人間の可能性は無限だ

2022年11月21日 21時04分27秒 | 伝えたい言葉・受けとめる力

▽誰もが自身の内に未踏の原野がある。
あえて苦手に挑戦する。
開拓の一歩を踏み出そう。
人間の可能性は無限だ。

▽君は戦おうとしない。
たえず病気と死を考えている。
死と同じく生も避けられない。
生命だ、生命だ。
宇宙にある力が地球を動かし木を育てている。
君の中にある力と同じだ。
その力を使う勇気と意志を持つんだ―チャップリンの映画でのメッセージ。
人間の持つ偉大な可能性を訴えたチャップリン。
彼のメッセージは混迷の現代社会を照らす灯となった。
世界中に勇気と希望を送り続ける。

▽正しい人が断固たる態度を持てば百人よりも強力―哲学者・フィヒテ
使命に胸を張り前進。

ヨハン・ゴットリープ・フィヒテ(1762年5月19日 - 1814年1月27日)は、ドイツの哲学者。
先行のイマヌエル・カントの哲学に大きく影響を受け、のちのG.W.F.ヘーゲルやフリードリヒ・シェリングらに影響を与えたドイツ観念論の哲学者である。息子のイマヌエル・フィヒテ(通称:小フィヒテ)も哲学者。ナポレオン占領下のベルリンでの講演「ドイツ国民に告ぐ」で広く知られる。


ヒトラーに盗られたうさぎ

2022年11月21日 21時04分27秒 | 社会・文化・政治・経済

11月22日、午前2時30分からCSテレビのムービー・プラスで観た。

一家はどうなるのか?と心配しながら観ていたら、最後に実話であることが明かされた。

ユダヤ人に対する一般市民のあからさまな侮蔑も描かれていた。

解説

ドイツの絵本作家ジュディス・カーが少女時代の体験を基につづった自伝的小説「ヒトラーにぬすまれたももいろうさぎ」を、「名もなきアフリカの地で」のカロリーヌ・リンク監督が映画化。

1933年2月。ベルリンで両親や兄と暮らす9歳のアンナは、ある朝突然、「家族でスイスに逃げる」と母から告げられる。

新聞やラジオでヒトラーへの痛烈な批判を展開していた演劇批評家でユダヤ人でもある父は、次の選挙でのヒトラーの勝利が現実味を帯びてきたことに身の危険を感じ、密かに亡命の準備を進めていたのだ。

持ち物は1つだけと言われたアンナは大好きなピンクのうさぎのぬいぐるみに別れを告げ、過酷な逃亡生活へと踏み出していく。

アンナの父を「帰ってきたヒトラー」のオリバー・マスッチ、母を「ブレードランナー 2049」のカーラ・ジュリ、心優しいユリウスおじさんを「お名前はアドルフ?」のユストゥス・フォン・ドーナニーが演じた。

2019年製作/119分/G/ドイツ

スタッフ・キャスト

  • リーバ・クリマロフスキ

    アンナ・ケンパーリーバ・クリマロフスキ

  • オリバー・マスッチ

    アルトゥア・ケンパーオリバー・マスッチ

  • カーラ・ジュリ

    ドロテア・ケンパーカーラ・ジュリ

  • マリヌス・ホーマン

    マックス・ケンパーマリヌス・ホーマン

 [映画.com ニュース] 「おちゃのじかんにきたとら」などで知られる世界的絵本作家ジュディス・カーの過酷な少女時代を描く「When Hitler Stole Pink Rabbit」(英題)が、「ヒトラーに盗られたうさぎ」の邦題で、11月に公開されることがわかった。

1933年、ヒトラーの台頭によってナチスが政権を握る直前、迫害から逃れるた

 

めに故郷ドイツを出国し、スイス、フランス、イギリスに亡命した、カー自身の体験をつづった自伝的小説がベースとなっている。

シンプルで味わいのあるイラストが世界中で人気を集め、惜しまれながらも、2019年5月に95歳で亡くなったカー。

 

名もなきアフリカの地で」で第75回アカデミー賞の外国語映画賞を獲得したカロリーヌ・リンク監督が、カーの自伝的小説「ヒトラーにぬすまれたももいろうさぎ」を映画化した。

9歳の少女アンナが、貧困や差別などの困難を乗り越えながら、家族との絆

ドイツを出国し、スイス、フランス、イギリスに亡命したジュディス・カーの知られざる物語

を深めていく愛と成長の物語。

19年のクリスマスにドイツで公開されると、「アナと雪の女王2」「スター・ウォーズ スカイウォーカーの夜明け」などハリウッド大作が並ぶなか、初登場で4位にランクイン。公開初日からわずか4日間で、約1億8000万円を稼ぎ出すヒットを記録した。

