週末、瀬地山角東京大学教授の講義「ジェンダー論の基本」を拝聴する機会がありました。
瀬地山角(せちやま・かく)教授・・・独特の関西弁とエッジの効いたジョークで・・・あっという間の2時間でした。
先生の東大駒場キャンパスでの「ジェンダー論」の授業は500席以上の教室が満員になり、立ち見の学生もいるそうです。
日テレ「世界一受けたい授業」の東大生の受けたい人気講義の第一位に選ばれているとのこと。
分かります、分かります・・・とても面白い授業でした。
瀬地山先生は、1963年奈良県のお生まれ。
10年間、二人の子どもさんの保育園の送迎を一手に担い、今でも毎日の夕食づくりをされているジェンダー論の研究者です。
子連れでの渡米、父子家庭も経験、北海道への転勤、現在はNPO法人の理事として保育所の運営にも参加されているとのこと。
すごい先生です。
ジェンダーは社会的性差と定義されています。意図的に作り出されたものです。
現在では、LGBT、QIAP、SOGIなどの概念も出てきており、ジェンダー論が日々刻刻進化していることを学ぶことが出来ました。
時代に置いていかれそうな昭和のおっさんとしては、痛い所を突かれっぱなしでした(笑)。
当日のノートから、ポイントを抜粋しました(先生の関西弁はそのまま表記しました)。
・子育てで男にできへんことはない
・(こどもが言う)ママがいい!に負けへん!
・男は子供は産めなくても、子育てなら出来ます
・みんなで(社会で)少子高齢化を乗り越えよう!
・配偶者控除、年金の第3号被保険者には反対!
・男の家事・育児、少なすぎます 共働き世帯での家事時間 男性46分、女性4時間54分
・男子にこそ家事能力!女性も専業主婦になるとは思っていない
・植林する林業者と植林しない林業者・・・植林しない林業者の方が儲かる・・・でも、ハゲ山になり、土砂がくずれ、水害になり、大被害が出る・・・それでいいの?
・環境に良い商品は、価格が高い(でも買わないと)
・出産や育児・・・忌引きと同程度に休めるようにしよう
・家族が死ぬ時と家族が生まれる時・・・人生にそれ以上の大事件なんてありますか?休もう!
ここからは、ニッポンのカイシャの話・・・
・残業を減らすには・・・「正々堂々と、お先に失礼!」「まずは、残業時間の見える化、共有化」「次に総量規制」「8割のところで上司に相談」
・エースピッチャー(エース社員)の登板過多が職場を破壊する・・・共倒れを防ぐ
・今からの日本は、撤退戦の時代
・仕事の報酬は、連続の休み!(仕事の報酬は、仕事じゃない)
・上司から休みをとる
・着任したら、仕事の棚卸し ムダな仕事を排除
・就職四季報女子版は、男子必見!くるみんマーク 離職率が低く勤続年数が長いホワイトカンパニー
・なぜダイバーシティ?欧州に多いCSRのアプローチをとるか、それとも「儲かりまっせ」の米国型のアプローチをとるか
・馬車は二頭立てに・・・一頭立て馬車体制は高度成長期の遺物・・・今は「荷物」が重すぎる
・ジャンボ宝くじを必ず当てる方法・・・二人で働くこと・・・夫の家事の時給はけっこう高い!(橘玲さんの2億円論)
・男も大変や!自殺は「男性問題」 自殺するのは圧倒的にオトコ
・内閣府の「〇〇家作戦会議」を検索すべし
・男が受ける差別も結構キツい・・・ハゲ、チビ、デブ・・・男も肩の荷を下ろそう
・女性の好きな「優しくって頼りがいのある人?」・・・そんな男はおらん グラマーでスリムな女性が少ないのといっしょ
・男性脳、女性脳は、エセ科学
・ジェンダーギャップ指数153カ国中121位(2019年)日本は国際的には後進国
・女と男で新しい社会を構築しよう!
「24時間戦えますか?」・・・昭和のサラリーマンとして耳が痛い話がてんこ盛り、でもそこから脱出する方法論や勇気をあたえていただいた楽しい講義でした。
次は、日本社会を潰しそうになっている介護の話も伺ってみたいです。
瀬地山先生、ありがとうございました。