21世紀中年

昭和オヤジのときめき、ひらめき、感激、嘆きを思いのままに書き連ねます

早くも気分はソチ五輪へ

2012-08-21 16:14:48 | 語るスポーツ
 ロンドン五輪に触発されて、気持ちは早くも再来年冬のソチ五輪に向いている。ソチで果たしてメダルはいくつ獲れるのだろうかなどと気の早い算段をしてみるのだが、やはり冬は厳しい。

 有力なのは女子ジャンプの高梨と選手層が厚い男女フィギア、まあスピードスケートの短距離もシーズンの状況次第で獲れるかもしれない。

 男子のジャンプは伊藤大貴が昨シーズンの好調ぶりを持続できればいけそうだが、あと2シーズン、まだまだ道程は長い。複合団体も同じだ。バンクーバーで活躍した女子スケートのリレーも、メンバーが変わる次はどうか。モーグルは上村に代わる有力選手が出てこない。アルペンも厳しい。アイスホッケーは論外。クロスカントリーやバイアスロンも突出した選手が見当たらない。リュージュやボブスレーは言うに及ばず、スケルトンなど越以外の選手の名前すら浮かばない。

 強化策ひとつでメダルを狙えそうなのは、カーリング、スケートのショートトラックだが、特に強化に力を入れているといった話も聞かれない。韓国などは明らかにメダル狙いでショートトラックを強化し、成果を上げただけに、日本も可能性がある。実際、長野ではメダルを獲っている。しかし、メディアの注目度が低いこともあって競技人口が伸びていない。もったいない話だ。カーリングなどは人気もうなぎのぼりで、徹底的に強化すればメダルが狙えそうだが、未だにナショナルチームではなく単独チームがオリンピックに出ている。もったいない話だ。チームワークがものをいう競技だからともっともらしい理由をつけているが、その実は強化予算がないからだろう。

 スノーボードもハーフパイプは、一流プロが賞金なしのオリンピックを敬遠しているので、明らかに狙い目だ。アルペンに見切りをつけて、日本の一流どころがスキークロスに転向するのも悪くない。スキークロスは、見ていて面白い。

 もっとも、メダル至上主義のオリンピック参加はどうかと思うが、ウインタースポーツの啓蒙を考えれば、やはりメダルは獲った方がいいに決まっている。何より、景気の底上げが期待できるのだ。スキーなどは今ではどんどん下火になり、ニセコのように海外からの集客に力を入れざるを得ない現状がある。ウインターバブルの象徴、「私をスキーに連れてって」のような偶発的なトレンドは期待できないだけに、オリンピックへの注目度こそが頼みの綱なのだ。

 しかし、日本は長野オリンピックを有効活用しなかった。万民をウィンタースポーツへ誘う仕掛けを何もしなかったのだ。個々のアスリートだけが、注目されただけで終わった。そこが、札幌と長野の違いだ。時代もあろうが、札幌は街そのものを見事に観光ラインに乗せた。今もそれは残っている。日の丸飛行隊の活躍だけが札幌五輪の財産ではなかった。「虹と雪のバラード」というトワ・エ・モアが歌ったテーマソングは、今も札幌の街に流れている。大倉山シャンツェは観光コースになっている。メインスタジアムは野外ライブのメッカとなり、北海道マラソンのスタート会場としても知られる。アイスアリーナも同様だ。

 そして何より、札幌が得たのはファッションセンスの向上ではなかったか。オリンピックを境にファッションへの関心が高まった。これまで防寒オンリーの冬のファッションをオシャレとして楽しむようになった。その結果、四季を通して札幌市民のファッション熱は数倍上がった。地場のメーカーができ、本州メーカーのアンテナショップもこぞって進出た。今日のアパレル業界のシェア拡大の礎は札幌オリンピックだったといっても過言ではない。

 くどくどと能書きを述べたが、何が言いたいかというとオリンピック効果は景気を左右するということだ。本当はアルペンスキー、アイスホッケーといった目立つ競技でメダルが狙えるのがベストだが、残念ながら世界との差は大きい。ならば日本が韓国のようにマイナー競技でメダルを狙ったって罰は当らない。もちろんメダルを獲ればいいというものではない。せっかく誕生したヒーローやヒロインの地位を高め、物語を演出することも忘れてはならない。魅力はつくられるものなのだ。

 ここまで語ったのだから、ついでにもうひとつ。ジャンプをもっと資源活用しないともったいない。あのど派手な神業競技を生で見れば、確実にファンは増えるはずだが、実際はほんの一握りの熱心な地元ファンだけが競技場に足しげく通うだけだ。もったいないことこの上ない。そこで、毎年、札幌で行われるW杯をジャンプ週間にして、総合優勝を決める一大イベントにする。エイベックスの協力を得て表彰イベントを雪まつり会場で大々的に行う。当然、ジャンプ週間観戦ツアーを大々的に募る。競技はもちろん表彰イベントを全国放送する。

 ついつい熱くなってしまったが、今回のロンドン五輪はメダルの数だけ、日本人に訴えかける力があったということだ。
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