tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

消費税軽減税率狂騒曲

2019年10月02日 16時20分56秒 | 経済
消費税軽減税率狂騒曲
 安倍政権の大挑戦、消費税増税が実施されて1日が経ちました。同時に軽減税率も導入されて、マスコミは大賑わいです。

昨日は、野次馬根性を起こして、お昼時に近所のコンビニに行ってみました。さぞかし閑散としているかと思ったところ、予想は外れて、お客はいつも通りでした。
駆け込み需要もあまりないと聞いていましたし、考えてみれば、昼飯時で買い物はほとんど食品でしょうし、店内食の場所はないので、軽減税率の影響もないのでしょう。

取りあえず、家内から頼まれた、パンやアイスクリーム、チューインガムなどを買ってきました。従来通りの値段でした。
キャッシュレスだと5%に割引があるとのことですので、クレジットカードで支払ってみましたら、1548円の買い物で、すべて8%対象、それにキャッシュレス還元30円というのが差し引いてありました。

家内に聞きましたら、「5%割引は中小で、大手は2%じゃないですか」と言っていましたが、マイナス30円は、それなのか、店自体の割引かわかりません。
いずれにしても、消費税増税の影響はなくて、かえって安くなっているわけですから、これでは財政再建にあまり役に立たないのではといった感じです。

勿論、増税分はすべて社会保障費になどというのは、とっくに反故になっているのですし、財政再建などはまともな議論もならず、その先の「全世代型社会保障」などという訳の解らないものを議論しようというのですから、何のために消費税増税を無理してやったのかよくわかりません。

 約束したから、やらないわけにはいかないが、軽減税率で、影響を出来るだけ小さくするしかないということでしょうか。そのためか、軽減税率をいつまでやるかという「期限」は決まっていないということのようです。

 お陰様で、イートイン10%、テイクアウト8%という税率の区別では、お店も消費者も、煩わしく、困惑です。
だいたい「店の中で食べる」のは昔の「遊興飲食税」のように贅沢をしているなどという感覚は全く無い今の世の中です。
 何故イートインの方が高い税率でよいかなどは誰も説明できないでしょう。

 中小小売業の現場では、税率区分の出来るレジスターを入れるのも大変ですし、入れなければ手間がかかったり間違いが起きたりでトラブルの可能性も増えるでしょう。手間暇も、人件費も物件費もかかる話です。

こんなことで、いま日本経済で一番大事な消費行動の現場に、面倒をかけるのも、解りにくい「軽減税率」などを導入するからでしょう。

税金のシステムは「解りやすい」事が最も国民のためですし、解りにくいのは通常、政府や官僚が、国民の目を晦ますためと考えて間違いないと言われます。
今回は、軽減税率では、税収規模もその使途も、国民の目を晦まそうという意図が見え見えという意見もあるようです。

 お陰で、マスコミの話題は尽きませんが、増税の本来の目的である、財政再建、日本の財政・経済構造の健全化、などという目的は何処かへ行ってしまったということになっているような気がしてなりません。

 日本国民は、政府が考えているより愚かではないので、軽減税率狂騒曲が収まった時には、「随分ごたごたしたが、政府は、一体何をしたのか、しなかったのかを、きちんと理解するのではないでしょうか。