●道の駅建設で架空工事「前市長ら、3500万円返還を」奈良・葛城市監査委員が勧告
2017.10.31 10:26
葛城市に昨年オープンした「道の駅かつらぎ」の建設を巡り、不適切な支出があったとして約3600万円の返還を求めた住民監査請求について、同市監査委員は30日、「違法な公金の支出があった」と山下和弥前市長の関与を認定し、山下氏や業者らに計約3500万円の返還を命じるよう阿古和彦市長に勧告した。
監査結果によると、道の駅の建設予定地にあった福祉施設の移転先に、産業廃棄物が埋まっていることが工事着手後の平成27年11月に判明。新たに撤去費用が必要となり、市は虚偽の名目変更で約2500万円を施設側に支払った。さらに、市内4カ所の道路陥没工事名目で業者に計約370万円を支払ったが、実際は福祉施設の移転先での舗装などに充てられ、工事は行われなかった。
監査委は、山下前市長や生野吉秀前副市長ら6人に聞き取り調査を実施。山下前市長は名目変更の報告を受けていたことを認めた上で「事業を進める上で必要なことだった」と説明したという。地元住民5人が8月31日に監査請求書を提出し、施工業者らに約3600万円を支払わせるよう市に求めていた。
阿古和彦市長は「勧告内容を厳粛に受け止め、適切に対応する」とコメントした。
●「道の駅かつらぎ」めぐり、奈良・葛城市が前副市長らを告発
産経 2018.2.17 13:57
奈良県葛城市に昨年オープンした「道の駅かつらぎ」の建設工事に絡み、違法な公金支出があったとして当時の市幹部らが約3500万円の損害賠償を請求された問題で、同市は16日、地方公務員法違反(守秘義務違反)の罪で生野吉秀前副市長を、虚偽公文書作成などの罪で市職員6人を県警に告発したと発表した。告発状は15日付で受理された。
この問題を巡っては、市監査委員が昨年10月、山下和弥前市長と生野前副市長の関与を認定。建設予定地にあった法人に虚偽の名目で2500万円を支払ったほか、架空の道路補修工事費などで計約1千万円を不適切に支出したと指摘していた。
市は昨年12月、監査結果に基づいて山下前市長と生野副市長、施工業者などに返還請求したが、いずれも返還に応じていないという。
一方で、諮問機関の市政検討委員会は昨年10月、背任罪での告発や民事賠償請求などによる追及を検討すべきと答申。阿古和彦市長は「答申に沿って、全ての手続きをしたい。内容が確認できた部分から刑事告発した」と話した。
告発を受け、生野前副市長は「告発内容がわからないので、コメントしようがない。弁護士と相談する」としている。
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