おてんとうさんのつぶやき & 月の光の思案 + 入道雲の笑み

〔特定〕行政書士/知的財産管理技能士/国家試験塾講師等が生業の巷の一介の素浪人の日常

初めて出会う文言 ?  Ⅱ

2022-05-28 | マンション管理関連試験等サポート   

 

             〔スミマセン 事情があり 同文を再掲させていただきます〕

極くシンプルに述べさせていただきますが

<債権者代位権> とは 債務者に代わって 債権者が債務者の持つ権利を行使すること

<詐害行為取消権> とは 債務者の一定の行為を取消すことができるという権利のこと

要するに 自分の債権の行使の実効性をより確保するために 責任財産である債務者の財
産の保全を図る というような権利です
債務者が実行しようとしない債権を代わりに行使して債務者の財産を増やす
債務者の財産を減らすような行為に干渉して債務者の財産の減少を止める
というように 債務者の財産(責任財産)での自分の債権の実現が より実効性あるもの
となるようにするための制度といえるでしょう
債務者の財産が無ければ 債権者の権利はイザというときになんらの価値も無いものとな
ってしまい 債権の回収はできませんので

改正前の条文
<債権者代位権>  は 一個
<詐害行為取消権> は 三個

それが 改正後は 
前者  七個 
後者 十四個 にもなっています

特に<詐害行為取消権>については 「被告となるのは誰か」「それぞれの場合での行使要件は」
「何を取消すのか」「取消した場合は関係者間においてどのような流れになって事を収めるのか」
などなど 論点が多く 考え方もサマザマで 理解するにもタイヘンなエネルギーを費やすところ
でした
今も そのあたりのことは変わらないかなとも思えます ? が とにかく 明文で 示されたこ
とが多いので 改正前よりは ある意味 学習の上では 効率的に対処できるかも ? 
とにかく 条文に直接あたるのが 少しでも効率よく理解できる手法となるのでは ? と思える
のです(以前から述べさせていただいていますが よりシンプルにマトメラレテイルものとしては
条文以上のものはないのでは と 思われるのです)

それらとともに〔訴訟告知〕という言葉が 423条の6 ・ 424条の7 に 登場しています
国家試験で[民事訴訟法]を科目に含むものなどありますが
行政書士試験に登場の [行政事件訴訟法]を学習している方などにとっては この文言に出会って
もそれほどのことはない ことでしょうが・・・ 

慨しての説明になりますが(基本的なことだけでも できるなら基本書類で確認できると好いの
では と 思われますが なにせ これからだと セワシナイ学習になってしまうでしょうけど
自分の学習進行にあわせて考慮ください)

《このような裁判を起こしていますよ 参加などするならどうぞ もっとも何も関与しないと

   しても この後の私との訴訟ではあなたにとって不都合な点に関しての主張などできないこ
 ととなったりしますから ご注意くださいね》 

というような制度です 
告知の理由と訴訟の進行状況を記載した書面(訴訟告知書)を裁判所に提出(訟法53条)
するという方式で 告知される者(被告知者)に送達されます
告知をされたけれど参加しない場合には 参加したものとみなされます(民訴46・53)


ということで その文言のままの出題もあり得るので 条文による学習のポイントを青字

赤字で示しておきます(法文系の試験には 共通して 重要な箇所であるともいえましょうか)

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第二款 債権者代位権                  条文省略アリ

(債権者代位権の要件
第四百二十三条 
債権者は、自己の債権を保全するため必要があるときは、債務者に属する権利
(以下「被代位権利」という。)を行使することができる。ただし、債務者の
一身に専属する権利及び差押えを禁じられた権利は、この限りでない。

2 債権者は、その債権の期限が到来しない間は、被代位権利を行使すること
ができない。ただし、保存行為は、この限りでない

3 債権者は、その債権が強制執行により実現することのできないものである
ときは、被代位権利を行使することができない。

代位行使の範囲
第四百二十三条の二 
債権者は、被代位権利を行使する場合において、被代位権利の目的が可分であ
るときは、自己の債権の額の限度においてのみ、被代位権利を行使することが
できる。

