司法書士内藤卓のLEAGALBLOG

会社法及び商業登記に関する話題を中心に,消費者問題,司法書士,京都に関する話題等々を取り上げています。

令和5年度の休眠会社等の整理作業(みなし解散)が始まる

2023-10-13 05:11:34 | 会社法(改正商法等)
令和5年度の休眠会社等の整理作業(みなし解散)について
https://www.moj.go.jp/MINJI/minji06_00083.html

 今年度の休眠会社等の整理作業に関して,「会社法第472条第1項の届出,一般社団法人及び一般財団法人に関する法律第149条第1項の届出及び第203条第1項の届出」に関する公告がされた。

cf. 官報
https://kanpou.npb.go.jp/20231012/20231012h01080/20231012h010800010f.html

「令和5年12月12日(火)までに必要な登記(役員変更等)の申請又は「まだ事業を廃止していない」旨の届出をしない限り、同月13日(水)付けで解散したものとみなされ、管轄登記所の登記官により職権で解散の登記がされますので、御注意ください。」

 登記所からの通知の封筒は,目立たないのか,見過ごされがちであるようであり,御注意ください。

 みなし解散となってしまった株式会社等に対して,翌年2月頃に税務署から「みなし解散法人の申告についてのお知らせ」が送付され,その時点で事態が発覚するケースが少なくないようである。
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スタートアップ設立円滑化のための公証人による定款認証に関する見直し

2023-10-13 04:11:59 | 会社法(改正商法等)
日経記事(有料会員限定)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA12CEA0S3A011C2000000/

「スタートアップ設立円滑化のための公証人による定款認証に関する見直し」の議論が進むようである。

cf. デジタル行財政改革会議(第1回)
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/digital_gyozaikaikaku/gijishidai1.html
※資料4

 しかし,「手続きの煩雑さが起業の負担」(上掲記事)と,この種の会議では盛んに言われているが,果たして事実なのか。

 株式会社の設立手続は,個人とは別の「法人格」を作出する行為である。株式会社は,本来,会社法その他の法令をきちんと理解した人々が利用すべき「社会の公器」である。しかし,会社法が定める手続をろくに理解しようともせずに,ゲーム感覚で設立手続をしようとして,うまく行かず(定款認証や設立登記の申請が補正の山らしい。),それを理由に,「手続が煩雑,面倒だ。もっと簡単にしろ」という一部の声を取り上げて,必要以上に「見直し」を進めるのは,ちょっと違うのではないか。

「起業の促進」と言えば,聞こえはいいが,「法人格」を作出してはポイ捨てをする,粗製濫造の社会に堕することになりかねない。

 逆に,「法人格」を利用するには,一定のライセンスのようなもの(運転免許のような)を必須としてもよいのではないか。

 今回の見直しが,法治国家としての規律を失わせるようなことにならなければよいが。
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