プーチンのウクライナに対する帝国主義的戦争を非難する

2022年06月07日 11時07分42秒 | 新聞を読もう
*レイバーネットMLから小倉です。
以下は、LeftEastが出した声明の翻訳です。包括的に、左派がとるべきスタンスを端的に
提起していると思います。LeftEastは、東欧からロシアの地域を中心に左翼運動と思想の
発信メディアとして優れた論評の公開の場となってきました。最近は特にジェンダーの問
題にも傾注しています。
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出典
https://lefteast.org/lefteast-condemns-putins-imperial-war-against-ukraine/

LeftEast
2022年2月25日
LeftEastのメンバーは、ウクライナで戦争にエスカレートした暴力的な軍事侵略に愕然と
している。これは、この数十年間見られなかった規模の流血に我々の地域を投げ込む恐れ
がある。私たちは、クレムリンの犯罪的な侵略を明確に非難し、ロシア軍を国際国境まで
撤退させることを要求する。私たちは、この戦争を引き起こした米国、NATO、およびその
同盟国の責任を忘れてはいないが、現在の状況における明らかな侵略者は、ロシアの政治
的・経済的エリートである。私たちは、ロシアの許しがたい帝国主義的なウクライナ侵略
を暴露することに努力を傾注するが、NATOのアグレッシブな拡大とウクライナのポスト・
マイダン体制もこうした方向に道を開いたのである。革命的精神とウクライナ、ロシア、
地域の人民との連帯のもとに、私たちは、今日のモスクワに「ノー!」と言い、将来のモ
スクワとNATOの間の誤った選択に「ノー!」と言う。私たちは、即時停戦と交渉のテーブ
ルへの復帰を要求する。グローバル資本の利益とその軍事機械は、人民の血の一滴にも値
しない。平和と土地とパンを!

私たちは、私たちをこうした状況に導いた、少数独裁資本主義oligarchic capitalism、
権威主義的新自由主義、そしてグローバルな反共勢力によって培われた地域反共主義を拒
否する。プーチン自身が2月21日の「歴史演説」で「非共産化を望むか?まあ、私たちに
はそれがお似合いだ。しかし、よく言われるように、中途半端なところでやめる必要はな
い。ウクライナにとって本当の非共産化が何を意味するのか、見せる用意がある 」と脅
した。今日のクレムリンによる攻撃は、断絶が一気に進んだことを表している。少数の右
翼政治家が利益を得ることは確かだが、ほとんどの人にとって、極端なナショナリズムや
極右思想は、苦しみと憎しみの連鎖をもたらすだけである。経済的には、この反共産主義
が、ロシア、ウクライナ、東欧全域で見られる少数独裁資本主義、そして貧困をもたらし
た。政治的には、かろうじて国民の代表であるかのように装う政府をもたらした。

私たちは、次のことを強く主張する。
(1) 私たちは、この直接的な戦争行為についてクレムリンの責任を追及する! ロシア国家
は、まったく反動的な帝国への郷愁の名において、また、過去と現在の東欧の革命運動に
よって例示された国際主義的連帯に明確に対抗して、ウクライナに侵攻したのである。プ
ーチンの「偉大なるロシア」ナショナリズムは、東欧の豊かな文化的多様性を否定するこ
とによって、国際的地位を獲得しようとする犯罪的かつ無益な試みである。私たちは、こ
の地域のすべてのエスニックコミュニティとともに立ち、すべての人のためのよりよい世
界のための闘いを通じた平和的連帯のビジョンを支持する。

(2) 私たちは、この戦争の発端はクレムリンであり、今日の主要な侵略者であると考える
が、この悲惨な状況に対して米国とその多くの同盟国、そして多国籍資本が負っている責
任も念頭に置いている。NATOの拡大に対するロシアの懸念についてロシアとの交渉を拒否
したことが、ウクライナ政府を含む多くの人々が非エスカレーションを求めたにもかかわ
らず、戦争の炎を燃え上がらせてしまったのである。パンデミックの後、米国や他の先進
資本主義国の経済・政治エリートは、失敗しつつある民主主義の正当性と欧州大西洋「統
合」の経済ヘゲモニーから人々の目をそらそうと考えた。彼らは、東欧の人々の犠牲の上
に、資本蓄積の活性化を推し進めた。好戦的な敵であり、現代の帝国主義者であるプーチ
ンは、ロシアとウクライナの社会的再生産の悲惨なポスト社会主義とパンデミック関連の
危機を利用して、ナショナリズムの感情に火をつけ、古いエスノナショナリズムの紛争か
ら利益を得つつこれを(再)生産するために、今、このようなことをしている。搾取的で
拡張主義的な欧州大西洋「統合」は、今や権威主義者にとっての開戦理由となっている。
それが、ウクライナで本格的な戦争に発展している。

