持分会社の資本金の額について、会社法には規定が置かれていない。
合同会社においては、登記事項(会社法第914条第5号)であり、会社計算規則第57条第1項の規定に従って算定されることになる。社員になろうとする者が決定するのである。
合名会社、合資会社においては、資本金の額は登記事項とはされていない。よって、株式会社への組織変更の際に資本金の額が問題となる。組織変更後株式会社の資本金の額は、「組織変更の直前の持分会社の資本金の額」(会社計算規則第57条第1号)であるからである。
この「組織変更の直前の持分会社の資本金の額」は、持分会社の会計帳簿により定まる額(会社法第615条第1項)とされ、会社計算規則第75条第1項、同第53条第1項及び第2項の規定に従って算定された額となる。従って、商業登記規則第61条第5項の書面は、上記の規定に従って計上されたことを証する書面である。
旧合名会社、旧合資会社の「社員の出資の目的及びその価格又は評価の基準」は、定款の絶対的記載事項(旧商法第63条第1項第5号、同第148条)であったので、定款があれば、おそらく算定は可能であろうと思われる。
なお、法人税の申告書に、「期末現在の資本の金額又は出資金額」(※会社法施行前の表記)を記載する欄があるので、定款がなければ、この数字が参考になろう。