33年2月、ベルリンに住む少女アンナは、兄マックスや友人とともにカーニバルを楽しんでいた。しかし翌朝、アンナは母から突然「家族でスイスに逃げる」と告げられる。

新聞やラジオでヒトラーへの痛烈な批判を展開していた辛口演劇批評家であり、ユダヤ人の父は、「次の選挙でヒトラーが勝ったら、ヒトラー反対者への粛清が始まる」という忠告を受けていた。

ヒトラーの勝利が現実味を帯び、身の危険を感じた両親は、密かに逃避行の準備を始めていたのだ。

住み慣れた家から持っていけるものは1つだけだと言われたアンナは、大好きなピンクのうさぎのぬいぐるみに別れを告げる。それは、これまで何不自由なく暮らしていた彼女と家族の、辛い逃亡生活の始まりでもあった。

1000人の中から見出された新人リーバ・クリマロフスキが、どんな状況でも真っ直ぐに前を向くアンナ役を、みずみずしい感性で演じた。「帰ってきたヒトラー」でヒトラーを演じたオリバー・マスッチと、「ブレードランナー 2049」のカーラ・ジュリが、アンナの父と母を体現。ユストゥス・フォン・ドーナニー(「お名前はアドルフ?」)が心優しいユリウスおじさん、マリヌス・ホーマン(「はじめてのおもてなし」)が兄マックスに扮した。

ヒトラーに盗られたうさぎ,画像

 あ、あ、実話…なのかな…?

タイトルのうさぎ(のぬいぐるみ)に惹かれ、怖い描写やほのめかしのない怖くない戦争映画だと知り、公開時から観たかった。本当にそういうのが苦手なのでまだ警戒していたから映画館には行かず、でも本当に怖くなくて安心した。心はちりちりしたけど。

わがままな子供は嫌いだけど至極ご尤もな要求で駄々をこねる子供は苦しい。私は賢い子供は好きなので、言葉の習得が早すぎて子供ってすごいな私には無理だって思って誇らしくなった。

亡命を続けるうちにじりりじりりと貧しくなっていく元裕福な家庭。
その名残で仕事をえり好みしてしまう父親。というか父親が原因で亡命することになってるんだけど(たぶん)。でも彼が聡明だから逃げ切れたわけで、私は賢い大人も好きなので。
職を失わざるを得なくなったのは、もちろん思想を貫いたのと情勢のあれが悪かったからなんだけど、それに加えて毒舌批評家の毒舌が強火すぎたからって可能性も考えちゃう。
なんだかんだわりと贅沢してしまう両親、うーむ。
QOL下がると精神からきて体調不良にも繋がるから正しい行いではあるんだけど(最悪になる前に光が差してよかった)。
そういうこと考えるとおじさんが動物園出禁になって…っていうのはそれ過ぎるのよね。親切な名付け親のおじさん、かなしい。
ただおじさんの死の原因が(間接的にはそうかもしれないけど)戦争によるものではなくて本当によかった。ひとりの末路のことをよかったって言うのはよくないんだけど私にトラウマを与えないでくれる作品でよかったの意。

時間経過ののちの最後、どっかん!って夢オチかのようにいっぺんに吉報が降ってきて生活が向上してるのが最後でよかった。そこからの下降とかがある展開じゃなくてよかった。

