社会福祉法人の定款準則は,公告の方法について,次のとおり定めている。
(公告の方法)
第26条 この法人の公告は,社会福祉法人○○福祉会の掲示場に掲示するとともに,官報又は新聞に掲載して行う。
cf.社会福祉法人定款準則
http://www.pref.osaka.jp/houjin/seturitu/u_teikanjunsoku.html
「官報又は新聞」・・・。
公告方法の種類につき法令の規律があり,登記事項とされているものについては,登記実務は,一義的明確性を要求している。すなわち,「A又はB」にような選択制は,認められていないし,「時事に関する日刊新聞紙」についても特定紙であることが必要である。
社会福祉法人の場合,公告方法の種類につき法令の規律がなく,また登記事項ともされていない。しかし,だからといって,「官報又は新聞」では,利害関係者は,一体何をチェックすればいいのか,また何のための「公告」であるのか,甚だ不可解である。これでは,定款の絶対的記載事項としている意義も乏しい。
なお,社会福祉法人が法令上公告をする必要があるのは,解散(社会福祉法第46条の9第1項),清算中の破産手続の開始(同法第46条の11第1項)及び合併(同法第50条第2項)の3つの場合であり,前2者は,官報による必要があるので,定款の規定に基づく公告方法により公告をする必要があるのは,合併の場合のみである。