またか!と言う感じです。
文部科学省が打ち出した博士人材活躍プラン。
日本の未来のために、博士を増やたい、産業界は博士を採用してもらいたい・・・。
そんな要請です。
米国のGAFAMと呼ばれるグーグル、アップル、メタ、アマゾン、マイクロソフトなどのハイテック企業は、たくさんの博士、Ph.D、ダブルマスターなどの高学歴者が多数雇用されています。
MBA(経営学修士)の学位がなければ経営幹部にはなりにくい米国。
それを日本も見習おうということでしょうか?
かつて、大学院重視の大学経営を推し進めた文科省。
法科大学院などもそうです。
なぜか日本経済の「失われた30年」と時期を同じくしています。
博士号は取ったものの研究職に就けない、企業や行政への就職がない・・・たくさんの高学歴ワーキングプアを生み出しました。
奨学金という大借金をして、国費も投入して、結果、アルバイトやパートなどの非正規雇用。
学生時代の友人も、そんな人がいます・・・遊ばず、趣味も持たず、勉強・研究を繰り返して半世紀・・・家庭も持てず、仕事も非常勤講師の掛け持ち・・・会うたびにため息をついています。
なんだかなあ?という感じです。
会社を辞めて修士課程に行った友人もいます・・・彼も未だに非正規雇用。
人財の無駄遣いです。
学生募集に苦労していた大学院だけが国策により潤いました。
文部科学省の打ち出した高度知識人財の活用策は、一見、素敵な取り組みに見えます。
17年後、博士後期課程/学士の比率を2.7%から8%にする、博士後期課程学生の就職率を70%から80%にする・・・。
2040年には、博士の比率を世界トップにするというのが大目標だそうです。
目的、出口戦略が曖昧すぎます。
その間、日本の人口減少は進み、若年層を採用出来ない企業や行政は、次々と淘汰されていくことでしょう。
結果、日本の国際競争力は低下の一途をたどることになると思います。
前回行った文科省の大学院重視施策で喜んだのは、大学経営と学生が集まらない大学院でした。
そして、たくさんの飯の食えない不幸な高学歴ワーキングプアを生み出しました。
大学院の延命措置は、もうたくさんです。
オーバードクター輩出(排出)プランは必要悪だと思います。
志の高い人財には、企業内で働きながら、母校の院で研究しながら、論文博士を目指したり、放送大学大学院などで働きながら博士の学位を獲ることも出来ます。
これ以上、不幸な若者、研究者を生み出してほしくはありません。