企業内大学がリアルに進化している様子を、今週号の日経ビジネス(2012.5.7号)が紹介しています。
行政の箱ものと同じように21世紀に入って自社人材育成のために設立された企業内大学。しかしながら、途中で空中分解するところもあり、その運用と成果の獲得はなかなか難しいようです。
今回の日経ビジネスの特集は、「社内道場で鍛えよ・リーダーは修羅場で育つ」。従来のようなMBAのカリキュラムを網羅した内容ではなく、実践的、実戦的な体験・体感型の社内教育システムが機能しているようです。しかしながら、企業内大学は、あくまでバーチャルな世界。韓国の企業のように海外に送り出し、そこでの試行錯誤の中で市場を把握しいくという修羅場創出系の教育システム?には勝てないような気がします。
ユニクロ、ソフトバンク、ローソン、ソニー、ポーラなどが社内大学を立ち上げていますが、今までと大きく異なるのが、経営トップが関与していること。社長自らが社員の指導に当たるというコミットメントは、受講する社員側にとっても真剣勝負の世界になると思います。
今回の特集では、日本を代表する企業の事例が、かなり詳しく紹介されています。
・日立製作所・・・疑似株主総会で鍛える
・住友商事「グローバル人材育成プログラム」・・・ロープレで鍛える
・YKK「技術研修室」・・・若手を海外赴任で鍛える
・日東電工「日東ユニバーシティ」・・・経営陣のダメだしで鍛える
・三井物産「CFO人材育成プログラム」・・・子会社の改革で鍛える
個人的には、三井物産の教育プログラムを受講してみたい気もしますが、修羅場はイヤだな~という甘え心もあります。
いがれにせよ、今からの幹部社員に求められるのは、「グローバル」と「ローカル」。地球サイズのフィールドの中でのマネジメントが出来るとともに、地域密着、顧客密着のマーケティングができる人材ではないかと考えています。