おてんとうさんのつぶやき & 月の光の思案 + 入道雲の笑み

〔特定〕行政書士/知的財産管理技能士/国家試験塾講師等が生業の巷の一介の素浪人の日常

部屋をタダで貸し借りする間柄にもルール

2021-05-23 | マンション管理関連試験等サポート   

 

 

使用貸借契約は

無償で(タダで つまり 対価を払わないで)他人の物を借りて 使用・収益する契約

 

企業人の間に限らず 日常生活においても トラブルになってしまったりすることがあります

マンションの部屋について 友人同士間で 『2か月ほど 自由に使っていていいぞ』 という

ような場面があったそうなのですが ? 残念なことに・・・その後のイザコザが・・・

 

 

民法改正で 六節「使用貸借」に

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(借用物受取り前の貸主による使用貸借の解除)

第五百九十三条の二 
貸主は、借主が借用物を受け取るまで、契約の解除をすることができる。

ただし、書面による使用貸借については、この限りでない。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 
と新設の条項が登場したり
 
要物契約(・・約し・・受け取る ことで成立)
だったのが諾成契約
    (・・約し・・約する ことで成立)
になったり 
さほど多くは無い条文数ですが 変更部が多いです
 
 
 
さて

本日も マンション管理士試験の過去本番問題を載せさせていただきます

問題を解くために必要となる条文を 先に挙げておきます

過去に出題があって 登場したことのある条文なので 問題にあたるのに直接には使用を

必要とされなかった部分も 載せてあります

 


(占有者による費用の償還請求)
第百九十六条 
占有者が占有物を返還する場合には、その物の保存のために支出した金額その他の必要費を
回復者から償還させることができる。
ただし、占有者が果実を取得したときは、通常の必要費は、占有者の負担に帰する。
 
2 占有者が占有物の改良のために支出した金額その他の有益費については、その価格の増
加が現存する場合に限り、回復者の選択に従い、その支出した金額又は増価額を償還させる
ことができる。
ただし、悪意の占有者に対しては、裁判所は、回復者の請求により、その償還について相当
の期限を許与することができる。
 
 
(贈与者の引渡義務等)
第五百五十一条 
贈与者は、贈与の目的である物又は権利を、贈与の目的として特定した時の状態で引き渡し、
又は移転することを約したものと推定する。
 
2 負担付贈与については、贈与者は、その負担の限度において、売主と同じく担保の責任
を負う。
 
 
(買戻しの実行)
第五百八十三条 
売主は、第五百八十条に規定する期間内に代金及び契約の費用を提供しなければ、買戻しを
することができない。
 
2 買主又は転得者が不動産について費用を支出したときは、売主は、第百九十六条の規定
に従い、その償還をしなければならない。
ただし、有益費については、裁判所は、売主の請求により、その償還について相当の期限を
許与することができる。
 
 
 
(借用物の費用の負担)
第五百九十五条 
借主は、借用物の通常の必要費を負担する。

2 第五百八十三条第二項の規定は、前項の通常の必要費以外の費用について準用する。
 
 
(貸主の引渡義務等)
第五百九十六条 
第五百五十一条の規定は、使用貸借について準用する。

 
(期間満了等による使用貸借の終了)
第五百九十七条 
当事者が使用貸借の期間を定めたときは、使用貸借は、その期間が満了することによって
終了する。
 
2 当事者が使用貸借の期間を定めなかった場合において、使用及び収益の目的を定めた
ときは、使用貸借は、借主がその目的に従い使用及び収益を終えることによって終了する。
 
3 使用貸借は、借主の死亡によって終了する。

 

 

本日の 過去問 

マンション管理士試験 平成27年度(2015年度)

〔問 15〕

Aがその所有する甲マンションの 105号室に関し、Bとの間で使用貸借契
約を締結し、これを引き渡した場合に関する次の記述のうち、民法の規定
によれば、正しいものはどれか。

                                                         ※ 肢1は、内容を変えてあるところがあります

105号室に欠陥があったが、AB両者ともそれに気付いておらず、105号室
の品質等について特に合意をしていることがない場合、貸主Aは、借主Bに対し、
品質等についてこの契約における責任を負うことはない。


Bが 105号室に有益費を支出し、使用貸借契約終了時に同室の価格の増加が
現存する場合には、Bは、支出した金額又はこれを支出したことによる同室の
増価額のいずれかを選択してAに請求することができる。


AとBが貸借の期間を定めた場合でも、その期間内にAが死亡したときは、
Aの死亡時にAとBとの使用貸借契約は効力を失う。


105号室がBの居住を目的として使用貸借されている間は、Aが 105号室を
Cに売却しても、Bは、Cに対し、引き続き借主であることを主張することが
できる。

 

正しいものは  です

 

 

 について

 特に合意したものがないし 特定した時の状態で引き渡し 又は移転する

 ことを約したものと推定される ので その現状のままで引き渡せば責

 を負わない

 

2 について

 回復者の選択に従い なので Aが選択したもの(その支出した金額又は
 増価額)を請求できる

 

 について

 借主の死亡によって 終了する

 

 について

 使用借権は 不動産を目的とする場合でも登記することができず(不動産
 登記法3)対抗要件を備える手段がない(民法605)

 第三者であるCに対し 使用借権を有する者であること つまり借主である
 ことを対抗できない