
アダム グラント (著), 楠木 建 (監訳)
全米トップ・ビジネススクール「ウォートン校」の史上最年少終身教授でもあり、
気鋭の組織心理学者が教えるビジネスの成功の秘訣。
「ギバー(人に惜しみなく与える人)」
「テイカー(真っ先に自分の利益を優先させる人)」
「マッチャー(損得のバランスを考える人)」
もっとも成功するのは誰だろう。
他人に優しくしていたら、厳しい競争を勝ち抜けない――?それは大きな誤解だ。
これからは、他者志向の思いやりの発想とコミュニケーションが、あなたの仕事に大きな成功をもたらす。
リーダーシップ、営業、交渉、事業の立ち上げ、昇進まで……ありとあらゆるシーンで
この考え方が役に立つだろう。
一橋大学大学院教授・楠木建(『ストーリーとしての競争戦略』『経営センスの論理』)の
監訳と解説で、日本初デビュー!
「世の“凡百のビジネス書"とは一線を画す一冊だ!」
内容(「BOOK」データベースより)
「ギブ&テイク」とは、この世の中を形成する当たりまえの原理原則に思える。しかしこれからの時代、その“常識”が果たして通用するのかどうか―著者の問題提起が、アメリカで大論議を巻き起こしている。人間の3つのタイプである、ギバー(人に惜しみなく与える人)、テイカー(真っ先に自分の利益を優先させる人)、マッチャー(損得のバランスを考える人)。このそれぞれの特徴と可能性を分析したするどい視点。世界No.1ビジネス・スクール「ペンシルベニア大学ウォートン校」史上最年少終身教授、待望のデビュー作!!
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
グラント,アダム
ペンシルベニア大学ウォートン校教授。組織心理学者。1981年生まれ。同大学史上最年少の終身教授。『フォーチュン』誌の「世界でもっとも優秀な40歳以下の教授40人」、『ビジネスウィーク』誌の「Favorite Professors」に選ばれるなど、受賞歴多数。「グーグル」「IBM」「ゴールドマンサックス」などの一流企業や組織で、コンサルティングおよび講演活動も精力的に行なう
楠木/建
一橋大学大学院国際企業戦略研究科(ICS)教授。経営学者。1964年東京生まれ。専門は競争とイノベーション(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
メンタリストのDaigoさんがニコ動でこの本を紹介して興味を持ちました。
これを手に取ろうとしてる人の中には「日頃から自分は見返りを求めず他人にギブしている。そのギブがもう少し報われたら···。」と思ってる方もいると思います。
でも、この本を読んでいると
「自分は露骨なテイカーではないだけで、結果的にテイクorマッチを求めていたのか」と気付かされる話が多々あります。
この本では「ギバーこそが正解だからこうあるべき」と短絡的には書いてません。
が、日頃から自分は見返りを求めないギバーだと思うのであれば、その「ギバー」として生きる道の軌道修正になる本だと思います。
難点は一つの事例を出してる途中で全く別の研究の話が始まり
「研究からもわかるようにこの事例に登場する人物はギバーだった」
と結論付けるため構成がややこしいうえ、外国の人物名や名称が列挙するので誰の何の話なのか見失いやすいです(笑)
本書は、人に与えることで価値を生み出し、自らも価値を得る「ギバー」について、その成功の理由と、ギバーとしての戦略やコミュニケーションについて解説する。
最初に語られる興味深いことは、成功という観点で、最下層にいる集団(例えば生産性の低いエンジニア)はほとんどがギバーであるのに対し、もっとも成功する(例えば生産性の高いエンジニア)も、やはりギバーであるという点。
これは矛盾するようで、感覚的には理解できる。
人のためにと思って動いているが、いまいち成果に繋がらず、評価も上がらないという例は、自身も含めて存在する。
そこで、本書における恐らく最も重要な問いは、「いったい何がお人好しと成功者を分けるのだろうか?」ということ。