ハインピーの人生が満ち足りたものになってるといいな。
愛おしい家族の、比較的平和な物語。
絵本作家ジュディス・カーの自伝的小説「ヒトラーにぬすまれたももいろうさぎ」をカロリーヌ・リンクが監督が映画化した本作は、1933年の2月。
両親と兄、そしてお手伝いのハインピーと平和な日常を過ごしていたところ、父アルトゥアと昨晩に深刻な表情で話し込んでいた母ドロテアから翌朝に、10日後に迫った選挙でヒトラーが勝利を収めれば反対者への弾圧が始まるという忠告を受けたことや、ヒトラーに対して批判的な発言をメディアを通じて発信していた演劇批評家でユダヤ人の父が忠告に従い海外へ亡命したこと。
そして父と合流すべくハインピーを残し家族3人でスイスに亡命することを突然告げられ、生まれ育った大好きな家とハインピーとの別れを惜しみながら故郷ベルリンを後にした9歳の少女アンナ・ケンパーを主人公に、ヒトラー台頭による恐怖政治から逃れるために強いられた過酷な亡命生活の様子や、様々な困難に見舞われながらも逞しく生きて行こうと奮闘する家族の姿が描かれた作品となっているのだが、率直に言ってとても素敵な作品でした。
予備知識もなしにタイトルに惹かれて本作を視聴したが、物語の背景に"ヒトラー台頭による恐怖政治"というものがありながらも9歳の少女アンナを軸に紡がれる家族ドラマは心温まるものとなっていましたし、故郷のベルリンを離れてスイスやフランス、イギリスへと渡ったアンナたちがその国々で異なる習慣や言葉の壁、そして貧困に喘ぎながらも生きる希望を見出していく様には前向きな気持ちにさせられた。
戦争や恐怖政治というものを映し出さず家族ドラマに焦点を当てたことや、リーヴァ・クリマロフスキが演じるアンナのキャラクター性、そしてまるで児童文学や絵本を読んでいるかのような気持ちにさせられる作品の優しい雰囲気も好印象。
『帰ってきたヒトラー』でヒトラー役を演じたオリヴァー・マスッチがユダヤ人で辛口演劇批評家の父を演じている点もまたユニークに感じましたし、これが実話であることや、恐怖政治から逃れ亡命生活を送っていた家族らの視点から時代を見つめることができる面白さもある。
本作は観るべき一作なのではないでしょうかね。
大きな展開こそはないですし戦争映画として視聴してしまうと求めるものは得られないだろうが、個人的には好きな作品。良作でした。
私も映画を見て初めて名前を知った。知る人が知る絵本作家だったんだね。
自分の故郷を追われることは子供にとって悲痛な思い出。
私も転勤族なんで子供が小さい時、転校は嫌だと何度も言われた。涙も流された。この映画の少女はイギリスに移った後に大成功する。

ベルリンからスイス、フランス、そしてイギリスと。
救いは家族が団結していたこと。貧乏でも違う土地に移っても一から出発と主人公もイギリスはそんなに拒否をしていない感じがした。自分の成功を収める新天地をまるで予期しているようなエンディング。
ユダヤ系ドイツ人の父親がヒトラー政権前にナチ批判をしていたこともありヒトラーが政権を握る前に隣国に亡命し、あちこちを転々とする4人家族のお話(実話)。
ユダヤ人の強制収容所での話ではなく亡命の話だから映画としてストーリーに起伏のある話ではないけれど、こういう苦しさ、戦いもあったことがわかった。
言語も慣習も違う国にきてやっと言葉も覚えて慣れたらまた次の国へ…ナチの台頭に不安を抱えつつ家族でいつか家に帰れることを祈って日々を生きるのは大変だっただろう。
ドイツにいたら酷い迫害を受けていたユダヤ人…楽な生活とは決して言えないけど、スイスやフランスではこんな感じで過ごせたのだろうか。
やむを得ないとはいえ、環境に適応していくのすごいね。
方言がわからないスイス、全く異なるフランス、慣れてきたところでまた分からないイギリス。
ヨーロッパは言葉が似てて覚えやすいとはいえ、言語わからない中でなんとかやっていくのすごすぎる…
子供の無知はこういう時には強いのかもしれない。


ユダヤ人は常に流民だがそれを誇りに思う、ってお父さんが書いてたのがね…歴史的にそうなんだけどしんどい感じする…
ユダヤ人が差別されるのは知ってるんだけど、理由が本当に分からん…
僻みというのも、キリストを殺したからというのも違う気がするんだよね。
 
さよなら〇〇、さよなら〇〇がよかったな。
これ、昔何度か引越ししたけど、自分もすればよかったな。

唯一信じるものは感謝、感謝を忘れたものは失敗する。

これも名言。これ、つい忘れてしまうな。

なんか、この手の映画は、最初から、急降下的に、だんだん、悲惨になってしまう映画が多いが、そこまではいかず、たくさんの悲惨な映画のストーリーと比べてしまうせいか、なんか、どこか、ほのぼの感あるお話しだった。

もう一度、うさぎがみれると思ってので、良い邦題。

 


どんな子どもでも、必ず伸びることができる

2022年11月21日 18時02分45秒 | 伝えたい言葉・受けとめる力

▽君を善くするものは全て君の中に―ゼネカ

ルキウス・アンナエウス・セネカ(紀元前1年頃 - 65年4月)は、ユリウス=クラウディウス朝時代のローマ帝国の政治家、哲学者、詩人。
父親の大セネカ(マルクス・アンナエウス・セネカ)と区別するため小セネカとも呼ばれる。
第5代ローマ皇帝ネロの幼少期の家庭教師としても知られ、また治世初期にはブレーンとして支えた。
ストア派哲学者としても著名で、多くの悲劇・著作を記し、ラテン文学の白銀期を代表する人物と位置付けられる。

