闇バイト対策を強化せよ

2024年11月27日 10時52分39秒 | 事件・事故

高市氏、闇バイト対策で通信傍受強化検討を

配信

自民党の高市早苗前経済安全保障担当相は25日、長野県松本市で講演し、相次ぐ闇バイト強盗事件の対策として、通信傍受の強化や、警察官が身分を偽る捜査の導入を検討すべきだとの考えを示した。
 

「キンパン」
あるメガバンクでは、不審な資金の動きを見抜き、犯罪を未然に防ごうと取り組む専門部隊をこう呼んでいる。

闇バイト、詐欺、国際テロ…犯罪グループの手口は巧妙化し、資金の動きは複雑になっている。後を絶たない犯罪に金融のプロはどう立ち向かおうとしているのか、キンパンに潜入した。

(経済部 榎嶋愛理)

キンパンのオフィスに足を踏み入れると

 
キンパンのオフィスに足を踏み入れると
東京・千代田区大手町に本社を構えるみずほフィナンシャルグループ。地上38階建ての大手町タワーのとあるフロアにその組織のオフィスはある。

一組織でありながら、ほかの部署の社員の立ち入りは厳しく制限され、簡単に足を踏み入れることはできない。それだけ日ごろから秘匿性の高い業務を扱っている。
正式名称=「金融犯罪対策部」。略してキンパン。

マネーロンダリング(資金洗浄)やキャッシュカード、インターネットバンキングなどを悪用した不正を未然に防ごうと取り組む組織で、銀行口座を介した資金の流れや口座開設の経緯から不正のにおいを嗅ぎ分けるプロ集団だ。

キンパンは去年、コンプラ関連の部署から名称を変更。今回、特別な許可を得てオフィスに入ることができた。エレベーターを降りて長い廊下の先、何重ものセキュリティーをくぐり抜けて…を想像していたが意外にもキンパンのオフィスは銀行のほかの部署と変わらない。違うのは1人が3台ほどのパソコンを駆使して黙々と業務にあたっていることくらいだ。

怪しい取り引きを見抜け!

みずほのキンパンは総勢およそ300人。複数のグループに分かれ業務にあたっている。

中でも重要なのが「モニタリング」だ。

みずほの口座を通じた金銭のやりとりは1日あたり数百万件と膨大な数にのぼる。気が遠くなるような数の取り引きの中に犯罪に関連した取り引きが紛れ込んでいないか、モニタリングの業務にあたる30人の精鋭たちが“刑事”のように目を光らせてチェックしている。
作業にあたるキンパンの職員
とはいえ、精鋭たちの目だけで数百万件の取り引きをモニタリングしているわけではない。頼りにしているのは過去の事例をもとに犯罪特有のさまざまなパターンをプログラムに組み込んだ最新鋭のシステムだ。プログラムは定期的にアップデートや修正を行い、パターンに酷似した取り引きがあるとアラート(警告)を出す仕組みになっている。

取材していると犯罪への関連が疑わしいある取り引きにシステムが反応した。

開設されて以降、ほとんど金銭の出入りがなかったある銀行口座に数日前から突然入金が始まった。はじめは少額だったが、そのあと一気にまとまった規模の入金があり、あっという間に別の口座に移されたという。

休眠状態だった口座に大金が振り込まれたこのケース。
何者かによって不正売買された銀行口座を使い、犯罪集団が資金を動かした可能性がある…システムは犯罪特有の金銭の動きを見逃さなかった。

こういう場合、キンパンのモニタリング部隊は口座を開設した人の属性をチェック、関連する支店などを通じて本人に直接確認することもある。

しかし銀行口座の場合、新規開設時に登録した名前や住所は転居などの事情を除いて確認される機会はほとんどない。そうした口座が不正に売買されて犯罪集団の手に渡ったとすれば、金銭の追跡は極めて困難だ。この先は警察と二人三脚となる。キンパンは警察に情報を提供し、必要に応じて口座を利用停止にしたり、解約したりして不正に得た金銭が広がらないよう手立てを講じる。

