6/28(火) 6:50配信 Full-Count
村上はリーグトップの26本塁打、71打点、打率も.315と三冠王も視野に
ヤクルト・村上宗隆【写真:小林靖】
セ・リーグ首位を走るヤクルトの勢いが止まらない。26日の巨人戦(神宮)では主砲・村上が26号勝ち越し3ランを放ち11-10で勝利。12カード連続勝ち越し、さらに史上初の11球団連続でのカード勝ち越しとセ・パを圧倒している。
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24日からの巨人3連戦では計32得点、35失点とノーガードの打ち合いとなったが2勝1敗と勝ち越し。なかでも4番の村上は3発9打点の大暴れ。リーグトップの26本塁打、71打点、さらに打率.315もリーグ2位と三冠王も狙える位置につけている。
オリックス、ソフトバンク、広島で打撃コーチなどを歴任した野球評論家の新井宏昌氏は「これまでのヤクルトはリーグ優勝した翌年はBクラスが多かったが、今年は昨年に続き隙の無いチーム作りが進んでいる」と評価し、主砲・村上の存在を絶賛する。
「打撃ではなんといっても村上の活躍。高卒5年目と若い4番打者がしっかり働くと周りも『自分たちもやらないといけない』と思う。打席での立ち振る舞い、表情を見てもランナーを置いての打撃に自信を持っている。全ての方向に本塁打を打てるということは率も残せるということ。両リーグを見ても最も怖い打者といえるでしょう」
「山田はまだ本来の姿をみせていないが、それが気にならないぐらいチーム力がまとまっている」
ヤクルト・山田哲人【写真:小林靖】
若手、中堅、ベテランとメンバー構成のバランスも絶妙だ。チームは近年、遊撃手を固定できていなかったが高卒3年目の長岡がチームトップタイの71試合に出場し打率.251、4本塁打32打点。捕手でも、高卒2年目の内山が正捕手の中村が復帰してからもスタメンでマスクをかぶるなど38試合に出場。若い力が躍動するなか、経験実績の豊富な山田、ベテランの青木も奮闘している。
「二遊間はよほどの打撃がない限り、守りが重視される。その中で長岡が勝ち取り不安のないプレーを続けている。どのポジションを見ても個々の選手たちが、それぞれの仕事をこなしている。山田はまだ本来の姿を見せていないが、それが気にならないぐらいチーム力がまとまっている」
投手陣ではエース候補だった奥川の離脱は痛かったが、小川、石川が安定感ある投球を続け、左腕の高橋が一本立ち。昨年のリーグ制覇を支えたリリーフも好調を維持しており投打ともに隙は見当たらない。
「どれだけ好調でも一喜一憂しない。負けを引きずらない。いい切り替え、いい準備ができているからだと思います。これだけ投打のバランスが取れているチームは、なかなか大きな連敗はしない。首脳陣の持っていきかたもうまくいっている」
ヤクルトが連敗を喫したのは5月11日の中日戦(神宮)が最後。リーグ連覇に向けた快進撃はどこまで続くのか、注目が集まる。
橋本健吾 / Kengo Hashimoto