能率技師のメモ帳 経済産業大臣登録中小企業診断士・特定社会保険労務士の備忘録

マネジメント理論、経営理論を世のため人のために役立てるために

DAZZLE 日経BP社が隔月刊行する女性誌10周年 ファッション、ビューティ、トラベル、カルチャー

2019年07月28日 | 本と雑誌
DAZZLE」・・・日経BP社が隔月刊行する女性誌。

 
ずっしりと重たい全ページカラーの「DAZZLE」は偶数月に届きます。
多分、「日経ビジネス」の定期購読者に送られているのだと思います。
女性向けのファッション、ビューティ、トラベル、カルチャー・・・。
10周年を迎えたそうです。

欧州ブランド音痴の小職にとっては、ほとんど理解不能な世界です(笑)。
シャネルやヴィトン、ディオールなどであれば聞いたことがありますが、HARRY WINSTON、VCA、LLDROなどとなると、???です。

DAZZLEは英語で、目をくらます、眩しくするという意味。
ファッション、アパレル、バッグなどの値段を見ると、ほんと、目をくらまされるようです(爆)。

でも、この雑誌、ターゲットは誰なんでしょうかねえ?

バリキャリのエグゼクティブウーマン?
出世してお金持ちになった旦那さんの奥さん?
いろいろと想像を巡らしてみると、なかなか面白いです。

賢者は、かって言いました。
「お金は稼ぐより使う方が難しい」と。

一攫千金でボロ儲けした資産家、芸者をあげてドンチャン騒ぎする人もいれば、社会的に恵まれなかった人たちのために寄贈する人、音楽好きで音楽ホールを建てる人もいます。

友人の中に、本当にうまいお金の使い方をする友人がいます。

趣味のクルマのために愛車の入る部屋をリビングルームの横に造る・・・
20年落ちの木製のセーリングクルザーに手を入れながら週末を過ごす・・・
書斎にマルチディスプレイを設置、ディーリングルームにして株ゲームを楽しむ・・・
欧州の農村の納屋にある錆びたヴィンテージバイクを日本に空輸して再び走れるようチューンナップする・・・
セカンドカーとして、HONDAの660を購入して週末のドライブを楽しむ・・・

いいなあ、と思います。

今の時代、年金だけでは2000万円不足の話題で、貯め込むことにスポットが当たっていますが、それだけでは経済が活性化しないし、何のために働き生きているのか分からないような気がします。

お金の使い方に、その人の教養とセンスが問われているように思います。

そんな時に思い出す一冊の本。
書棚から取り出して、パラパラめくってみました。

「カネ遣いという教養」
藤原敬之著  新潮新書 700円+税

著者の藤原さんはバリキャリ、やり手の元ファンドマネジャー。
多額の報酬を得て、それを自分の趣味に注ぎ込む・・・。
素敵な人生です。
著者は、「キゲンよく生きるために」お金を使う・・・そのために稼ぐ・・・というポリシーの持ち主。

わたしとほぼ同い年。
著者の藤原さんは、金融の世界で膨大な報酬を得て、それを二度の離婚でチャラにする・・・そんなスゴイ世界を体験・・・それを一冊の新書にまとめています。

大阪出身の藤原さん。
経営者であるお父さんの元で育てられます。
中学浪人を経験するも一橋大学に進学。
農林中金等を経てファンドマネジャーへ。
膨大な顧客のカネを得ながら、自身多額な報酬(1億円以上)を得ます。

それを、絵画、陶磁器、クルマ、食、本、音楽、椅子、照明器具などに湯水のごとくカネをつぎ込んだ・・・そんな体験談が綴られています。
何だか疑似体験しているようで、ワクワクドキドキしながらページをめくることが出来ます。

明治時代の相場師鈴久も登場、半年間で2000億円稼ぎ、半年間で2000億円を使い切ったという激動の人生の挿話もあります。

同書から、藤原語録として、琴線に触れたフレーズをいくつか紹介させていただきます。

「王様狂って、文化が残る」

「ビル・ゲイツのカネ遣いは面白みがない」
 
「カネは遣わなければ入ってこない」

「自腹の重要性」
 
「ゴルフが財界人の教養を損なった」 
戦前は茶道、茶室が財界人の社交の場だったとか・・・。

「本当の自己教育にカネを使う」
 
「照明器具で世界は変わる!」
 
わたしも照明と椅子、机にはお金をかけます。
ケタが一つ違いますが(笑)、10万円のライティングデスク、10万円のチェアでパソコンに向かっています。

藤原さんは、「金」ではなく「カネ」という表記を一貫して使われています。
「カネ」という表現で、大切な資産としての「金」が、何かを実現するための「道具」に思えてきます。
藤原さんにとって「カネ」は、手段であり、道具であると割り切っておられるのだと思います。

目次
第1章 吾はなぜかくもカネを遣うようになりしか
第2章 体験にカネを惜しまない
第3章 モノにもカネを惜しまない
第4章 カネ持ちもカネを惜しむ

カネは遣わないと入ってこない・・・それは、わたし自身体感したことがあります。
小さくため込んでもほとんど増えなかったのですが、
ひょんなことから30万円を社会福祉事業団に寄付したのち、その何十倍ものカネを手にしたことがあります。

お金は一つの場所にとどまるのを嫌がる性格をもっているのではという教訓を得た次第です。
今では、物欲もなく、人のためにお金を遣う・・・自分のために使うのは本代、カルチャー代、残りは家族のためや友人、同僚のために遣う・・・そんな感じになっています。

1時間程度で読める同書。
なかなか濃密な著書。
趣味とお金について考えている人にとって、大きな課題を投げかけてくれる一冊です。
お奨めの一冊です。

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