モニタリングはシステムだけではない。キンパンには経験を頼りに不審な金銭の移動を的確に見抜く職人のようなプロもいる。システムと人の目で「不正の可能性アリ」と検知する件数は、ひと月で実に3000件から6000件にのぼるという。

最近はAIを活用して不正の可能性が高いかどうかを仕分けるなどモニタリングの効率化、スピードアップを進めている。
みずほフィナンシャルグループ松原真CCO
「テクノロジーも使いながら犯罪の疑いがある取り引きを抽出している。アラートのあった取り引きを確認して問題がなければいいが、疑わしいとなればそのつど確認させてもらう。犯罪に銀行口座が使われる時には必ず『特徴』がある。ただ犯罪の手口はどんどん進化しているので、われわれの仕事は戦いに近い感じだ」

増加の一途をたどる金融犯罪

金融機関の口座が不正に利用される件数は増加傾向をたどっている。

全国銀行協会によると、全国の金融機関が口座を利用停止にしたり、強制的に解約したりした件数は2023年度で11万件あまりにのぼり10万件を超えた。前の年度と比べると3万5000件あまり増加したが、5年前の2018年度と比較すると実に3倍近くに急増している。

キンパンのような組織があるのになぜ増加?と思うが、これまでの日本の金融機関の取り組みは諸外国と比べて大幅に遅れていると指摘されていた。マネーロンダリング対策で国際基準を策定する多国間の組織=FATF(ファトフ)は、3年前にこの分野の日本の対策は不十分だとする厳しい評価を公表した。これを受けて金融庁は法令やガイドラインを整備。ことし3月までに全国の金融機関に対して体制の構築を強く求めていた。

こうした国際組織の“指導”もあって金融機関での取り組みが強化された結果、不正が疑われる口座の検知数は急増した。犯罪集団は広域化し手口は巧妙になっているが、これだけの疑わしい口座が金融機関の取り組み強化であぶり出されたということは、以前から水面下に潜んでいた犯罪関連の口座がいかに多かったかがわかる。

SNSの壁

 
SNSの壁
AIを武器に対策を強化するキンパン。しかし今、壁となって立ちはだかるのがSNSだ。「いらない口座 買い取ります!」「他の口座もバチバチ値段出します!」。SNS上にはこういった内容の投稿が飛び交っている。

犯罪集団の関係者は銀行口座1つにつき数万円で買いたいと募る。とくに「高額買取」とうたう誘い文句に乗って使わなくなった口座を安易に売ってしまう20代、30代が増えていて、中には大学生や技能実習生の外国人がかかわる事案も発生している。口座を売ることは「犯罪収益移転防止法」という法律で禁止され違反すると犯罪になる。

さらに最近は“口座レンタル”も増加しているという。自分の口座を“受け皿口座”として犯罪集団に貸し出し、そこに犯罪に関連した金銭が振り込まれ、その後指定された口座に振り込む。これも口座売買と同様に犯罪となる可能性がある。

金融機関ではこれまで口座間の資金移動を詳しく調べることはあったが、みずほのキンパンでは口座にとどまらず、SNSのパトロールも行って警察と情報のすり合わせをする。しかし最近では秘匿性の高いメッセージアプリで口座が売買されることもあり、まさに“いたちごっこ”の様相だという。

手軽で便利、身近なコミュニケーションプラットフォームをどう攻略するか。キンパンにとって避けては通れない課題となっている。
松原CCO
「最近とくに増えてきたのは若年層が口座を安易に売ってしまうことだ。簡単に稼げる、お小遣い稼ぎくらいの感覚で手を出している事例もある。そうした犯罪に口座を使われてしまった人は、次に口座を開設しようとしてもすべての金融機関で取り引きができなくなる可能性が高い。深く考えずに加担して口座が使えなくなると将来困ることになる」

