おてんとうさんのつぶやき & 月の光の思案 + 入道雲の笑み

〔特定〕行政書士/知的財産管理技能士/国家試験塾講師等が生業の巷の一介の素浪人の日常

相談の極く一般的な例

2018-08-27 | マンション〔実務に到るまでをも含む 相談アレコレ〕

 

マンション管理の相談といっても 実際は どんなことが起きていて

どんな回答をするのですか?

というお訊ねがあったりするので

似たようなことをここ数年に問われたこと モデルとしての一般的な一例 として

挙げてみます

 

 

「相談内容の概要」

 

入居して数年の組合員なのだが

ペットを飼うことはできないとの案内だったので 購入した

実体は 自由にどうぞ という状況 

飼われている大きな犬がマンション階段にいたり ビックリすることあり 

規約も無いとのこと 

管理運営状況が スッキリと見えない 

なぜ 理解しがたいいろいろ不都合なことが起きているのか なかなか判明しない 

 

理事長というか管理者というか定かでない者が 全面的に管理をしている

その者から 総会(集会)さえ 本年度は開催しないということを言われた

このような状況でも一管理組合員として諸々対応していくことが可能かどうか

総会(集会)を開いて 事情説明を要請できるのか否かを知りたい

 

 

 

 

≪お話させていただいたことの概要≫

 

標準管理規約 という国が公表しているお手本があるのだが

これが登場してから それほど年数が経ていない

それ以前に建てられたマンションでは特になのだが 

エッ と 首を傾げざるをえない

ような内容の規約(一番大事な約束事を集めたもの)が散見される

 

そうして 現行のものも 標準管理規約は あくまで 手本(見本)

定形として拘束しているものではない(モチロン 区分所有法に反する違法な

内容は含め得ないにせよ)

つまり マンション管理運営の約束事は 各々 さまざまな顔をもっていたり

している(建築された時代との関係もあり 年代ごとに 約束事は独特な姿を

そのまま維持していたりする)

 

区分所有法という 管理運営組織の基本となる法律 がある 

ということから説明を始め

基本的な知識を一応概説させていただいた

それに続き

以下の点を中心に 説明させていただいた

A) 管理者は原則として集会で選任する

単に分譲の当初に交わされた管理委託契約に基づき管理を行ってきたというだけでは

管理者とはいえない

現在管理運営を独断専行している状況にある者の身分を まずは 確認すべき

(状況からすると おそらく管理者としての地位にあるのではと思われるが・・・) 

とすると その者は 一定の権限とともに 法的には受任者として 

重責を負っていることになる

 

B) 区分所有法自体では 「集会を開き 規約を定め 管理者を置くことができる」とされており

集会(総会)の開催は 開くか否か自由に決められることとなっている

但し 現在管理している者が区分所有法でいうところの「管理者」と認められる者であるならば

毎年1回一定の時期に 集会において 事務報告を行わなければならないことになっている(43条)

規約はないということだけれども 仮にそれがあったとして 規約で事務報告の省略を定めていても

無効である

 

C) 管理者は 少なくとも毎年1回集会を招集しなければならない

一定の要件で管理者に対して招集を請求できることもある

管理者が無い場合でも一定の頭数と議決数で集会(総会)を招集できる(34条)

                                                                        

できる限り同志の仲間となるであろう住民に声をかけながら 

管理者(仮にその立場には無いものだとしても ある意味 受任者と同等に

あるいは 場合によってはそれ以上に 管理組合への責任があることを示しながら

規約を設ける等 

一歩一歩正常な管理組合運営を目指し

大規模修繕工事や長期修繕計画策等の遂行などが可能となるように

できるだけ迅速に タイヘンなことであろうが 行っていくべきである

築年数からしても いろいろな管理運営上の懸案が さらに増えていく時期なので

いざというときは 専門家のアドバイスを活用することも 考慮すべきかもしれない

 

というような 相談の流れでした

 

最後に アピールまでしてしまいましたが 国がマンション管理士制度を

設けた主旨も 資産管理団体としてタイヘンな作業を続けねばならない

管理組合の助力人としてのマンション管理士を目論んでのことと理解できるので

率直に申しました

 

いつも言うことですが マンション管理というもの

数億あるいは それ以上にもなるであろう 資産管理を

基本は 専門的知識が必ずしも用意されていない住民に託してしまう制度であること 

そこに 恐ろしさを覚えてしまうことではあります

 

というわけで 今までの 数多くの相談の あくまで一例を 極く おおまかに

記してみました

 

 

 

今日もまた 暑い

でも もうすぐ 月が変わり なんとなく 秋を感じながら でも 

暑いなーとぼやきながらも・・・

 

私自身は 好きな夏をすごせることに 感謝・感謝であります

 

皆さま 体調に くれぐれも お気をつけられますよう・・・

 

    はたけやまとくお事 務 所