債権者への支払又は引渡し
第四百二十三条の三 
債権者は、被代位権利を行使する場合において、被代位権利が金銭の支払又は
動産の引渡しを目的とするものであるときは、相手方に対し、その支払又は引
渡しを自己に対してすることを求めることができる。この場合において、相手
方が債権者に対してその支払又は引渡しをしたときは、被代位権利は、これに
よって消滅する。

債務者の取立てその他の処分の権限等
第四百二十三条の五 
債権者が被代位権利を行使した場合であっても、債務者は、被代位権利について、
自ら取立てその他の処分をすることを妨げられない。
この場合においては、相手
方も、被代位権利について、債務者に対して履行をする
ことを妨げられない。
(被代位権利の行使に係る訴えを提起した場合訴訟告知
第四百二十三条の六 
債権者は、被代位権利の行使に係る訴えを提起したときは、遅滞なく債務者に対
し、訴訟告知しなければならない
           
            ※ 裁判外でも代位権は行使できる
              が
              代位訴訟を提起した場合は 債務者の訴訟への参加
              の機会を確保するために<訴訟告知>する義務がある

(登記又は登録の請求権を保全するための債権者代位権)
第四百二十三条の七 
登記又は登録をしなければ権利の得喪及び変更を第三者に対抗することができない
財産を譲り受けた者は、その譲渡人が第三者に対して有する登記手続又は登録手続
をすべきことを請求する権利を行使しないときは、その権利を行使することができ
る。この場合においては、前三条の規定を準用する。

           ※ 債権者代位権の行使には 債務者の一般的な無資力が
             要件とされるのだけれど 特定の物と結びついている
             債権の場合には 資力の有無は無関係とされる場合の
             こと(でも つまるところは債権者の債権を保全する
             ための制度のことであるけれど)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 
第三款 詐害行為取消権        【第三目等 一部はカットしていますが
                      各自 学習されたく思います スミマセン】

第一目 詐害行為取消権の要件
(詐害行為取消請求)
第四百二十四条 
債権者は、債務者が債権者を害することを知ってした行為の取消しを裁判所に請求
することができる。ただし、その行為によって利益を受けた者(以下この款におい
「受益者」という。)がその行為の時において債権者を害することを知らなかっ
たときは、この限りでない。

          ※ 詐害の意思とは 総債権者に対する弁済資力の不足をき
            たすことを知ることであって 債権者を害することを意
            図したり欲することまでは要しない(判例)

2 前項の規定は、財産権を目的としない行為については、適用しない。

3 債権者は、その債権が第一項に規定する行為の前の原因に基づいて生じたもの
である場合に限り、同項の規定による請求(以下「詐害行為取消請求」という。)
をすることができる。

(相当の対価を得てした財産の処分行為の特則
第四百二十四条の二 
債務者が、その有する財産を処分する行為をした場合において、受益者から相当の
対価を取得しているときは、債権者は、次に掲げる要件のいずれにも該当する場合
に限り、その行為について、詐害行為取消請求をすることができる。
一 その行為が、不動産の金銭への換価その他の当該処分による財産の種類の変更
により、債務者において隠匿、無償の供与その他の債権者を害することとなる処分
(以下この条において「隠匿等の処分」という。)をするおそれを現に生じさせる
ものであること。
二 債務者が、その行為の当時、対価として取得した金銭その他の財産について、
隠匿等の処分をする意思を有していたこと。
三 受益者が、その行為の当時、債務者が隠匿等の処分をする意思を有していたこ
とを知っていたこと。

         ※ 要するに 財産を金銭に換えて隠匿などをしようと債務者
           が思っていて そのことを相手方も知っている場合

(特定の債権者に対する担保の供与等の特則
第四百二十四条の三 
債務者がした既存の債務についての担保の供与又は債務の消滅に関する行為につい
て、債権者は、次に掲げる要件のいずれにも該当する場合に限り、詐害行為取消請
求をすることができる。
一 その行為が、債務者が支払不能(債務者が、支払能力を欠くために、その債務
のうち弁済期にあるものにつき、一般的かつ継続的に弁済することができない状態
をいう。次項第一号において同じ。)の時に行われたものであること。
二 その行為が、債務者と受益者とが通謀して他の債権者を害する意図をもって
われたものであること。
2 前項に規定する行為が、債務者の義務に属せず、又はその時期が債務者の義務
に属しないものである場合において、次に掲げる要件のいずれにも該当するときは、
債権者は、同項の規定にかかわらず、その行為について、詐害行為取消請求をする
ことができる。
一 その行為が、債務者が支払不能になる前三十日以内に行われたものであること。
二 その行為が、債務者と受益者とが通謀して他の債権者を害する意図をもって
われたものであること。
          
