司法書士内藤卓のLEAGALBLOG

会社法及び商業登記に関する話題を中心に,消費者問題,司法書士,京都に関する話題等々を取り上げています。

株主の死亡と相続人不存在

2011-05-16 12:04:36 | 会社法(改正商法等)
 東日本大震災によって被災した株式会社において,当該株式会社が1人会社である場合等に株主が死亡し,当該株主の相続人が不存在である場合が想定される。

 この場合の解決策としては,利害関係人から,相続財産管理人の選任の申立てをすることが第1歩となる(民法第952条第1項)。

 問題となるのは,相続財産管理人が選任された場合に,当該相続財産管理人が相続財産に属する株式に関して,議決権を行使することができるのか,である。

 相続財産管理人の職務は,財産の管理行為であって,家庭裁判所の許可を得て行うことができる権限外行為(民法第953条によって準用する民法第28条前段)も,財産の管理行為の範疇に属するものである必要があり,これに該当しないものは行うことができないと解される。

 そして,株式の議決権の行使は,財産の管理行為には含まれない。

cf. 平成20年8月19日付「会社法と成年後見」

 例えば,破産管財人は,オールマイティのような感があるが,破産財団に属する財産の管理及び処分をする権限を有する(破産法第78条第1項)のであって,会社組織に係る行為等については,取締役又は監査役が権限を行使し得る(最高裁平成16年6月10日第一小法廷判決)とされ,破産管財人の権限外である。そして,破産財団に属する株式に関して,議決権を行使することができるのは破産管財人ではなく株主であるとして,株主総会の招集通知を株主宛に送付すべきであるとした裁判例もある(大阪地裁昭和32年12月6日判決)。

 この理からしても,相続財産管理人は,相続財産に属する株式に関して議決権を行使することができない(権限外行為として許可を得る対象にもならない。)というべきである。

 したがって,当該株式につき,議決権の行使が期待されるのであれば,相続財産管理人が家庭裁判所の許可を得て第三者に当該株式を売却し,当該第三者が株主となることによらざるを得ないということになる。

 株主が所在不明であることから,不在者財産管理人の選任がされたケースも同様である。
コメント (6)

武富士税務訴訟,巨額の還付加算金の波紋

2011-05-16 09:50:36 | いろいろ
日経記事
http://www.nikkei.com/biz/focus/article/g=96958A9C93819499E3E7E2E0E08DE0E2E2E6E0E2E3E3E2E2E2E2E2E2;dg=1;p=9694E3E4E3E0E0E2E2EBE0E0E4E3

 超過納税分には4.3%の金利が付されることから,予定納税等も「とりあえず納めておけ」という姑息なテクニックを指南する専門家(?)もいるようだ。
コメント

東日本大震災に係る登記手数料の特例

2011-05-16 07:07:21 | 東日本大震災関係
東日本大震災に係る登記手数料の特例 by 法務省
http://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00062.html

cf. 平成23年5月13日付「東日本大震災の被災者等に係る登記事項証明書等の交付についての手数料の特例に関する政省令が公布」
コメント

国民生活センターの在り方の見直しに係るタスクフォース「中間整理」に対する意見募集の実施について

2011-05-16 07:02:45 | 消費者問題
国民生活センターの在り方の見直しに係るタスクフォース「中間整理」に対する意見募集の実施について
http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=235090001&Mode=0

 意見募集は,平成23年6月9日(木)まで。
コメント