2発のバズーカ砲、異次元金融緩和で30年にわたる円高時代からの脱出で出発した黒田日銀の目の覚めるような活躍から9年、期待された日本経済の活性化は思うように実現しないという不本意な状況の中で、黒田日銀もあと1年になりました。
金融専門家の間でも、この所の異常な円安、下げ止まらない日経平均といった状況の中で、政策転換をの声もあるようですが、黒田総裁はまだ、円安のメリットの方が大きいとのご意見のようです。
確かに当面の安全を考えれば、円安に振れても大きな間違いはないでしょうし、政策転換と言っても、では具体的のどうすると言われて即答される方もないようです。
ただ、10年ゼロ金利というのは30年の円高不況に比べれば未だましかもしれませんが、正常な経済状態ではないことも確かでしょう。
ゼロ金利というのは、カネの(希少)価値がないという事でしょう、金は何処にでもあるから、貯めてみても利息は付かないし、借りて使っても金利はそれほどの負担にはならない、ということでしょう。
では本当に金に価値が無いのかというとそうではなくて所得格差が問題になり、カネに困る貧困家庭は増えているのです。
価値のあるカネを、金利についてだけ、人為的に価値がないと仮定して経済を動かそうというのが今の金融政策です。
事の起こりは今の変動相場制にあるのでしょう。為替レートは国際投機資本という金融マーケットのメジャーリーグ・プレーヤーの思惑、胸三寸で決まるようで、日本円のレートを30年も異常な円高に放置したのも、黒田日銀が異次元金融緩和・ゼロ金利に変えれば、たちどころに$1=¥80から¥120にするのも、マーケットです。
こうして、金利というのは伝統的なカネ(資本)の需給によって決まるという自然現象によるものではなく、人為的に金をジャブジャブにすれば金利が下がり、金利が下がれば通貨価値が下がる(円安になる)といった事も可能になったのです。
これは丁度、時間が経てば時計の針が回るのを、時計の針を回して時間を経たせることも可能(アインシュタインでも無理でしょう)になったようなものです。
こうして、人為的に異次元金融緩和にし、円高を大幅に円安に転換させた結果、カネの需給に関係なく貸しても借りても利息はほんの少しという異常な経済環境がこのところずっと続いているのです。
そして今度は、アメリカがインフレ対策で金利を上げることになって、それが原因で一層の円安になっています。
さらに、今度の円安は「悪い円安」など言われたり、円安になれば当然輸入物価が上がるので、これは「悪いインフレ」などと勝手に名づけられ、そのせいか証券市場では円安で上がるはずの日経平均が暴落状態になったりしているのです。(国際情勢もあるのでしょうが)
こうした事が起こるのも、多分、多様な経済環境の変化の中で起きる望ましくない経済現象の対策が、金融政策に依存し過ぎている事によるのでしょう。
金融政策は万能ではありません。経済の混乱で異常な金融政策を取るというのは恐らく点滴か、鎮痛剤のように、急性の症状に適用すべきもので、後は生体の回復力で治していくというのが正しい使い方ではないでしょうか。
今の日本経済は、そんな目で見ていくべきで、金融政策に寄りかかりすぎでは本当の健康体にはなれないという事ではないでしょうか。
金融専門家の間でも、この所の異常な円安、下げ止まらない日経平均といった状況の中で、政策転換をの声もあるようですが、黒田総裁はまだ、円安のメリットの方が大きいとのご意見のようです。
確かに当面の安全を考えれば、円安に振れても大きな間違いはないでしょうし、政策転換と言っても、では具体的のどうすると言われて即答される方もないようです。
ただ、10年ゼロ金利というのは30年の円高不況に比べれば未だましかもしれませんが、正常な経済状態ではないことも確かでしょう。
ゼロ金利というのは、カネの(希少)価値がないという事でしょう、金は何処にでもあるから、貯めてみても利息は付かないし、借りて使っても金利はそれほどの負担にはならない、ということでしょう。
では本当に金に価値が無いのかというとそうではなくて所得格差が問題になり、カネに困る貧困家庭は増えているのです。
価値のあるカネを、金利についてだけ、人為的に価値がないと仮定して経済を動かそうというのが今の金融政策です。
事の起こりは今の変動相場制にあるのでしょう。為替レートは国際投機資本という金融マーケットのメジャーリーグ・プレーヤーの思惑、胸三寸で決まるようで、日本円のレートを30年も異常な円高に放置したのも、黒田日銀が異次元金融緩和・ゼロ金利に変えれば、たちどころに$1=¥80から¥120にするのも、マーケットです。
こうして、金利というのは伝統的なカネ(資本)の需給によって決まるという自然現象によるものではなく、人為的に金をジャブジャブにすれば金利が下がり、金利が下がれば通貨価値が下がる(円安になる)といった事も可能になったのです。
これは丁度、時間が経てば時計の針が回るのを、時計の針を回して時間を経たせることも可能(アインシュタインでも無理でしょう)になったようなものです。
こうして、人為的に異次元金融緩和にし、円高を大幅に円安に転換させた結果、カネの需給に関係なく貸しても借りても利息はほんの少しという異常な経済環境がこのところずっと続いているのです。
そして今度は、アメリカがインフレ対策で金利を上げることになって、それが原因で一層の円安になっています。
さらに、今度の円安は「悪い円安」など言われたり、円安になれば当然輸入物価が上がるので、これは「悪いインフレ」などと勝手に名づけられ、そのせいか証券市場では円安で上がるはずの日経平均が暴落状態になったりしているのです。(国際情勢もあるのでしょうが)
こうした事が起こるのも、多分、多様な経済環境の変化の中で起きる望ましくない経済現象の対策が、金融政策に依存し過ぎている事によるのでしょう。
金融政策は万能ではありません。経済の混乱で異常な金融政策を取るというのは恐らく点滴か、鎮痛剤のように、急性の症状に適用すべきもので、後は生体の回復力で治していくというのが正しい使い方ではないでしょうか。
今の日本経済は、そんな目で見ていくべきで、金融政策に寄りかかりすぎでは本当の健康体にはなれないという事ではないでしょうか。