          ※ 要するに 債権者と通謀してその者だけに特別に利益を
            与えてしまおうという場合のこと

(過大な代物弁済等の特則
第四百二十四条の四 
債務者がした債務の消滅に関する行為であって、受益者の受けた給付の価額がその
行為によって消滅した債務の額より過大であるものについて、第四百二十四条に規
定する要件に該当するときは、債権者は、前条第一項の規定にかかわらず、その消
滅した債務の額に相当する部分以外の部分については、詐害行為取消請求をするこ
とができる。

転得者に対する詐害行為取消請求)
第四百二十四条の五 
債権者は、受益者に対して詐害行為取消請求をすることができる場合において、受
益者に移転した財産を転得した者があるときは、次の各号に掲げる区分に応じ、そ
れぞれ当該各号に定める場合に限り、その転得者に対しても、詐害行為取消請求を
することができる。
一 その転得者が受益者から転得した者である場合 その転得者が、転得の当時、
債務者がした行為が債権者を害することを知っていたとき。
二 その転得者他の転得者から転得した者である場合 その転得者及びその前に
転得した全ての転得者が、それぞれの転得の当時債務者がした行為が債権者を害
することを知っていたとき。

           ※ 転得者およびその後の転得者についても 債権者を害
             する事実を知っていることの主張立証の責任は債権者
             側にある

第二目 詐害行為取消権の行使の方法
(財産の返還又は価額の償還の請求)
第四百二十四条の六 
債権者は、受益者に対する詐害行為取消請求において、債務者がした行為の取消し
とともに、その行為によって受益者に移転した財産の返還を請求することができる。
受益者がその財産の返還をすることが困難であるときは、債権者は、その価額の償
還を請求することができる。

(被告及び訴訟告知
第四百二十四条の七 
詐害行為取消請求に係る訴えについては、次の各号に掲げる区分に応じ、それぞれ
当該各号に定める者を被告とする。
一 受益者に対する詐害行為取消請求に係る訴え 受益者
二 転得者に対する詐害行為取消請求に係る訴え その詐害行為取消請求の相手方
である転得者

           ※ 債務者は被告とはならない
             なので 事情を知らせるためにも<訴訟告知>を要する


2 債権者は、詐害行為取消請求に係る訴えを提起したときは、遅滞なく、債務者
に対し、訴訟告知をしなければならない。

(詐害行為の取消しの範囲)
第四百二十四条の八 
債権者は、詐害行為取消請求をする場合において、債務者がした行為の目的が可分
であるときは、自己の債権の額の限度においてのみ、その行為の取消しを請求する
ことができる。
2 債権者が第四百二十四条の六第一項後段又は第二項後段の規定により価額の償
還を請求する場合についても、前項と同様とする。

(債権者への支払又は引渡し)
第四百二十四条の九 
債権者は、第四百二十四条の六第一項前段又は第二項前段の規定により受益者又は
転得者に対して財産の返還を請求する場合において、その返還の請求が金銭の支払
又は動産の引渡しを求めるものであるときは、受益者に対してその支払又は引渡し
を、転得者に対してその引渡しを、自己に対してすることを求めることができる
この場合において、受益者又は転得者は、債権者に対してその支払又は引渡しをし
たときは、債務者に対してその支払又は引渡しをすることを要しない。

2 債権者が第四百二十四条の六第一項後段又は第二項後段の規定により受益者又
は転得者に対して価額の償還を請求する場合についても、前項と同様とする。

第四目 詐害行為取消権の期間の制限
第四百二十六条 
詐害行為取消請求に係る訴えは、債務者が債権者を害することを知って行為をした
ことを債権者が知った時から二年を経過したときは、提起することができない。
行為の時から十年を経過したときも、同様とする。
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 以前にも両制度のことは記しておりますが 参考になればサイワイです   
                   
                         はたけやまとくお事 務 所