能率技師のメモ帳 経済産業大臣登録中小企業診断士・特定社会保険労務士の備忘録

マネジメント理論、経営理論を世のため人のために役立てるために

もうかる市場は消える レッドオーシャンで勝つ!日経ビジネス誌の特集 ブルーオーシャンは見つけるものではなく、創るもの

2021年03月20日 | 本と雑誌

競合のいない市場を目指すブルーオーシャン戦略、本業を進化させながら新規分野を目指す両利きの経営、競争戦略から共創へ・・・理屈は分かるのですが、それは幻想かもしれません。

流行歌のように流行っては消える経営理論・・・実戦の中では、なかなか通用しないのが実情です。

日経ビジネス誌2021.3.22号の特集は「自動運転、IoT、ヘルスケア もうかる市場は消える レッドオーシャンで勝つ」。

withコロナ、アフターコロナの中、市場で繰り返される血の海で流血しながら戦うプレイヤーたち・・・祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり・・・。

同特集では、こう述べます。

これから先、競合のいないビジネスなど容易に期待できない。

ならば、企業は赤く染まる海を泳ぐしかない。

そのとおりだと思います。

 

プロローグ 「赤い海」にまい進する日本企業

PART1 競争激化で撤退、大手でも赤字に 成長市場の落とし穴

PART2 赤い海で勝つ 他社との違いを生む4条件

エピローグ 参入、撤退 経営者に問われるもの

 

一番面白かったのが、PART2の「赤い海で勝つ 他社との違いを生む4条件」。

日本コカの檸檬堂、オイシックス、バルミューダなどのケースで差異化のための4条件を提示しています。

1 後発こそ、データより現場

2 顧客から目を離さない ライバルは見ない

3 買い手の想像を超える 自分の感情に正直に思い切って振り切る

4 あえて要素を減らす ライフサイクルを長く

なるほど・・・経済合理性、テータ分析だけではない切り口の重要性をうまく整理しています。

また、「識者に聞く レッドオーシャンの戦い方」では、コンサルタントが助言します。

 

「海」は消費者の頭の中にしかない。一番大切なのは消費者が商品やサービスを選ぶ本質的な価値を見出すことだ。ただ多くの日本企業は価値ではなく、方法論を優先している。 by刀CEO 森岡さん

 

「ずらし技」、全員反対でなければ脈あり!by大和総研コンサルタント 林さん

 

ブルーオーシャンは創るものだ by池上早大教授

 

ブルーオーシャンは見つけるものではなく、創るもの・・・。

ちょっと一般論ですが、そのとおりだと思います。

エピローグの「参入、撤退 経営者に問われるもの」では、富士フイルムHDの助野社長の新規参入の4つの基準を提示しています。

1 市場の成長性

2 保有する技術がターゲット市場とマッチするか

3 競合が増えても勝ち続けられるか

4 これまでの事業の経験値が生かせるか

 

3~5年後を見据えながら検討していくとのことでした。

やっとポーター教授の競争戦略から脱却できると思っていたのですが、レッドオーシャンの時代はまだまだ続きそうです。


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