いまだに何故グーグルがあれだけ儲かっているか、そのビジネスモデルもよく分からないアナログ世代・・・。
シリコンバレー話やムーク、TCHOなどの仕組みを聞いても「まあ、そんなものかなあ」という反応しかできない世代・・・。
ちょっと情けない話で、反省です。
デジタルの世界は、今やグーグルを主人公として、バーチャルとリアルの間で揺れ動いているようです。
「ウェブとはすなわち現実世界の未来図である」
小林弘人著
PHP新書 760円+税
著者の小林さんは、「ワイアード」日本版を立ち上げたことで著名。
ITCの歴史とともに歩まれたデジタル界のプロフェッショナル。
インフォバーン社長、ビジネスブレイクスルー大学教授。
この本のコンセプトは、「社会はウェブをコピーする」。
社会をコピーしたwebとwebをコピーした社会では大違いです。
リアルとバーチャル、デジタルとの関係性、連動性を、さまざまな事例の中で分かりやすく解説されている本書は、
アナログ親父のわたしにとっても理解しやすいものでした。
目次
1.ウェブ2.0以降の世界はこう変わった
2.シェアが生みだす新しい資本主義
3.なぜ日本はオープンに対応できないのか
4.ウェブをコピーした社会が向かう未来
5.常識の通じない時代を生き抜く
キーワードは、「シェア」「オープン」・・・。
台頭してきた「ソーシャル」派やポスト資本主義派といった潮流と、シェア、オープンが融合し新しいコンセプトやビジネスが誕生してくる予感がします。
同書の第5章では、「常識の通じない時代を生き抜く7つの視座」と題し、今を生きる7つのニュールールが解説されています。
小林さんの持つデジタル界での経験則から導いた興味深い内容です。
NewRules1 失敗しよう。失敗を許そう
NewRules2 新しい希少をさがせ
NewRules3 違うもの同士をくっつけろ
NewRules4 検索できないものを見つけよう
NewRules5 素敵に周りの人の力を借りよう
NewRules6 アイデアはバージョンアップさせよう
NewRules7 ウェブのリアリティを獲得しよう
これらのニュールールを見ていると、
日本の家電会社、ITC会社などの「ニッポン株式会社」の苦戦の理由が分かるように思います。
失敗は許されず、希少は却下され、アイデアはゴミ箱に、成果主義人事で周りの力は得られず・・・。
会社組織の風土や仕組みから変えていかなければ、ウェブが中心として動く社会に生き残れない・・・。
そんな危機感が得られる一冊でした。
ぜひ一読いただきたいweb本です。