タッグを組め 金融機関

今後は金融機関どうしの連携も欠かせない。

A銀行の口座がふだん取り引きしているのは、B銀行の口座とC銀行の口座…。

日銀によると国内では個人の預金口座だけで8億3000万にのぼるが、それらはどのようにつながっているのか。口座どうしをさながら“ネットワーク”に見立てて精緻に分析することができれば、これまで検知できなかった関係性や唐突に始まった特異な取り引きをあぶり出し、犯罪に関連した資金の動きをより追跡しやすくすることができる。

しかし金融機関が自分のネットワークを分析しただけでは巧妙化する犯罪は追い切れない。今、みずほのキンパンも含めて大手金融機関の間では担当者が定期的に集まり、最近の手口の特徴や注意点などの情報交換を行っているという。今後はこうした連携を地域の金融機関にまで広げられるかどうかが問われる。

ただ、地域金融機関はこうした金融犯罪対策に精通した専門人材の確保、さらには決して利益を生み出すわけではないシステムの構築に巨額の資金を投じる余裕が十分かというとそうではない。対策のレベルを全国均一に引き上げなければ広域化、グローバル化する犯罪組織には太刀打ちできない。

闇バイトによる悪質な強盗事件が連日報道されている。そんなニュースを目にするたびに、私たち自身が金融リテラシーを高めるとともに、今回取材したキンパンのような組織、ツールを標準化し、一刻も早く全国の金融機関に実装していくことが必要だと感じる。

時間的余裕はない。

(午後LIVE ニュースーンで放送予定)
経済部 記者
榎嶋愛理
2017年入局
広島局を経て経済部
金融分野を担当

人道状況が悪化しているガザ地区

2024年11月27日 10時45分24秒 | 社会・文化・政治・経済

ガザ地区 人口の約9割が避難 国連“冬近い 人道状況の改善を”

イスラエル軍とイスラム組織ハマスの戦闘が続くパレスチナのガザ地区で本格的な冬が近づく中、避難を強いられている人は人口の9割ほどにのぼり、人道状況の改善が急がれています。

パレスチナのガザ地区ではイスラエル軍とイスラム組織ハマスとの間の戦闘が続き、地元メディアによりますと24日も中部ヌセイラトではイスラエル軍の攻撃で2人が死亡しました。

本格的な冬が近づき雨や強い風の日が増える中、ガザ地区では人口のおよそ9割にあたる少なくとも190万人が避難を余儀なくされているということで、国連は雨や寒さから身を守るための避難所や物資が必要だとして、人道状況の改善が急がれると訴えています。

NHKガザ事務所のカメラマンが南部ハンユニスで24日に撮影した映像には、雨や風をしのぐために張られたシートや布が大きくはためき強い風が吹いている様子や、はだしで歩く子どもの姿が写っています。

一方、隣国レバノンではイスラエル軍とシーア派組織ヒズボラとの攻撃の応酬が続いています。

イスラエル軍はヒズボラが24日、およそ250発のロケット弾をイスラエルに向けて発射したとして、レバノン中部や南部にあるヒズボラの拠点、数十か所を空爆したと発表しました。

停戦に向けた働きかけが続く中、情勢の悪化が懸念されています。

 

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アフガニスタンは世界最悪の人道危機になりつつあると報告書が警告

国連の調査によると、冬の間に2280万人が深刻な飢餓に直面、そのうち870万人が緊急事態の飢餓に陥ると推定されており、国連WFPは支援を求めています。
, WFP Staff
Afghanistan food assistance
ヘラート近郊の配布場所で国連WFPの食料配給を受け、家路につく家族。Photo: WFP/Marco Di Lauro

25日発表された統計によると、アフガニスタンでは、エチオピア、南スーダン、シリア、イエメンを上回るニーズがあり、世界最大の人道危機になりつつあります。

 

