地底人の独り言

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『空也上人がいた』

2011年05月11日 | 読書

 

山田太一の小説『空也上人がいた』読んで、生きること・死ぬことを考えた

昨日に続いて、今日も雨。気分が滅入る感じだ。私は飴が好きではない。こんな時には、読書の話題だ。 

私の読書はまさに乱読で、とりわけ公民館経由で図書館の本を借りて読むようになってからは、いろんな本を読んでいる。「購入してまでは読まないな」、と思う本でも借りてなら読める。嬉しいことだ。

 プログで感想を書くのは「生、老、病、死」に関することが多いが、私は小説の方が好きで結構読んでいる。今日は脚本家でもある山田太一著『空也上人がいた』(朝日新聞出版刊)を読んだことを紹介したい。

 76歳になる山田太一の19年ぶりの書き下ろし小説の『空也上人がいた』は、400字詰め原稿用紙で約180枚。読み始めてから、一気に読んだし、読めた。

 内容は、「特養ホームで老婆を死なせてしまった27歳のヘルパー草介は、女性ケアマネの重光さん(46歳)の紹介で、81歳の老人の在宅介護を引き受ける。介護する側の疲労、介護される側のいたわり。ヘルパーと老人とケアマネの風変わりな恋がはじまる。彼らはどこまで歩いていくのか。そして、心の痛みを抱える人々と一緒に歩いてくれる空也上人とは?重くて爽やかな衝撃作」との紹介がある(内容(「BOOK」データベースより)。

 余談だが、この重光さんだが、村上春樹著『ノルウェイの森』(講談社刊)のレイコさんを強く想起した。レイコさんはとても魅力的で、今回の重光さんにも惹かれた。

 ところで、4月6日付読売新聞のインタヴュー記事の中で、著者・山田太一は、この著書『空也上人がいた』について、次のように語っている。「さらさら読めると思うが、内面に刺さる自責の念や老人の自殺の問題など複合的な思いを表現したつもり。中年期ならもっとテーマをくっきりさせ、誰にでも分かるように書いたと思うが、70代になったからこんな書き方ができた」とある。

 また題名となっている空也上人だが、「多くの死者を貧富の隔てなく弔った、平安中期の僧」だそうで、「名僧や高僧に励まされるのではなく、ふと気づくと、くたびれた空也上人が横を歩いてくれているというのは悪くないと思った」と著者は語っている。

 私が惹かれたのは次の一節だ。私はまさに恥多き人生で、全てを「墓場に持って行く」こととしており、一切の資料はこれまでに全て捨てている。あるのは、松たか子の関係資料のみといった状態だ。

 「80歳を越えてみるとね、何度も過去を処分してるんだ。70歳の前年に、妻以外の異性との記念物をまとめて捨てた。(中略)会社勤めのころの日記とかね、この不正だけは書き残そうなんて思ったノートなんかも、主要な関係者が死んだりボケたりでね、今更そういう旧悪をあばいたって、誰が関心を持つかと焼き捨てた。その後、会社自体が大手に吸収されてなくなってしまった。妻も死んでしまった。青山の家も売った。一生の結論を見てしまった。ほとんど今は死後の世界を生きている」。

 「ストーリーテラー」の名手と言うべきか、私にしては珍しく一気に読んだ。「人が生きるとはどういうことか、そして人が死ぬとはどういうことか」、さらりと書かれているだけに深く考えさせられた。素敵な小説だった。

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残り物に福あり

2011年05月11日 | 食べ物

 

畠瀬本店の新たなカフェメニュー、試作中のクレープを試食させてもらった

 畠瀬本店のランチタイムは15時までで、その後はカフェタイムとなる。昨日お店に入ったのは、15時に2分前だった。ただ、それ以前にランチは残っているか確認し、予約の電話を入れていたので安心だった。

 今日の週替わりメニューは「親子丼」だったが、そのお盆の上にはいつもは人気の日替わりであるハンバーグ定食についているお野菜料理いっぱいのプレートが乗せられていた。

 「わー、嬉しい」と声を上げると、「残り物に福ありですよ。ただし、ない品もありますが」との店主さんの笑顔の言葉が届いた。私はこの白いプレートに乗せられているたくさんの種類のお野菜の料理が大好きなのだが、週替わりメニューが魅力で、多くの場合そちらをお願いしてしまう。だから、今日は格別に嬉しかった。

 そして今日は、もう一つ嬉しいことがあった。食後のコーヒーを楽しんでいると、「カフェタイム」のメニューとして、ワッフルかクレープを考えているそうで、「その試作品、食べてみて」と、クレープをお出しいただいた。これが格別美味しかった。少しだけ疲れていた心と体が、元気になった感じだ。

 美味しいものをいただいて、とても満足した畠瀬本店。その店内には美しいお花と炭が置かれていた。その炭は販売用だそうだ。

 また聞けば、5月8日が母の日、そして翌9日が店主さんのお母様(今度私が受講する東公民館「旬の食材を楽しむお料理教室」の講師)の誕生日だそうだ。「それなら、一緒ですませますね」と言うと、「それは許されないの」と笑っておられた。お花は、プレゼントだった。

 素敵なご家族、その心温かさがお店の雰囲気にも表れている。ホント、畠瀬本店は素敵なお店だし、ランチが美味しいものはもちろん、カフェタイムも素敵に過ごせる。是非とも、一度畠瀬本店を体験されることをオススメする。

 

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