新型コロナウイルスの影響で、テレワーク、モバイルワーク、在宅勤務が凄いスピードで普及しました。
働く場所を選ばれるという時代・・・通勤地獄から解放される在宅勤務がなければ新卒採用にも影響を及ぼすようになってきました。
さらには、転居を伴う転勤や単身赴任などをなくす会社も増えてきました。
ダイバーシティ、インクルージョン、ワークライフバランスを向上させるために、とても良いことだと考えています。
日経ビジネス誌2022.4.11号の特集は「さらば転勤 変わる日本型雇用」。
転勤をテーマに取り上げています。
Contents
Part1 働く場所は私が決める 改革のメスを入れる企業・・・採用競争出後れに危機感
Part2 人と組織を強くする 転勤には効用も
Part3 望まない転勤なくすには カギは制度の見える化とキャリアの自立化
個人的に、転勤や単身赴任を経験しました。
幸いなことに、とても良い思い出とキャリアのブラッシュアップになったと満足しています。
友人には、「家を買ったら転勤になった」「親の介護がある中、転勤になった」という人もいます。
友人たちは、かなり悩んだ後に会社の指示に従い転勤・・・ジャパニーズビジネスマン!でした。
日本の労働法では整理解雇が厳しく制限されていますが、その反面、転勤や異動は原則自由・・・業務命令権、人事権を行使できます。
介護や子育て等で転勤を拒否した労働者が裁判を起こし判例も蓄積されてきましたが、やはりその流れはあまり変わっていないようです。
この特集の中で、解剖学者・作家の養老孟司さんが、「環境が変わる経験こそ、災害大国に不可欠」と指摘されています。「転勤を好まない人は現状を変えたくない。それが楽なんです。」と説明、さらに「変わっていくのが人生なんです。」と補足しています。
会社の人事労務管理上では、転勤ルール、人事制度上の仕組化、処遇、キャリア等についてキチンと決めることが重要だと思います。
採用の際にしっかりと説明して納得いただいてから入社手続きをするくらいの慎重さが必要です。
また、介護や子育て等の一定の理由があれば、転勤を拒否できるという規程の整備も必要です(現在は努力義務、配慮義務に留まっています)。
個人的には組織の固定化には反対で、社内外を含めた人員の流動化、キャリア開発のための異動・転勤・ローテーションが組織を活性化する起爆剤になると考えています。
組織を澱ませないためにも、人材の固定化や回避し、さまざまな人たちが交わり価値を産み出すダイバーシティ組織、インクルージョン組織を築いていくことが求められていると思います。