司法書士内藤卓のLEAGALBLOG

会社法及び商業登記に関する話題を中心に,消費者問題,司法書士,京都に関する話題等々を取り上げています。

供託と法定金利

2004-08-26 19:17:38 | 会社法(改正商法等)
民事法定利率 年5%(民法第404条)
商事法定利率 年6%(商法第514条)
供託金利息  年0.024%(供託規則第33条)

 金銭請求訴訟で被告が敗訴すると、たとえば「本訴状送達の日の翌日から年5分の金員を支払え」ということで損害金5%を付加して支払わなければならない。定期預金の金利が年0.03%前後という時代に年5%というのは超高金利である。
cf.金利情報

 したがって、供託が可能な否かを極力早く検討し、可能なケースであれば早めに供託手続を行うべきである。たとえば、金融機関等が預金の帰属を巡る相続人間の争いに巻き込まれ、ある相続人から払戻請求訴訟を起こされると、そのような問題に直面することになる。

 事案はまったくことなるが、いわゆる「銀行税訴訟」において、東京都が、最高裁で敗訴して判決が確定してしまうとこれまで徴収した税額の返還はもとより、年率4.1~4.5%という超低金利時代には破格な還付加算金を上乗せして返還しなくてはならないという難題に苦慮し、和解という決着となったのは記憶に新しい。

 金利も馬鹿にならない。
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先義後利

2004-08-26 18:45:15 | 会社法(改正商法等)
 企業の社会的責任(CSR)という言葉をよく耳にする昨今であるが、大丸百貨店の社是に「先義後利」」(義を先にして利を後にする者は栄える)という言葉がある。企業においてはとかく営利を追求してビジネスライクに行動することが要求されがちであるが、社会に対して何を還元できるのかを常に念頭に置いて業務を行なうべきである。肝に命ずべき言葉であろう。

cf.京のあきんど訓
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動産登記制度の創設

2004-08-26 11:46:55 | 会社法(改正商法等)
 企業が在庫商品や機械設備などを担保に行う資金調達を法的に裏付ける動産譲渡登記制度を創設し、また債権譲渡に係る登記制度の見直しに関する要綱案がまとめられた。動産譲渡は、譲渡担保や占有改定等難しい問題が多く、登記による公示制度と対抗要件を取得できるようにとの経済界のニーズに対応するもの。

http://www.excite.co.jp/News/searched_story/20040824193700/20040825M10.044.html

①法人が譲渡人である動産譲渡を登記の対象とするものとし、民法第178条の特例として、登記をもって第三者に対抗することができるものとする。
 動産譲渡登記事項概要ファイルを創設する。

②債権譲渡特例法による債権譲渡登記制度を見直し、債務者が特定していない将来債権の譲渡について、債権譲渡登記によって第三者に対する対抗要件を具備することができるようにする。
 債権譲渡登記がされるごとに登記事項の概要を譲渡人の法人登記簿に記録する制度を廃止し、債権譲渡登記事項概要ファイルを創設する。

 なお、公示方法として、これまで債権譲渡登記がされるごとに登記事項の概要を譲渡人の法人登記簿に記録する制度であったが、債務者の信用不安の誤解を生じさせるとの批判が強かったこともあり、今般両登記共に登記事項概要ファイルを創設することとなった。

 労働債権の保護のあり方についてはなお検討。 cf.労働弁護団の意見書

 中間試案の内容及び意見募集の結果については、法務省パブリックコメント欄に掲載されている。
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