厳しい冬が近づく中、食料不安を評価するための世界標準である最新の総合的食料安全保障レベル分類(IPC)によると、2,280万人が深刻な急性食料不安に陥る恐れがあり、そのうち870万人が緊急事態の飢餓に直面するとみられています。これは、国連がアフガニスタンでIPC分析を実施してきた10年間で最大となります。 

 

WFP国連世界食糧計画(国連WFP)は、プレスリリースで次のように述べています。

「アフガニスタンを集団的失敗に終わらせるわけにはいきません。国際社会は、この危機が大惨事になるのを防がなければなりません。」

Mother child
ヘラート近郊の避難民キャンプで、国連WFPとUNICEFが運営する栄養クリニックに来た母と子。Photo: WFP/Marco Di Lauro

さらに、「状況はすでに絶望的だったが、今、継続する干ばつ、増大する避難民、公共サービスの崩壊、深刻化する経済危機が国全体を窮地に追い込んでいます」と述べています。

 

8月に国際部隊が撤退し、アフガン政府が崩壊し、タリバンが政権を掌握して以来、国の経済は急降下しています。雇用の喪失、現金の不足、物価の高騰により、人道危機はより深刻な段階に達し、新たな飢餓層を生み出していると報告書は述べています。

 

過去3年間に2度も干ばつに見舞われた農村地域と同様の割合で、都市住民が初めて食料不安に苦しんでいます。国連WFPの最近の調査によると、都市、町、村の全域で、十分な食料を手に入れることができる家庭は事実上いませんでした。

Herat Food distribution
アフガニスタンは2年連続となるラニーニャ現象の影響を受けている。Photo: WFP/Marco Di Lauro

国連WFPが集めた証言の中には、バーミヤン州のイシャクという男性の話も含まれています。

 

「以前は少ないながらもなんとか食べていくことはできました。しかし、今は仕事が全くなく、食料の一部を手に入れることもできません。この困難な状況が解決するまで、なんとか生活を続けるために、パンやお茶、じゃがいものスープなど、非常に質素な食事でしのいでいます。」と、彼は述べています。

 

しかし今のところ、現状が改善する兆しはほとんどありません。

 

この報告書に携わった国連WFPの食料安全保障専門家、ジェーン・マーティン・バウアーは、「子どもと高齢者が特に危険にさらされている」と述べています。100万人の子どもたちが重度の急性栄養不良のリスクにさらされており、さらに200万人が中等度の急性栄養不良のリスクにさらされています。さらに、70万人の(妊娠中または授乳中の)女性も支援を必要としています。

 

「一部のグループでは、死亡率が上昇するリスクがあります。私たちは行動を共にし、アフガニスタンの何百万人もの人びとの支援を開始する必要があります。そうしなければ、その代償を払うことになるでしょう」とバウアーは続けました。

 

しかし、現地の素晴らしいチームの働きにより、国連WFPは前進しています。

 

「先月、国連WFPアフガニスタン事務所は400万人に食料を供給することができ、500万人への供給も予定されています。これは、今年の大半が月100万人程度だったことを考えると、素晴らしいことです」とバウアーは言います。

 

しかし、現在の資金は大海の一滴に過ぎません。ニーズの増加に対応するためには、国連WFPは毎月2億2千万米ドルを必要とします。

Food
小麦粉、エンドウ豆、油、塩などが配給されていますが、冬を越すためにはもっと多くの量が必要です。Photo: WFP/Marco Di Lauro

壊滅的な干ばつは、国際的な制裁を受けている政治的移行と、金融・銀行の破綻という、さらなる課題をもたらしています。 10月31日(金)にグラスゴーで開催されるCOP26(第26回気候変動枠組条約締約国会議)に向けて、バウアーはここ数年で最悪の干ばつを引き起こしている2シーズン連続のラニーニャ現象の影響を強調します。

