<申立の背景>
・児童は中学生時に保護者とのトラブルのために一時保護された。児童は家に
帰りたくないと訴え、父母も関係修復の意思がなかったため児童養護施設に
入所した。
・その後、保護者が入所の同意を撤回したため、児童福祉法 28 条を申し立て
審判が確定した。
・高校卒業に当たり、児童が就職して自立した生活が営めるように、児童相談
所から保護者に協力を求めた。しかし保護者の養育姿勢は施設入所時と変わ
らず、児童の成長に理解を示すことなく、保護者は本児との交流を拒否し続
けた。
<申立後の状況>
・保全処分、本案共に認容された。
・児童は就職が決定したが、賃貸借契約や運転免許の取得その他の支援が必要
となるため未成年後見人を選任。
|
| Trackback ( )
|
 |
|
|
|
|