日本銀行、CLOについての注意喚起
また何か気になる話が出て来ました。
万年赤字で、国としての資金繰りを何とかつけなければならないアメリカ発の話ですから、どうにも気になってしまいます。
というのは、先日、日本銀行がレポートをまとめた「CLO」のことです。
CLOというのは、Collateralized loan obligation の略で、直訳すれば、「貸付金返済義務の見返り証券」とでもいうのでしょうか。
一般的には「ローン担保証券」と言っていますが、具体的に言えば、アメリカの金融機関が事業会社向けに貸し付けたローンを担保にして証券を発行し現金を早く回収しようという手段のことです。
もう少し詳しく言えば、金融機関にしてみれば、借金を分割で返してもらうのを待っていたら、時間がかかるので、利息と元本はいずれ返済されるという前提で、返済してもらう権利を担保にして証券を発行してそれを売り捌けば資金は早く回収できて、その資金をまた運用できるということです。
もう一つ、大きなメリットがあるようです。ローンが元利含めて返済されるはずですが、借りた企業が倒産すれば銀行の損失になります。ところが返済を受ける権利をCLOにして売ってしまえば、損するのは、そのCLOは自己判断で買った人です。CLOの価格が下がって大損、売った金融機関はCLOを売った時に全額入金ですから、債権保全になるわけです。
そんなものを買う人がいるのかとも思いますが、発行元が確りしているからとか格付け機関がAAAの格付けをしているからとかで、多少ハイリスクですがハイリターン(高い利回り)ひかれて買う人がいるのです。
買う「人」といっても、現在アメリカで商品化されているCLO70兆円ほどは、その多くはアメリカの年金ファンドなどが買っているようで。二番目に多いのは日本で、13兆円ほど日本の金融機関が買っているとのことです。
特に日本の金融機関はゼロ金利が長すぎて、国内に利回り良い運用先・投資先がないので、CLOでも買わなければ利益が出ないという問題に直面しているのでしょう。
「危ないかもしれない」と注意喚起をする日銀がゼロ金利の張本人です。お陰で金融機関が、CLOをアメリカの次に多く買っているのですから、注意を喚起するより、金利を正常化してくれという意見もありうるでしょう。
そんなことで、最後になりましたが、一番申し上げたいことは、CLOはリーマンショックの原因になったサブプライムローンの証券化と全く同じもので、ただ、ローンの対象がサブプライムローンは低所得層への住宅資金が中心、CLOは信用力が低い企業への事業資金が中心ということだそうです。
格付け機関がAAAと付けるのは今は景気は良くて返済もOKということのようで、サブプライムの時も、AAAでした。そして何か起きると急に格付けを引き下げるというのが、格付け機関の今までのやり方です。
アメリカは財政も国際収支も赤字が増えていて、外国からのカネは咽喉から手が出るほど欲しい状態ですから(政治も不安定ですし)先行き油断は禁物でしょう。
アメリカ証券への信用は、 サブプライム問題で地に堕ちたはずです。看板は変わってもアメリカ自体は変わっていません。日銀も仕方なくゼロ金利を続けながら気になっているのでしょう
また何か気になる話が出て来ました。
万年赤字で、国としての資金繰りを何とかつけなければならないアメリカ発の話ですから、どうにも気になってしまいます。
というのは、先日、日本銀行がレポートをまとめた「CLO」のことです。
CLOというのは、Collateralized loan obligation の略で、直訳すれば、「貸付金返済義務の見返り証券」とでもいうのでしょうか。
一般的には「ローン担保証券」と言っていますが、具体的に言えば、アメリカの金融機関が事業会社向けに貸し付けたローンを担保にして証券を発行し現金を早く回収しようという手段のことです。
もう少し詳しく言えば、金融機関にしてみれば、借金を分割で返してもらうのを待っていたら、時間がかかるので、利息と元本はいずれ返済されるという前提で、返済してもらう権利を担保にして証券を発行してそれを売り捌けば資金は早く回収できて、その資金をまた運用できるということです。
もう一つ、大きなメリットがあるようです。ローンが元利含めて返済されるはずですが、借りた企業が倒産すれば銀行の損失になります。ところが返済を受ける権利をCLOにして売ってしまえば、損するのは、そのCLOは自己判断で買った人です。CLOの価格が下がって大損、売った金融機関はCLOを売った時に全額入金ですから、債権保全になるわけです。
そんなものを買う人がいるのかとも思いますが、発行元が確りしているからとか格付け機関がAAAの格付けをしているからとかで、多少ハイリスクですがハイリターン(高い利回り)ひかれて買う人がいるのです。
買う「人」といっても、現在アメリカで商品化されているCLO70兆円ほどは、その多くはアメリカの年金ファンドなどが買っているようで。二番目に多いのは日本で、13兆円ほど日本の金融機関が買っているとのことです。
特に日本の金融機関はゼロ金利が長すぎて、国内に利回り良い運用先・投資先がないので、CLOでも買わなければ利益が出ないという問題に直面しているのでしょう。
「危ないかもしれない」と注意喚起をする日銀がゼロ金利の張本人です。お陰で金融機関が、CLOをアメリカの次に多く買っているのですから、注意を喚起するより、金利を正常化してくれという意見もありうるでしょう。
そんなことで、最後になりましたが、一番申し上げたいことは、CLOはリーマンショックの原因になったサブプライムローンの証券化と全く同じもので、ただ、ローンの対象がサブプライムローンは低所得層への住宅資金が中心、CLOは信用力が低い企業への事業資金が中心ということだそうです。
格付け機関がAAAと付けるのは今は景気は良くて返済もOKということのようで、サブプライムの時も、AAAでした。そして何か起きると急に格付けを引き下げるというのが、格付け機関の今までのやり方です。
アメリカは財政も国際収支も赤字が増えていて、外国からのカネは咽喉から手が出るほど欲しい状態ですから(政治も不安定ですし)先行き油断は禁物でしょう。
アメリカ証券への信用は、 サブプライム問題で地に堕ちたはずです。看板は変わってもアメリカ自体は変わっていません。日銀も仕方なくゼロ金利を続けながら気になっているのでしょう