▽どんな子どもでも、必ず伸びることができる。
一人も残らず幸福に。

▽どんな人であっても、時に誰かの人生に多大な影響を与えることがある。

▽善も悪も実体ではなく、関係性によって生ずるからこそ、たえず善に向かう心と行動が大事である。

▽他者を憎み、侮蔑するのではなく、善の方向へ心と行動を向かわすことができれば、それは人類の偉大な歩みとなるだろう。
そこに希望がある。


徹底検証 安倍政権の功罪 

2022年11月21日 05時09分42秒 | 社会・文化・政治・経済

三権分立と国会 国の権力を立法権・行政権・司法権の三つに分ける仕組みを三権分立といいます。

これは、国の権力が一つの機関に集中すると濫用されるおそれがあるため、三つの権力が互いに抑制し、均衡を保つことによって権力の濫用を防ぎ、国民の権利と自由を保障しようとする考え方です。

日本国憲法も三権分立をとっています。

では、安倍政権の功罪は?

 
 (著)小川 榮太郎

文藝評論家。一般社団法人日本平和学研究所理事長。

昭和42(1967)年生まれ。大阪大学文学部卒業、埼玉大学院修了。

専門は近代日本文學、十九世紀ドイツ音楽。フジサンケイグループ主催第十八回正論新風賞、アパ財団第一回日本再興大賞特別賞、咢堂ブックオブザイヤー2019総合部門大賞受賞。

著書に『約束の日 安倍晋三試論』(幻冬舎、幻冬舎文庫)、『保守の原点――「保守」が日本を救う』(共著:宮崎正弘、海竜社)、『一気に読める戦争の昭和史』(KKベストセラーズ、扶桑社新書)、『小林秀雄の後の二十一章』(幻冬舎)、『天皇の平和 九条の平和――安倍時代の論点』 (産経新聞出版)、『徹底検証「森友・加計事件」――朝日新聞による戦後最大級の報道犯罪』 (飛鳥新社)、『徹底検証 テレビ報道「噓」のからくり』(青林堂)、『平成記』 (青林堂 )、『フルトヴェングラーとカラヤン クラシック音楽に未来はあるのか』 (啓文社書房)など多数。

 

本書は、5年8か月に及ぶ安倍政権の内政・外交の成果について客観的に検証している。
 まず、内政については、アベノミクスが日本経済にどのような効果をもたらしたかを精査している。
 また、外交では、安保法制や日ロ外交、日米同盟などについて触れている。
 全般的に、内政よりも外交・安全保障に多くの紙面を費やしており、安倍首相がいかに国際社会で活躍しているかがよく理解できる。
 日ロ関係では、北方領土問題でプーチン大統領と会談を重ねているものの、目立った前進はなく、一方、日米関係では、オバマ、トランプ両大統領との蜜月関係を深め、一定の成果をあげている。
 筆者は、主観を交えず、あくまでも第三者的視点で安倍政治を検証しており、是は是、否は否として冷徹に事実を述べており、安倍政治のこれまでの歩みを描いている点は参考になる。
 安倍政治を忌憚なく論評している本書は、他の「安倍本」よりも説得力のある内容であると評価して良いであろう。
 
 
 
まず序文で、「安倍政治」が変化をもたらす前の日本がどんな状況だったかを取り上げている。
事業仕分けで内政はがたがたになり、鳩山由紀夫の数々の軽率さにより日米関係は戦後最も冷え込んでいた。株価は下落し、大学生の就職率は過去最低を示し、街も観光地も閑古鳥が鳴いていた。日本全体が沈滞感で覆われていた。

安倍首相になってすぐ空気が変わったのは、首相のメッセージが大きかったと小川氏は言う。
「政策や戦略も大切だが、『成長していこうという精神』が必要だ」と国民に訴えかけた。国家の政策の下に国民を置くのではなく、国民自身の成長への意欲を国策の基軸に据えたのである。
鬱積していた沈滞感をぶち破る政治の力強いメッセージに対する手応えは大きく、国民経済の空気は瞬時に変わった。実体経済の回復を待たずに、株価の上昇、円安など、早速数字に現れたのである。
安倍首相は政権を取る前はTPPに慎重な姿勢を見せていたし、自民党は反対の姿勢を取っていたが、2013年3月、参加を表明し、裏切られたと感じた保守派は多かった。
(実は私もそうだった。)しかし、交渉能力さえあれば、日本はアメリカと対等に渡り合える。事実、安倍政権は、日本に有利にTPP交渉を妥結させた。
日本固有の価値を守りたいと願っている伝統主義者が、同時に世界に開かれた日本を主張することに矛盾はない。日本的な価値、固有性を愛することと、開かれた日本を目指すことは両立し得るし、むしろ、その工夫の中でしか、ある国の固有性は深まらない。
両立させるだけの強い交渉力と、柔軟なコミュニケーション能力、そして日本固有の価値に対する自尊心があってこその日本の固有性であり、日本の成長可能性ではないかと、小川氏は言う。
またTPP参加は、経済面だけでなく、安全保障の一環でもあった。安倍首相は、自由貿易圏の形成と、自由主義国家群による安全保障体制づくりを同時に展開していくのである。

