この20年間、日本の給料はほとんど上がっていません。
その間に介護保険料などの社会保険料は増額され、手取額は減少しています。
平均賃金では韓国にも抜かれ、この国は先進国から脱落する一歩手前にいます。
今週号の日経ビジネス誌2022.3.7の特集は、「漂流する賃上げ なぜ給料は上がらない」。
春闘真っ盛りの今、日本の賃金についてのリポートをしています。
Contents
Part1 「実質賃下げ」の加速 コスト高で現実味 「新しい資本主義」、本命は基本給
Part2 賃上げ余力が大きい会社はどこだ
Part3 つまずく分配政策 上がらない給料の謎
Part4 人的資本の強化 賃上げの起点に
「日本の雇用制度に則した報酬決定のメカニズムが、適切な報酬を支払えない状況を作っている」
と組織・人材コンサルタントが指摘しています。
新卒一括採用、終身雇用、年功序列、企業内組合といったメンバーシップ型雇用という日本だけでしか実施していない雇用制度が賃金の上昇を止めているというのです。
強力な解雇規制の存在や労働組合の組織率低下も、賃上げにブレーキをかけています。
そういえば、昨今、これまた日本独自の「春闘」の話題がなくなってきましたし、ベア(ベースアップ)や定昇(定期昇給)といったことも聞かれなくなってきました。
半面、仕事(会社の椅子)にお金の値札が付いているジョブ型雇用の欧米では、MBA、修士などの学歴獲得、転職(ジョブ・ホッピング)などで上位の椅子をゲットすれば賃金はドンドン上がっていきます。
人にお金がついている日本、仕事にお金がついている欧米・・・その差異が賃金の格差に繋がっている・・・。
何となく理解できます。
まだまだ一部ですが、日本もジョブ型雇用に移行しつつあります。
ジョブ型雇用の普及、ハイブリッド型雇用の普及が進まない限り、日本の賃金は上がっていかないと思います。
現時点では、個人レベルでは、スキルをあげて、専門性を高め、成果業績を叩き出し、より上のポストを目指すという方向が賃金を高めていく戦術だと思います。
当たり前の話ですが、ジョブ型雇用に耐えうるビジネス力、仕事力の獲得が必要不可欠です。
コロナ禍やウクライナの戦争で国際関係、国際経済は予断を許しません。
今後、小麦などの高騰、原油や天然資源、原材料も高騰していくことは確実です。
自分を守るため、家族を守るため、会社を守るためにも、日々の努力と創意工夫が必須です。
ある経営コンサルタントは、ビジネスパースンに必要なものとして、Ⅰビジネス力(本業での高いスキル・専門力)、Ⅱ副業力(他流試合、収入の多様化、保険)、Ⅲマネー力(財テク力)をあげていました。
なるほど・・・リスクの分散ですね。
今の時代、一つの会社からしか給与をもらっていないということは、相当なリスクと言えるかもしれません。
これも働き方改革の一つの切り口になると思います。