tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

トランプさん、この所、迷走気味では?

2019年10月17日 23時32分52秒 | 国際関係
トランプさん、この所、迷走気味では?
 アメリカは来年の大統領選挙に向けて動きだしているようですが、アメリカの伝統から来るのでしょう、あの複雑な大統領選挙のプロセスが始まるわけです。

 アメリカとしては、アメリカなりに最も適任の大統領を選ぶシステムということなのでしょうが、前回の,我々には些か異様だった誹謗中傷発言が常態化するような選挙戦ではなくて、素晴らしい人格を持った候補者が紳士的な態度で選挙戦を戦って、世界の見本となるようなプロセスを見せて頂きいたいとつくづく思うところです。
 
 トランプさんは何としても二期目を狙いたいでしょう。しかし太平洋の対岸の日本から見ていても、最近のトランプさんの行動の結果は、何か迷走気味になってきているように思われます。

 もともと、覇権国としてその矜持とともに世界を見るべき国の大統領が、「自国ファースト」と言っていたのですからそれだけでも違和感を禁じ得なかったのですが、その後の行動は世界により多くの混乱をもたらし、そのうえ、自国についても、株価こそ最高値を更新したりしていますが、双子の赤字に象徴されますように、実は破局に向かって突き進んでいるように感じられてなりません。

 基本的には、覇権国はコストがかかるから、世界の警察官などはやめて、自国中心で豊かにやろうと考えてのかもしれませんが、第二次大戦以来担ってきた「覇権国」「基軸通貨国」という役割からは、そう簡単に降りられません。

 世界には、日本のように「覇権国などとんでもない」という国ばかりではなくて、チャンスがあれば覇権国になりたい国が沢山あるようです。
 では、アメリカがどうぞどうぞとと譲れるのか といいますと、トランプさん自体も、譲った方が安くつくという気持ちと、覇権国の役割はアメリカが引き受けるのが一番いいはずだという気持ちの両方の中で、結論が出ていないのではないでしょうか。

 かといって覇権国の役割をだんだん国連に移管していくといった国連重視の姿勢もないようで、都合のいい時だけ国連の名前を使うというようなことになってしまっているようです。
 
 世界の注目を集めて始まった北朝鮮問題では、いくらキムさんに優しくしても、逆に相手を居丈高にしてしまったようですし、イラン問題では対話を拒否され、シリアでは変な成り行きでアメリカとトルコの関係が変なことになってしまったようです。

 最大の問題の中国との関係では、超大国同士覇権争いという見方な強くなる中で、関税の威力を使ってと考えたところ、アメリカの製造業大企業がほとんど中国を生産拠点として使っているという現実にぶつかり、返り血がひどくなり過ぎ、政策変更を余儀なくされているようです。

 「アメリカ・ファースト」に専心して、アメリカ経済を豊かに健全にという目標の達成は容易でなく、財政と国際収支の「双子の赤字」は、より深刻になる気配です。
 アメリカの経済価値の源であったアメリカの証券の信用はリーマン・ショックで失墜、ドルの価値も、トランプさんのドル安期待で冴えません。

 このままではトランプさんご自身の不動産ビジネスにも悪影響が出そうです。さて、覇権国の大統領の権限を使って、何ができるのか、あと1年でトランプさんの評価も決まるのでしょうが、アメリカ国民は、いま、何を考えているのでしょうか。