それは、才能や素質というより、その戦略や選択に関係するとして、調査から導き出された以下のようなポイントが述べられている。
こうしたアドバイスは、読む人によっては、価値観を変えるくらい意味のあるものになるかもしれない。
個人的には、もっと早く読んでおくべきだったと感じさせるほど印象に残った。
特に自己犠牲になりがちな人(そして自分が損していると感じる人)は、ぜひ読んでみてほしい一冊。
■成功するギバーとそうでないギバーを分けるポイント
・受けとるよりはるかに多くを与える。
-ギバーの生産性は、まれにしか助けなかったときにガタ落ちしている。
-頻繁に助けていたときのほうが、信頼関係が築かれ、助けた人からだけでなく、作業グループ全体から有益な助けが得られる。
-初対面の人でも「五分間の親切」を実行すれば、その弱いつながりが思わぬところで役に立つ。
・「自己犠牲的」ではなく、「他者志向的」になる。
-他者の利益と自己の利益を同時に追求する。この二つは別個の動機であり、同時に目指すことが可能なものである。
-受けとるより多くを与えても、けっして自分の利益は見失わず、それを指針に、「いつ、どこで、どのように、誰に与えるか」を決める。
・与えた結果からエネルギーを得る。
-ギバーが燃え尽きるのは、与えすぎたことよりも、与えたことでもたらされた影響を、前向きに認めてもらえていないことが原因。
-与えた結果がその目で確認でき、そこから元気を引き出せるような別の場所を持つことが重要になる。
-人助けはバラバラより一度にまとめるやる方が幸福度が増す。職場であれば、人にアドバイスを求めてよい時間と仕事に集中する時間を分けるのも良い選択。
・必要なときに他者に助けを求める。
-自己犠牲タイプのギバーは他者志向のギバーより助けを受けることがはるかに少なく、それは、精神的にも肉体的にもダメージをおよぼすことがわかっている。
-他者志向のギバーはサポートネットワークを築いて、助けが必要なときに頼ることができる。
-また、調査では、 知識のある同僚にしょっちゅうアドバイスや助けを求めている人は、まったく求めない人よりも、上司の受けがいいことがわかっている。
・信用しすぎること、相手に共感しすぎること、臆病になりすぎることの三つの罠を防ぐ
-信用しすぎて騙されないために、テイカーを相手にするときには、自衛のために、マッチャーになる。ただし、三回に一回はギバーに戻って、テイカーに名誉挽回のチャンスを与える。
-共感しすぎて交渉がうまくいかない場合は、相手が感じていることではなく、考えていることを想像する。人の視点でものを見ることで、真意を見極めることができる。
-臆病になりすぎて強く出られないときは、自分を信頼してくれる他の人の代理人として振る舞うことで、ギバーとしての自己イメージと社会的イメージを保つことができる。
ギブ&テイクという関係における人の特徴について述べられている。ギバー(giver)、人に惜しみなく与える人。テイカー(taker)、真っ先に自分の利益を優先させる人。マッチャー(macher)、損得のバランスを考える人。短期的に見るとギバーがテイカーの利益を得ることが成功に繋がる。しかし、長期的に見た場合、テイカーの成功には限界がありギバーが成功を収める。マッチャーは可もなく不可もなくといったところ。つまりは、自己中にならずに他人の利益のために動けば自分にも利益が来るよ。でも与え過ぎたら利用されるから人を選んで貢献しなよ。ってことを伝えている。与えて自分にとって不利益にならないものなら誰に与えても問題ない。っていう意味でのインスタでの読書感想文。これは読んで損のないおすすめの一冊。
Verified Purchase
就職してから、マッチャー(損得のバランスを考える人) として振る舞うように教育され、それが当たり前になっていたように思います。
この本を読んで、ビジネスでもギバーとして振る舞うことで、より大きな成果を得られるという事例が豊富にあって、ビジネスだからと言って、必ずマッチャーとして振る舞う必要があるわけではないというのが新鮮でした。