「安倍外交」のスタートダッシュも圧巻だった。
政権発足(2012年12月26日)から数日後の2013年1月早々、東南アジアを歴訪、対ASEAN外交五原則を発表する。2月にはワシントンでオバマ大統領と日米首脳会談を持ち、「日米同盟の完全復活」を宣言する。
4月には、訪日したNATO事務総長と会談し、日・NATO共同政治宣言を発表した。
4~5月には、ロシアと中東を、100社を超える経済ミッションを帯同して訪問した。
6月には欧州を訪問し、アベノミクスによる経済成長路線を各国に説明し、世界の首脳からも日本経済復活に大きな期待が寄せられた。
9月には東京オリンピック誘致に成功する。また中国と軋轢のあるフィリピンやインドを訪問し、経済協力、相互安全保障の前進、首脳同士の友情、観光誘致、南シナ海での中国の脅威への懸念の表明など、対中国包囲網をつくった。
オバマ大統領との最初の日米首脳会談では、わずか1時間30分という極度の冷遇だったが、安倍首相は冷遇を物ともせず、「日米同盟の信頼、強い絆は完全に復活した」と宣言してみせた。また保守系シンクタンクCSISでの安倍首相のスピーチは反響を呼び、リーダーとしての力量を各国のジャーナリズムに認識させた。
東京オリンピック招致直後の訪米で、安倍首相は三つの重要な演説をこなした。
国連総会での一般討論演説、ウォール街でのアベノミクスをPRする演説、保守系シンクタンクであるハドソン研究所での安全保障演説である。
ハドソン研究所での演説では、外交演説で初めて集団的自衛権の検討を表明した。
国連の演説では、日本の経済を立て直し、そのうえで日本を、世界に対して善を成す・頼れる力とすることの二点を表明した。暴力や悪から世界を守るのが安倍首相の言う「力」であり、「積極的平和主義」である。
一方、オバマは「もはやアメリカは世界の警察官ではない」宣言を発し、世界中から米軍撤退を打ち出し、この後、安倍ドクトリンがオバマ外交の不備を補い、それどころかオバマ政権が親中から日米同盟に劇的に路線転換する流れを主導することになるのである。

日本の安全保障環境は、この数年来、急激に厳しさを増している。中国による尖閣危機は常態化し、南沙諸島への海洋侵略が進んでいる。
またアメリカは数年前のシュールガスの開発によって、中東の石油資源に依存せずにエネルギーが可能になり、世界に軍事力を展開し続ける必要はなくなった。
アメリカにとって、日本は絶対的に堅固な同盟国では必ずしもなく、中国も仮想敵ではない。アメリカの中での日中の重要度や親密度は、逆転し得るものになった。
また鳩山首相が沖縄米軍基地問題を混乱させ、米政府に極度の不信を与えるなど、日米関係はかつてなく悪化した。安倍首相が登場した時、日米の安全保障は、破綻寸前だったと言っていい。
また日本政府にはテロ対応の体制そのものがなく、在外邦人に何かあったとき、救出の手段がないため、「国家安全保障会議」(日本版NSC)の創設を急ぐこととなった。
この日本版NSCという安全保障の最高会議ができても、スパイ天国の現状では、アメリカ、イギリスをはじめとする各国のNSCは日本への情報提供を渋るだろう。NSCの発足と、先進国並みの機密情報保護法の成立は切り離せないため、安倍首相は特定秘密保護法成立を急いだのである。
また日本では、罰則対象となる国家機密が、一部の軍事情報を除き、法律で明確になっておらず、外交やスパイ活動、テロに関して、法的根拠も取り扱い基準も罰則も不明瞭だった。この特定秘密保護法により、安全保障上の重要機密情報を管理する統一的なルールが定められ、日本と国民の安全を守るための機微な情報を外国とやり取りし、政府内で共有し、かつこれを保護するための基盤が整ったのである。
この特定秘密保護法が国会審議に入ると、産経新聞と読売新聞を除くマスコミは、激しい批判を展開し、大規模な反対集会も相次いだ。
彼らはものが言えない暗黒社会になると言って大騒ぎしたが、法案施行から二年半、そのようなことには全くなっていない。

