能率技師のメモ帳 経済産業大臣登録中小企業診断士・特定社会保険労務士の備忘録

マネジメント理論、経営理論を世のため人のために役立てるために

企業内大学・コーポレイトユニバーシティ 最前線

2012年05月05日 | 日記・エッセイ・コラム

 企業内大学がリアルに進化している様子を、今週号の日経ビジネス(2012.5.7号)が紹介しています。

 行政の箱ものと同じように21世紀に入って自社人材育成のために設立された企業内大学。しかしながら、途中で空中分解するところもあり、その運用と成果の獲得はなかなか難しいようです。

 今回の日経ビジネスの特集は、「社内道場で鍛えよ・リーダーは修羅場で育つ」。従来のようなMBAのカリキュラムを網羅した内容ではなく、実践的、実戦的な体験・体感型の社内教育システムが機能しているようです。しかしながら、企業内大学は、あくまでバーチャルな世界。韓国の企業のように海外に送り出し、そこでの試行錯誤の中で市場を把握しいくという修羅場創出系の教育システム?には勝てないような気がします。

 ユニクロ、ソフトバンク、ローソン、ソニー、ポーラなどが社内大学を立ち上げていますが、今までと大きく異なるのが、経営トップが関与していること。社長自らが社員の指導に当たるというコミットメントは、受講する社員側にとっても真剣勝負の世界になると思います。

 今回の特集では、日本を代表する企業の事例が、かなり詳しく紹介されています。

・日立製作所・・・疑似株主総会で鍛える

・住友商事「グローバル人材育成プログラム」・・・ロープレで鍛える

・YKK「技術研修室」・・・若手を海外赴任で鍛える

・日東電工「日東ユニバーシティ」・・・経営陣のダメだしで鍛える

・三井物産「CFO人材育成プログラム」・・・子会社の改革で鍛える

 個人的には、三井物産の教育プログラムを受講してみたい気もしますが、修羅場はイヤだな~という甘え心もあります。

 いがれにせよ、今からの幹部社員に求められるのは、「グローバル」と「ローカル」。地球サイズのフィールドの中でのマネジメントが出来るとともに、地域密着、顧客密着のマーケティングができる人材ではないかと考えています。


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「必ず役立つ!マルマルの法則事典」烏賀陽正弘著

2012年05月04日 | 本と雑誌

 PHP文庫の新刊。哲学事典、カタカナ語事典に続く第三弾です。

 いわゆる文系的な法則を70集め、これを解説したものです。今まであるようでなかった、読む事典。法則には、理科系の自然法則と文系的な経験則がありますが、この文庫本は後者を集めたものです。結構面白おかしく読むことができました。価値ある文庫本だと思います。

 有名なパーキンソンの法則から80対20の法則まで、それが生まれた背景や経緯が解説してあり、国際コーディネイターとして活躍する著者のウンチクが随所に散りばめられています。基本法則、人生の法則、失敗と成功の法則、組織の法則、企業人の法則という5つの章から構成されています。

◎マーフィーの法則・・・間違いは必ず起こる

 この本によると第6法則まであるとのことです。

◎パーキンソンの法則・・・支出額は収入に見合うまで増加する 

 この本によると第7法則まであるとのことです。

◎80対20の法則・・・売上の80%は20%の商品がもたらす

◎ハインリッヒの法則・・・大事故の背後には軽微な事故あり

◎262の法則・・・グループの優劣は2-6-2に分けられる

◎ピーターの法則・・・時間がたつにつれ、管理ポストは無能な上司で埋まる

◎KISSの法則・・・君たち、短く、簡単にせよ!

◎親指の法則・・・親指を使えば、おおよその長さがわかる

 このほか、ランスの法則、ミルグラムの法則、アカロフの法則、ディルバートの法則(トム・ピーターズがいつも取り上げているヤツです)、72の法則などなど、一部、法則としては?の部分もありますが、結構読みごたえありです。経営や人事に興味関心のある方は、ぜひ読んでいただきたい一冊です。 

 烏賀陽正弘氏の著作。税別619円。


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憲法記念日に日本国憲法を読む

2012年05月03日 | 日記・エッセイ・コラム

 今日は一日休み。まったりと憲法を読んでみることにしました。

 前文から始まり、天皇、人権、国会・・・と続いていく日本国憲法。美しい文章だと思いました。法律学科で学んで以来の久々の全文読破。学生時代の熱い想いを、少しだけ思い出すことができました。判例やさまざまな解釈、論点があり苦労したことを覚えています。

 当時、憲法の教授が語っていた「憲法の中心は、第13条である」という解釈。「すべての国民は個人として尊重される」というものです。当時、よくわからなかった「個人の尊重」という概念が、今では何となく分かるような気がします。

 年を重ねれば、法律の解釈や理解も、また変わってくるということでしょうか?

 年に一度、憲法を読む・・・習慣にしていきたいと考えています。


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自動車産業の今後-チャイナ仕様が世界を席巻するのか?-

2012年05月02日 | 日記・エッセイ・コラム

 今日の新聞によると、自家用車の販売が昨年対比1.9倍になったとのこと。トヨタは、実に2.9倍。昨年の3.11ショックにより大幅な減産があったものの、サプライチェーンが回復、自動車生産もかっての波に乗りつつあるこ、そして日本の基幹産業が復活しつつあることは、本当に喜ばしいことです。

 一方で、日産では、中国市場にターゲットを置き、中国人が好む自動車を開発していくという報道。14億人を抱える人口、中間層が劇的に増大している現状からすると妥当な戦略戦術ということが出来ると思います。10倍以上の市場があるわけですから、経営としては当然のことだと思います。静粛性、環境対応、コンパクトなど日本人が好む自動車仕様が、だんだんと中国仕様に変わっていく・・・少し複雑な気分です。

 しかしながら、次のステージは、EV。電気自動車です。

 部品点数は、レシプロエンジン車の半分以下。日本の強みでもある「すりあわせ」技術もそれほど必要ないということです。新興国が得意なモジュラー技術さえあれば、何とかなるとのこと。とすれば、韓国や中国、ベトナムやタイ、ミャンマーなどが自動車生産大国になるのも、もう目の前です。日本の独自技術でもあるハイブリッド車が消えてなくなる日も近いかもしれません。

 アジアシフトや現在の円高が続くとすると、日本の自動車産業も大ピンチ・・・。次のステージのかじ取りが求められます。個人的には、大人もうなるような高い品質の車、ジャパンブランドが活きる車と考えていますが、そのブランドポジションの獲得も中途半端な努力では難しいと思う昨今です。

 それでも世界市場の中で生き抜いていかなければならない日本の事情。

 今こそ、首から上を使ってガンバる・・・知恵やアイデアが出し続けられる・・・そんな国を作っていかなければ、東アジアの小国にとどまることになります。ガンバレ!ニッポン

 


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