そして、ギバーがいると、その周辺のマッチャーもギバーに合わせた振る舞いをするので、コミュニティの質が変容していくというのも納得でした。
また、常にギバーとして振る舞うことの危険と対策について、述べているのも参考になりました。
自己犠牲的なギバーはテイカーに利用されることがあるということに対して、
「人に惜しみなく与えることが自体が危険なのではなく、誰に対してもたった一つのgive and take のやり方で対応することが危険なのだ。」
「テイカー に対しては、感情を思いやるのではなく、その思考を分析し、無条件に与えるのでなく、時にはマッチャーとして対応することが必要」
「ギバー は自分のための自己主張は苦手だが、自分が大切な人の利益を代表していると思えば、しっかり自己主張ができる」など、納得でした。
中田のyoutube大学の動画を見て感銘を受け、本を実際に読む事にした。
最初に結論を言うと「中田のyoutube大学のgive and takeを見ればオッケー。本は買わなくていい」である。
「ギブ」「テイク」に加えて「マッチ(均衡)」という3つの概念で、人に与える事が良い事でどうのこうの、人間関係の損得がどうのこうの、と論じている、なかなか珍しい本。著者も凄い経歴の持ち主ゆえに、為になる話がある。
たとえば
「いろんな人に親切にしていれば、いつかどこかで助けてくれる」
という、この本に興味を示すであろう人にとっては耳にタコができるほど聞かされたあの話を、綺麗事ではなく、キチンとした理屈で説明してくれたり
「人から受け取ってばかりで自分からは与えようとしないタイプの人には、あくまでギブアンドテイクの姿勢を貫く事で搾取されるのを防ぐ」
「自己中心的な人の口癖には、こういう傾向があるので早期に見破る事ができる」
など、他人から搾取される事に悩む「お人好し」の読者諸君が今日からすぐ使えるテクニックも紹介されている。
が、
話が長い………
長すぎる……………
この本はエピソード紹介がいちいち長く、しかも1つの話題に2〜3個紹介される。
1ページで、いや、1行で済むような話を、ナントカ大学のナントカさんはこんな経験がある……ナニナニ大学の研究によって判明したデータによ?と……とかなんとか5ページくらいかけて話す。
だから本は長いくせに、抑えるべきポイントは少ない。内容はとても為になる事が書かれているのに、読むのに時間がかかりすぎる。
そして中田の30分くらいの動画に要点がまとめられていて、全部説明されている。
中田の動画を何周も見て肝に銘じる方がオススメ。
人はギバーでもテイカーでもマッチャーでもあると解釈しました。わたしもギバーであり、テイカーでもあり、マッチャーでもあります。そしてすぐに変化できます。
そして一番下まできてました。
そして自分をかえりみり、模索してました。その時に、本書に出会えて、
皆さんのレビューを80件を拝見させていただき、有意義な時間を過ごせました。
籠っていたわたしに、とてもこの環境、楽しさ、笑い、興味を覚えました。皆さんのレビューにとても感謝してます。
本を最後まで読むのにかなり時間がかかりました。途中で投げ出す内容とは違って自分と向き合う本でもありました。
感動と歓喜と驚きの内容 で "自分を復活させ、改善できる" 「これほどにか」っていうほどの内容です。
奮い立つ良書です。面白かったです。
人の役に立とうと思い親切にしてもいつも利用されてしまう人や逆に利用ばかりしてる人にも読んでもらいたい。
正直者(親切者と言った方がいいが)がバカを見ることにならないようにする方法や考え方、自分の利益だけを求めていては一時的な利益は得られるが最終的には損をする羽目になることなどが何故そうなるのかを様々な研究をもとに書かれている。事例も交えて書いてあり、少し読みにくいと感じることもあったが、それ程気にならなかったので星5つとした。
是非手にとってほしい良書です。妻にも薦め、子供にも理解ができる年齢になったら是非読んでほしいと思います。