(3) 私たちは、皮肉にもプーチンと彼の「非共産化」の約束によって具現化された地域的
反共産主義を拒否する。彼は羊の皮をかぶった狼のような連帯を左派の一部から得ており
、プーチンを「共産主義者」とみなそうとするリベラルな人々がいるが、彼の政府は野党
のロシア左翼the Russian Left、反ファシスト、アナキスト、反戦運動を排除し、残忍な
扱いをしてきた。しかしまた、決定的に重要なこととして、私たちは、ロシア、ウクライ
ナ、および東欧の小市民的日和見主義的政権において、軍国主義的右翼のレトリックと他
人の不幸から利益を得ることを組み合わせて、ナショナリズムと極右思想を育む少数独裁
資本主義に基づく反社会的な体制を拒否する。

(4) 私たちは、ここ数年のロシアとウクライナ双方における、いわゆる「非共産化法およ
び非共産化改革decommunization laws and reforms」を拒否する。ロシアとUSA/NATOとい
う私たちにとっての二つの「敵の陣営」は、権威主義的反共主義的新自由主義の道を歩ん
できた帝国主義・資本主義勢力である。彼らが共有するこの道をウクライナもまた歩んで
いるが、とりわけ、新自由主義的労働法、土地へのアクセスを妨げることを目的とした土
地「改革」、小農民の追い立て、そしてここ数年の経済・社会政策改革によって証明され
ているように、人々は搾取や貧困のリスクに極めて脆弱になり、ロシアとウクライナだけ
ではなく地域とグローバル双方に影響を与える前例のない社会経済危機を招いている。
(5) 現在のウクライナ政府を美化して完全に民主的な自由の担い手であるというのと現実
は異なり、私たちはウクライナのポストマイダン体制に疑問を投げかけている。すなわち
、左翼や野党への弾圧、主要野党の追放、人気のある反政府メディアの封鎖、差別的言語
政策、ウクライナの政治・エスニック・文化の多様性を認識し受け入れようとしないこと
、過去7年間のミンスク合意への妨害行為などだ。ウクライナの極端な「非共産化」改革
もまた、私たちが単に過去の持続不可能な状況への回帰を望むことはできないことを明ら
かにしている。

(6) 私たちは、人種差別的で軍国主義的な欧州大西洋の統一や、報復主義的なユーラシア
主義に救いを求める陣営主義の解決を拒否し、その代りに、ラディカルな社会変革、民主
主義、労働者の権力、インクルーシブであること、そして解放のための真の闘いを支持す
る。

(7)血と貧困と分裂しか予感させないこれらの反動的イデオロギーに対して、私たちは、
東欧の革命運動の遺産を支持する。その(多くの)伝統の中で我々は、資本主義、帝国主
義、軍国主義に対する闘いと宗教、エスニック、ジェンダー平等の約束を批判的に追及す
る。この闘いは、ウクライナ人とロシア人、そしてこの地域の歴史的に抑圧されてきたグ
ループ―ロマ、ユダヤ、タタール、移民コミュニティ、女性、性的マイノリティ―にとっ
て、より良い未来への唯一の希望であり、すべての労働者とこの地域で抑圧されている人
々との連帯である。この精神に基づき、我々はウクライナとロシアの政治犯への連帯と、
両国のラディカルな反資本主義的な民主主義のための運動とその勢力への支持を宣言する。

私たちは、即時停戦、経済的・政治的エリートには影響を与えるが影響を受ける国の労働
者や人民には影響を与えない反戦の努力、そして私たちの地域を戦争に巻き込んだ平和プ
ロセスと社会・経済政策における過去の過ちを棚卸しする交渉を求める。私たちは、ウク
ライナとロシアの反資本主義・反戦運動と連帯する。私たちは、自由民主主義の約束に幻
想を抱いていない。階級闘争以外に戦争はない!

私たちは、まだ戦争の影響を受けていない国の同志に、ウクライナや他のすべての紛争地
域からの難民を完全かつ人道的に受け入れるよう自国政府に圧力をかけ、平和への道を迅
速に描くことを要求し、侵略と好戦的愛国主義によって生活(命)の影響を受けている人々
との連帯を表明するよう求めます。私たちには、左翼の国際主義と平和主義の歴史がある。

toshimaru ogura
rumatoshi@protonmail.com
http://www.alt-movements.org/no_more_capitalism/

楽観主義とは

2022年06月07日 10時23分55秒 | 伝えたい言葉・受けとめる力

▼真のヒューマニズムとは、生命の本質と人間性への明晰な洞察を基盤とすべきだ。

▼幸福な人生を歩む上で、健康は大切な要素だ。

▼今どんなに苦しくても、信念を貫けば必ず勝利していける。
たくましい楽観主義こそ期待される生き方だ。

▼楽観主義とは、決して「何とかなる」といった安易な生き方ではない。
自らの意志で現実を変えうとする、主体的に裏打ちされた生き方だ。

▼医療の現場でも、前向きな気持ちで病と立ち向かう方は、治療効果がより明確に表れる傾向にある。
「楽観主義」は、心身を健やかにする<薬>である。

▼病気で苦しんだらこそ、人の苦労が分かる。
悩んでいる人を励ませる。

▼病と無縁な人はいない。
超高齢社会を迎えた今、健康長寿を目指す上で、病と上手に付き合う知恵が求められる。
それは、「生きがい」と「希望」を自らつくり、社会に貢献する生き方にこそあるのではないだろうか。