次に、安倍首相は集団的自衛権行使容認へと歩を進める。集団的自衛権行使は、1969年の佐藤栄作時代の国会答弁で否定され、その後、歴代政権が踏襲して今日に至っているため、安倍首相の下準備は周到を極めた。
与党自民党と公明党さえも、抵抗勢力なのである。
日本の命綱である日米安保条約は、アメリカによる片務的な日本防衛の義務づけであり、これを双務化する流れをつくることにより、日米間の不公平感や不信感を取り除き、日米の軍事が一層緊密になり、日本の安全保障を確かなものにするのが狙いである。
国際情勢は大きく変わっており、集団的自衛権の一部を認めなければ、日本の平和と安全を維持するのが困難な事態が生じ得る。だから、自衛を全うできる範囲を拡大するという論理である。
安倍政権は法案の整備に入り、2015年4月、法案全容が明確になった段階で、「日米防衛協力の指針」(ガイドライン)が18年ぶりに改定された。
それにより、初めて尖閣防衛が日米安保の適用対象であることが明記された。
この一連の動きは、対中脅威への予防措置としてぎりぎり間に合った大きな一歩だったのである。
国会審議で、当時(2015年5月)の民主党の党首・岡田克也は、「日本が戦後70年、平和を保てたのは日米同盟ともう一つは、憲法九条があって、日本の武力行使、海外での武力行使を封じてきたからだ」と述べた。
小川氏は、憲法九条の制約を利用した路線が戦後日本の平和に関して功を奏したのは否めないと、岡田氏の主張を否定しない。
ベトナム戦争、キューバ危機、度重なる中東戦争、近年では湾岸戦争、イラク戦争に至るまで、日本は一度も海外派兵をしていない。
前二者は冷戦に起因するものだし、中東危機は日本にとって死活的な原油算出地域での紛争で、日本はいずれも部外者とは言えない。
にもかかわらず、戦争、戦闘の部外者として通せたのは、憲法九条の制約だったのは間違いない。
岡田氏の言うことは正しい。安倍首相はそれを明確に否定はしないが、その論理には乗らない。
そのようにアメリカ人の血に依存しておきながら、憲法の盾による平和は、どんなに居心地がよくとも、不道徳だからである。
そして、集団的自衛権の解禁を進めたのは、この道徳的破産が、日米安保条約の実効性を損なう日が着々と近づいていることを感じてきたからである。
マスコミは反安保一色になり、安倍首相は長期間批判に晒されたが、内閣支持率が急落することも恐れず、国会を延長して審議を徹底し、平和安全法制を成立させた。
世界の大勢は日本の集団的自衛権限定解禁を支持した。多くの国が支持や歓迎を表明し、国際社会に完全に承認されたと言ってよい。
世界の大多数の国とメディアが支持した法案に強く反対したのが、日本の左派メディアと中国の管制メディアだった。

小川氏は、安倍政権の人口政策、労働政策や、北方領土交渉について批判しているが、安倍首相がいかにぎりぎりのところで日本の国益を守ってきたか、よく分かった。安倍首相がいなかったらと思うと、ぞっとすることばかりだった。


 
 かなり細かく、安倍政治について、成果と課題とを、丁寧に検証している。
筆者いわく、
『本書は、現時点で明らかになっている「安倍政治」の結果を、可能なかぎり客観的に叙述したうえで、論評したものである。』
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実は、下記の2冊を同時並行で読みました。
・安倍政権の功罪(小川榮太郎)
・「反安倍」という病(八幡和郎)
小川氏は”保守派”と一般に考えられていると思います。
対する八幡氏は、自身が著書にも次のように書いています。『もともと私はいわゆる保守派ではありません。むしろ、アメリカ的にいうとリベラル、ヨーロッパ的にいうと中道左派です。』

しかし、両著の中身は、多くの点で共通しており、大まかに言えば”偽リベラルは最悪だ”とのようです。
保守にも、左派にも、相手にされない、朝日新聞・マスメディア・評論家、そして、野党、もうどこにも逃げ道はないように思います。
両方、10ページくらいづつ交互に読んで、同時読み終わりました。1ページの文字数は、もちろん違いますが、両方とも偶然、全287ページでした。
とても楽しかった。
 
 
 我が町の駅前広場でも、よく共産党などが「安倍政治を許さない」という、中身のないスローガンを掲げ、大声で騒ぎ立てている。それらの批判は空っほな攻撃であり、無意味な反対のための反対である。
同じく朝日やNHK等が煽りたてる「安倍嫌い」の報道も、根拠のない印象操作で国民を騙そうとしている。
安倍政権が、困難で微妙な駆け引きが求められる国際外交の場に臨んで5年8カ月、各国が一目を置き世界外交の中心にいる安倍総理を、朝日などが「蚊帳の外」などと、決めつけるのも笑止千万!

