tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

ウクライナ問題、世界のこれからを決める戦い

2022年04月11日 22時30分41秒 | 国際関係
当初はあまり長いものにはならないだろうと言われていたロシアのウクライナ侵攻問題が、長期戦になりそうといった見方が強くなっています。

ロシアは当初、ウクライナを早期に全面降伏させ、NATOの東漸を阻止できると考えていたのでしょう。
プーチンもウクライナがロシアの援助を求めていると国民に言い聞かせながら自分も多少そう思っていたのではないでしょうか。

然し現実は、かつてのソ連邦から独立して国々はロシアの圧政に強い反感を持っていたという事に次第に気付いているのではないでしょう。
しかし誤った情報と誤った信念で、築き上げたロシアの世論、自分の権威を否定するわけにはいきません。権威を失う事はプーチンの最も恐れる所でしょう。

情報操作の結果と考えられる80%を超える支持率に応えなければ、プーチン自身の権威が失われます。それはプーチンにとっては破局でしょう。
今や、何はともあれ、ウクライナ東部の一部でも「開放した」という実績が必要という所に来て、破局回避に全力を挙げるほかなしという状態になったのではないでしょうか。

現実に、いまロシアは、ウクライナ東部に戦力を集中、独立宣言を承認した地域の制圧を目指して大規模な作戦を仕掛けるというのが、いまマスコミを通じて我々が得ている情報です。

ウクライナは、これに対して、準備はは出来ている。我々は負けないと最大限の頑張りを見せているようです。

NATOは勿論、EU、アメリかも、ウクライナに最新鋭の武器供与を中心に、自由と民主主義を守るための協力を明確にしていることは連日報ぜられています。

テレビでも、「ウクライナはヨーロッパのために戦ってくれている」というヨーロッパの人たちの言葉をよく聞きます。
これを我々が翻訳すれば、「ウクライナが自由と民主主義のために独裁者(専制主義)と闘ってくれている」ということになり、バイデンさんの意識と同じことになるのでしょう。

現象としてはウクライナにおける戦争という事ですが、世界史の視点で見れば、明らかに自由・民主主義の世界と独裁・専制主義の残滓との闘いという事ではないでしょうか。

プーチンという19世紀型(正確には100年前?)の国家を理想とする一国のリーダーが20年余をかけ無理を重ねて作り上げた19世紀型の専制国家ロシアが、今日、人類の大多数が自由な思想と民主主義という政治体制の中で作り上げてきた平和で豊かで快適な生活のできる国々の中の偶々隣国であるという理由で、ウクライナという国を侵略するというアナクロニズムに対して、自由世界が否応なしに戦わなければならないという事になってしまったのです。

人類世界が、今回の独裁国家ロシアの暴挙に対して、人類社会に独裁国家は不要だという事を明確にするかどうかが、今後の人類社会の平和と安定に、大きく関係するということであってみれば、これは、地球上に未だに残る独裁国家の今後の在り方を大きく左右する、いわば第三次世界大戦とも言うべき世界の在り方の戦いであるのかもしれません。 

ウクライナにおける戦火の拡大を如何に抑えるかと同時に、この問題の解決が世界史の中で、世界をより良いものにするための契機にするという難題を、国連を中心に自由と平和を良しとする国々と人々の努力によって、地球人類が成功することを強く願う所です。