 


「胃ろう」を拒絶して死を選んだ「伸ちゃん」

2022年06月07日 02時43分17秒 | 日記・断片

佐々田さんが、最後の伸ちゃんの様子を伝える。

我々の間では一番、親しかってので、毎日、メールが佐々田さんの携帯電話に来ていたのだ。

「伸ちゃんが、とても可哀想」彼の母親が言っていたことが、とても切なく聞こえた。
彼の姉は、弟のために必死に治療法を探っていた。

最後に彼は、何を思っただろうか?

ALSでは、栄養状態が良いと生命予後が良くなる(より長く生きられる)ことが分かっているため、食べることも大事な治療の一環。
胃に直接栄養剤などを注入する「胃ろう」を作ることが大切な治療。
だが、彼はそれを拒絶して死を選んだのである。
絶望の果ての、自死を選んだようだ。

 

筋肉が衰えるALS(筋萎縮性側索硬化症)

ALSの治療薬
~進行を抑える薬と症状を和らげる薬~
ALSでは、病気の進行を抑えるための薬と、さまざまな症状を和らげる薬を使って治療を行います。

進行を抑える薬

「リルゾール」と「エダラボン」の2種類が進行を抑える薬として使われています。最初はリルゾールから使われることが多いですが、多くの場合、両方の薬が併用されます。

リルゾールは、飲み薬で1日2回服用します。神経細胞を保護する作用があると考えられています。
エダラボンは、2015年に世界に先駆けて日本で開発承認された新しい薬です。
点滴薬で、基本的には10日点滴したら2週間休み、また10日間点滴したら2週間休む、というサイクルを繰り返します。ALSに影響しているとされる酸化ストレスから神経細胞を保護する薬です。

副作用は、リルゾールでは肝機能障害や食欲不振、エダラボンでは肝機能障害や発疹、かゆみなどが起こることがありますが、いずれも多くは一過性で改善します。治療開始後は特に注意が必要です。

さまざまな症状を和らげる薬
進行に伴い現れるさまざまな症状で困っている場合は、症状を和らげる薬を使います。例えば、筋肉がつって困っている場合は、漢方薬の芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)が良く効きます。筋肉のつっぱりなどで激しい痛みが起こっている場合は、痛み止め(鎮痛薬)、場合によってはモルヒネなどを使います。

薬以外の治療(栄養と呼吸補助)
ALSでは、栄養状態が良いと生命予後が良くなる(より長く生きられる)ことが分かっているため、食べることも大事な治療の一環です。

のどの筋肉が弱まり、食べ物が飲み込みにくい場合は、細かくしたりとろみをつけたりして、飲み込みやすくする工夫をします。
それでも飲み込みが困難になった場合には、胃に直接栄養剤などを注入する「胃ろう」を作ることが大切な治療となっています。
胃ろうを用いている患者さんを対象に行われた調査では、通常の栄養をとっているグループよりも、「高脂肪・高カロリー」または「高炭水化物・高カロリー」の栄養をとっている患者グループのほうが生存率が高いという結果が得られました。
また、呼吸が苦しくなった場合は、マスク型の簡易な人工呼吸器(鼻マスク)で呼吸補助をする治療を行います。

多職種でのサポートが生命予後に影響

ALSでは、40歳以上であれば介護保険を利用できます。ただし、病気の進行に伴い、生活機能の低下やさまざまな症状への対応など、多くの課題が生じてきます。
そのため、医療機関や福祉サービスなどの多くの専門家・機関が連携して対応することが望まれます。

海外では、連携したサポート体制が整うことで、合併症が減り、生活の質も向上したという報告があります。しかし、日本ではまだ患者さんと家族が安心して療養生活できる環境が十分整っているとはいえない環境です。
そのため、多様な専門家・機関による医療連携の体制づくりが進められています。

手足・言葉やのどに違和感があったら まずは神経内科を受診!

ALSはできるだけ早く診断をつけて介入することで、生活の質を保ちながら長く生きることができるようになっています。
早く見つけて適切な治療を行うことで、発症から10年以上経過しても進行が抑えられている人もいます。しかし、初期症状が手足や言葉・のどの違和感からはじまるため、多くの患者さんは、整形外科や耳鼻咽喉科を受診しています。

手足の異常の場合は、頚椎症と症状が良く似ているため間違われることもあり、ALSの治療開始が遅れてしまうこともあります。いち早く治療を開始できるように、手足や言葉・のどに違和感があったら、まずは神経内科(脳神経内科)を受診してください。