司法書士内藤卓のLEAGALBLOG

会社法及び商業登記に関する話題を中心に,消費者問題,司法書士,京都に関する話題等々を取り上げています。

定款変更における附則の定め方(補遺の補遺)

2017-02-22 07:54:12 | 法人制度
「要は,条項ごとに効力発生時期が異なる場合の定款変更がパッケージとして議案とされるときは,条項ごとの効力発生時期を明瞭に区分する形で,附則を定めるべきということである。

 しかしながら,会社以外の各種法人の定款変更の実務においては,上記のとおり,認可を要するものと要しないものとがパッケージ議案となる場合においても,無思慮に,「この定款は,平成  年  月  日から施行する」(※日付は,ブランク。)又は「この定款は,認可の日から施行する」といった附則の定め方がされる例が散見される。

 このような定め方をすると,議案の全体として(本来認可等を要しない軽微な事項についても),効力の発生時期が「認可の日(認可書到達の日)」ということになってしまう。」

cf. 平成28年10月26日付け「定款変更における附則の定め方(補遺の補遺)」


 今般,社会福祉法人において,法改正に対応して一斉に定款変更の認可申請がされているが,その効力発生時期については,平成29年3月31日までに認可がされることを前提として,附則に「この定款の変更は,平成29年4月1日から効力を生ずる」旨を定める内容となっている。

 よって,「認可を要する事項」についても,「認可を要しない軽微な事項」についても,その効力の発生時期は,総体として,「この定款の変更は,平成29年4月1日から効力を生ずる」ことになる。

 ところで,定款変更の内容として,法改正とは無関係の,例えば,目的等(目的及び事業)の変更が含まれていることもあるが,このような規定の変更についても,効力発生時期は,別段の定めがない限り,上記のとおり平成29年4月1日である。

 ところが,法改正に無関係の事項であるからという理由(?)で,「認可の日から効力を生ずる」として,認可後2週間以内に登記申請をせよ,と指導している自治体が少なからずあるという噂が・・・。

 明らかな誤解であるので,定款変更によって登記事項に変更がある場合には,適切に(平成29年4月1日以降に,「平成29年4月1日変更」として)登記申請をすべきである。
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社会福祉法人における定款変更認可前における評議員の選任について

2017-02-22 07:28:56 | 法人制度
定款変更認可前における評議員の選任について by 京都市
http://www.city.kyoto.lg.jp/hokenfukushi/page/0000200375.html

「国においては,本来,所轄庁による定款変更の認可後に行う必要がある評議員選任・解任委員会の開催及び評議員選任・解任委員会による評議員の選定について,制度改正に伴う今年度の手続に限り,定款変更の認可を前提として,認可前に行うことも差し支えないこととする旨の取扱いの見直しが行われましたので,お知らせいたします。」(上掲)

 今更(^^)。仮に認可後であっても,定款変更の効力発生は,平成29年4月1日であるのだから,同日前に変更後の定款規定に従う手続は,本来背理である。

 とまれ,お墨付きが出たということで。


問12-4 新評議員選任のために必要な理事会は、①定款変更手続きのための理事会、②定款変更認可後の評議員選任・解任委員会設置等のための理事会であり、少なくとも2回開催することが必要なのか。【8/22付けブロック別担当者会議FAQ問3同旨(修正)】

(答)
1.定款変更認可後に②の理事会を開くことが適当であるが、定款変更の認可を前提として、評議員選任・解任委員会設置に係る議案を①と同じ理事会で審議することも可能である。

2.ただし、評議員選任・解任委員会の開催及び評議員選任・解任委員会による評議員の選定については、所轄庁の定款変更の認可後でなければならないが適当であるが、制度改正に伴う今年度の手続に限り、例えば、定款変更の申請後一定期間を経過しても所轄庁の認可がない等、平成 29年3月31日までに新たな評議員の選任を行うことが困難な場合には、定款変更の認可を前提として、認可前に評議員選任・解任委員会の開催及び評議員選任・解任委員会による評議員の選定を行うことも差し支えない(評議員に関する定款上の規定が法令及び通知等に違反している場合を除く)。
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インターネットの虚偽広告で,消費者契約の取消し可能

2017-02-22 07:05:23 | 消費者問題
日経記事
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG20HGW_R20C17A2CR0000/

「消費者庁は20日、チラシやインターネットといった不特定多数に向けた広告に虚偽があれば、消費者が契約を取り消せることもあり得るとの見解を、消費者契約法の解説書に盛り込んで改訂した。」(上掲記事)

cf. 消費者庁HP「消費者契約法逐条解説」
http://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_system/consumer_contract_act/annotations.html

平成29年1月24日付け「クロレラチラシ配布差止等請求事件(最高裁判決)」
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