「徹底検証・森友加計事件」の著者、小川榮太郎氏が「安倍嫌い」を捏造しているメディア、「リベラル」を気取る無能な特定野党、姑息な極左議員たちの正体を実名記載で暴きつつ、あのどん底外交、底なし経済の民主党政権時代と比べ、現状の日本がどれだけ経済面、安全保障面で回復し安定しているかを、厳正に株価、円安などの具体例を列挙して検証。
事実を積み重ねてゆく小川氏の検証力を、まざまざと見せつける!その回復の根底にあるのは、安倍総理自らの言葉で国民へ働き掛けた、誇りを取り戻す意識改革が大きい。

印象的な第3章、P,104スパイ防止法案がない日本において、安倍政権の今後の大きな課題は日本版CIAの創設にこぎつけること!とある。
そして第7章・いわば中国の脅威への対抗策としての「セキュリティダイヤモンド構想」では、中国、オーストラリア、インド、マレーシアなど各国の綱引きについての情報と今後の予想が、非常に勉強になり面白い!この一冊を読めばTV等が報じない安倍政権ならではの功績と、改憲の必要性そして今後も安倍政権でなくてはならぬ理由がよくわかります!
なお、消費税についてなど事柄によっては著者は安倍政権と異なる見解を示しており、最後に「総合的な見地からの私見はあえて書かず、読者の判断に委ねようと思います。」と記している。

余談・倒産件数失業数が減って、若い世代の就職率が上昇していることを、私は身近な例から知って、アベノミクスの効果を実感したことがある。商業高校の教師を務める友人の話だが、民主党政権時代には、大卒の学生の中には大卒の枠では就職できず、やむなく「高卒」の応募に流れ込んでくる者が多かった。商業高校の卒業生はそれらの大学生に正社員の職を奪われる事が続いていたという。
安倍政権になり、景気の回復と共に大卒者が大卒として就職できることになり、高卒者が大卒者に職を奪われず、就職できるようになったというのである。若い世代の安倍支持が高い事の理由の一つだろう
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 

 
 
 
 

徹底検証 安倍政権の功罪 単行本(ソフトカバー) – 2018/9/5

 

ベター・ウォッチ・アウト クリスマスの侵略者

2022年11月21日 04時47分34秒 | 社会・文化・政治・経済

ベター・ウォッチ・アウト クリスマスの侵略者

11月21日午前3時からCSテレビのムービープラスで観た。

解説

クリスマスに留守番をまかされた12歳の少年とベビーシッターが巻き込まれた恐怖の一夜を描いたホラー。

クリスマスも近くなったある日、ベビーシッターのアルバイトとしてアシュリーがルークの家を訪れる。もうすぐ13歳になるルークは、年上の女性であるアシュリーの興味を引こうとするが、アシュリーは彼氏との別れ話で頭がいっぱいで、子どものルークに興味が持てずにいた。

そんな中、アシュリーに一本の不審な電話が入り、家の外には不審者の影、さらに何者かによって石が投げ込まれる事態に。

アシュリーは年下のルークを守ろうとするが……。

アシュリー役を「ヴィジット」のオリビア・デヨング、ルーク役を「PAN ネバーランド、夢のはじまり」でピーターを演じたリーバイ・ミラーがそれぞれ演じるほか、バージニア・マドセン、「ワイルドライフ」のエド・オクセンボールド、「ストレンジャー・シングス 未知の世界」のデイカー・モンゴメリーらが顔をそろえる。

2016年製作/88分/R15+/アメリカ・オーストラリア合作

スタッフ・キャスト

  • オリビア・デヨング

    アシュリーオリビア・デヨング

  • リーバイ・ミラー

    ルークリーバイ・ミラー

  • エド・オクセンボールド

    エド・オクセンボールド

  • アレックス・ミキッチ

     

  • アレックス・ミキッチ5歳年上の美少女に恋をし、何とか振り向かせたいと躍起になる微笑ましい少年。

そんな趣でスタートするが、この少年が実はとんでもないサイコパスだった。
少年のイカれっぷりがどんどんエスカレートする展開は背筋が凍り付く。
最後まで目が離せなかった。

 

とにかくやばい、ストーリー前半と後半とでは全く違う作品のよう、
まさかこんな作品だとは全く想像してなかった。R15だったわけだ。

少年が甲高い声で叫びまくるのがちょっと気になるけど、ラストシーンからの続きが少し気になる。

あっ主演の俳優さんはピーターパン役を演じていた人だ。

 

12歳の少年ルークの家を、子守のアルバイトの為に訪れた5歳年上の少女アシュリー。ルークは年上のアシュリーが好きだが、アシュリーは子どものルークには興味を持ってない。両親が出かけ、二人になった家で、不審な電話が掛かったり、外に不審者の影、石が投げ込まれるなど、おかしな事が起こる。この後の展開で殺人が・・・という話。
アシュリーを好きなルークの異常な行動が見所。
驚いたなぁ、怖かったよー、という感想。

 

この発想はすごい。
あらすじと日本版予告映像を見てからだったけれど、完全に裏切られた。
海外版の予告は一部ネタバレがあるらしいけれど、日本版は騙す気満々で上手いこと作られてる!

