組合は、株式会社の株主となることができるか?この点について、論じた文献はわずかである。そこで、若干の考察を試みることとする。
会社法下の登記実務においては、発起人となりうるのは、法人又は自然人に限るものとされ、組合(法人格を有しないものに限る。以下同じ。)は、発起人となることができない、という取扱いである。
cf. 平成18年9月11日付「発起人について」
では、募集株式の発行等において、組合が、募集に応じて募集株式の引受けの申込みをし、募集株式の引受人となり、株式を取得することができるか。
この点については、従来から、民法上の組合である投資事業組合が当該行為を広く行ってきており、投資事業有限責任組合については、明文規定(投資事業有限責任組合法第3条第2号)が置かれている。組合も、組合員の肩書き付名義で、契約を締結することは可能であると解されていることから、募集株式の引受契約を締結し、当該株式を取得することは当然できると解される。
cf. LLPに関する40の質問と40の答え(FAQ)
組合が取得した株式は、総組合員の共有(合有)となる(民法第668条)。そして、株式会社は、営利社団法人であり、複数人の結合体であるから、構成員たる株主となり得るのは、自然人又は法人に限られると解すべきである。組合は、「契約」であるから、株式会社の構成員たる株主となるのは、あくまで組合員全員であると解すべきであろう。この点につき、「論点解説 新・会社法~千問の道標」(商事法務)123頁(Q165)は、「組合その他これに準ずる事業体である株主」として、組合が株主たることを前提とした解説であるが、妥当ではないと考える。
したがって、登記手続における添付書面としての株式申込証又は総数引受契約書(商業登記法第56条第1号)についても、従来どおり、組合員の肩書き付名義での記名押印で足りると解すべきである。「株式を取得するのは組合である」ことと、「株主となるのは組合員全員である」ということは、区別して考えるべきである。
会社法下の登記実務においては、発起人となりうるのは、法人又は自然人に限るものとされ、組合(法人格を有しないものに限る。以下同じ。)は、発起人となることができない、という取扱いである。
cf. 平成18年9月11日付「発起人について」
では、募集株式の発行等において、組合が、募集に応じて募集株式の引受けの申込みをし、募集株式の引受人となり、株式を取得することができるか。
この点については、従来から、民法上の組合である投資事業組合が当該行為を広く行ってきており、投資事業有限責任組合については、明文規定(投資事業有限責任組合法第3条第2号)が置かれている。組合も、組合員の肩書き付名義で、契約を締結することは可能であると解されていることから、募集株式の引受契約を締結し、当該株式を取得することは当然できると解される。
cf. LLPに関する40の質問と40の答え(FAQ)
組合が取得した株式は、総組合員の共有(合有)となる(民法第668条)。そして、株式会社は、営利社団法人であり、複数人の結合体であるから、構成員たる株主となり得るのは、自然人又は法人に限られると解すべきである。組合は、「契約」であるから、株式会社の構成員たる株主となるのは、あくまで組合員全員であると解すべきであろう。この点につき、「論点解説 新・会社法~千問の道標」(商事法務)123頁(Q165)は、「組合その他これに準ずる事業体である株主」として、組合が株主たることを前提とした解説であるが、妥当ではないと考える。
したがって、登記手続における添付書面としての株式申込証又は総数引受契約書(商業登記法第56条第1号)についても、従来どおり、組合員の肩書き付名義での記名押印で足りると解すべきである。「株式を取得するのは組合である」ことと、「株主となるのは組合員全員である」ということは、区別して考えるべきである。