タイトルが『Better Watch Out』でしょ?
こんなのね、気を付けようがないよ!!笑
88分とホラー映画としてもベストな尺で見やすかった。

 

もうすぐ13歳の少年ルーク。ベビーシッターで5歳年上のアシュリーに憧れを抱き、彼女の気を引こうとアレコレ背伸びしている所に、怪しい影が忍び寄り…といった物語。

よ~くわかります。10代の頃って、とにかく年上のお姉さんに憧れる時期ですよね。
頑張っているおませルーク君、可愛いなぁ。当然アシュリーにそんな気持ちは無いのだが…いや、でもアンタその言い方、なかなかワルよ(笑)!!からかっただけなんだろうけど。

…そんな事を思いながら面白く観ていたら、なんだか雲行きが怪しくなり、本当にホラー版ホームアローンみたいな展開に!!
いったいこの悪党は誰なんだ!?

 

ミスリードがめちゃうまいね。
最初はマセガキが年上のお姉さんに手を出そうとしてるところに、侵入者が入って来て「この二人、どうなるの? お姉さんはマセガキを守れるの?」と思わせといて、実はマセガキは超狡猾なイッちゃってる奴で「お姉さん、マセガキから逃げられるのか?」になるんだよね。

そこからは「逃げられた!」と思ったら……っていう展開で。
それでも、まあ、そんな無茶はしないだろうと思って観てると、一人死に、二人死に、「どうすんだ、これ?」と思ってると、超狡猾に罪を他人に被せる計画ができてるっていう。

最後の方も「え、この計画、ここで破綻するの?」と観せといて、でもちゃんとうまくいって「うわあ、後味悪いバッドエンドか。でも作品のテイストに合ってる」と思わせてからのラスト。そして続編含みにして終わり。

お姉さんが戦う姿勢を崩さないのもいいね。マセガキと親友がチームだから、そのチームに亀裂を入れようと、色々試してみたり。

展開の面白さだけで観てられるね。この展開を、この設定でやろうっていうアイデアが凄い。面白いよ。

 

クリスマスに両親がディナー行く間留守番することになったルークとルークの世話をすることになったシッターのアシュリー。
12歳のルークが17歳のアシュリーに恋してるのも、クリスマスにホラー映画観ようとするのもこの手の映画っぽくていい。観終わった印象はホラーというよりサスペンスに近い。

ホラーがあまり得意でない自分にはこちらのほうが断然よかった。
序盤の脅かすシーンがしょぼいと思っていたら、実際はすべてルークが仕組んだことというオチだったんだね。納得。でも、さらに雰囲気が一気に変わるのがペンキ缶のシーン。

ホームアローンのオマージュ(というか検証?)だが、そこらへんからサイコサスペンスに振り切った感じが個人的には好き。テープはいろんな使いみちがあるという伏線は気づかなかった。
蛇足だが、ルークがアシュリーの胸を触るシーンが変(触るシーンを見せない)だなと思っていたが、児童ポルノ的な配慮なんだね(少年が女性の胸を触るシーンを見せない)。色々と配慮が大変だな。

 

ポスターのなんだか狙った感じに誘われ、それならいっそ気持ちよく騙されてやるか、ということで観に行ったら、想像以上にちゃんとした掘り出し物で感心しました。

クリスマス・ホラーといえば、『悪魔のサンタクロース』やら『聖し血の夜』やら『サンタが殺しにやってくる』やら『ビースト 獣の日』など、まあいろいろあるわけですが、
『ホーム・アローン』のパロディとして、本作ではとびきりひねりのきいたアイディアがうまく決まっていて、最初から最後まで画面から気をそらさせません。
ブライアン・シンガーやアメナーバル以降常態化し、ホラーにおいても『スクリーム』や『ソウ』で確立され『ゲット・アウト』に継承された、質の良い脚本主導で意想外の展開を仕掛けてくるローバジェットムービーとしても、じゅうぶん及第点の出来だと思います。

 

ある程度、きちんと伏線は張られているので、逆に展開が読