 

「昨年は冬作物に影響を与えた1つ目のラニーニャ現象がありましたが、冬作物の植え付けが行われている今、もう1つのラニーニャ現象が発生しています」。

 

この問題は、事実上の権力者の政治的懸念を指摘するよりも「はるかに複雑」だとバウアーは言い、彼が目にした数字は「恐ろしい」ものだと付け加えました。

 

「以前は食料を確保できていた人びと、都市部に住む人びと、アフガニスタンの中産階級の一部であった人びとは、給料が支払われなくなり、貯金も使用できなくなったため、食料不安に直面しています。お金がなく、食料支援も受けられないとなると、長くて暗い冬になるでしょう」

 

現金の流動性が低下しているため、現在、銀行から週に引き出せる額は200米ドルに制限されています。しかし、「より遠隔地では銀行に現金がなく、(その限度額でさえ)引き出せません」と国連WFPアフガニスタン事務所のシャオウェイ・リー副代表は言います。

Two women receive WFP food assistance in Aghanistan
ヘラートの郊外にある国連WFPの配給拠点。1900万人近くが「高度な食料不安」に陥っています。Photo: WFP/Marco Di Lauro

リーは、長期的な展開についても心配しています。「今、世界の目はアフガニスタンに注がれています。ドナーを含め、多くの関心が寄せられています。私が心配しているのは、半年から1年後には忘れ去られること、アフガニスタンのニーズがなくなるどころか、減ることもないということです」。

 

国連WFPで働くアフガニスタン人の中には、子どもの将来を心配する親もいると彼女は付け加えます。

 

「良い教育を受けた娘のいるスタッフもいます」とリーは言う。「彼女たちは娘に教育を受けさせたいと思っていますが、今は将来がどうなるかわかりません」。

Mothers and children at a nutrition clinic run by WFP and UNICEF near an IDP camp on the outskirt of Herat.
ヘラート郊外の国内避難民キャンプの近くで、国連WFPとUNICEFが運営する栄養クリニックを訪れた母親と子どもたち。Photo: WFP/Marco Di Lauro

バウアー氏は、「アフガニスタンの大多数の人びとが人道支援を必要としています。国全体が支援を必要としており、緊急を要しています」と述べています。

 

「アフガニスタンの子どもたちが、政治的な理由で死んでいくのを誰も見たくありません。これは規模、深刻さにおいて、世界で最悪の食料危機のひとつです。原因はさまざまですが、基本的には2つの側面があります。政治的な側面と、農業気象学(気候変動)の側面です。」

 

「何の支援もなければ、人びとが立ち直るには何年もかかるでしょう。今対応しなければ、より大きな問題の種を蒔くことになるかもしれません」とバウアー氏は締めくくりました。

 

国連WFPのアフガニスタンでの活動気候変動対策についてはこちらから


国連安保理が機能不全に

2024年11月27日 10時42分23秒 | 社会・文化・政治・経済

国連安保理“平和への責任果たす”声明採択 機能不全批判受け

常任理事国によるたび重なる拒否権の行使で、機能不全に陥っていると批判が高まっている国連の安全保障理事会で、各国の首脳による公開討論が行われ、国際社会の平和のために責任を果たすことを再確認する議長声明が採択されました。

国連の安保理をめぐっては、常任理事国のロシアやアメリカ、中国がたびたび拒否権を行使し、ウクライナや中東などの情勢で戦闘を止めるための有効な対策を打ち出せず機能不全に陥っていると指摘されています。

こうした批判を受けて安保理では25日、各国の首脳らが参加して安保理の在り方を議論する公開討論が行われました。

およそ90か国が参加を表明し、冒頭、今月の議長国のスロベニアが提出した議長声明が採択されました。

声明は
▽国際社会の平和と安全保障の維持に対する安保理の一義的な責任を再確認し
▽最も効果的な方法でその責任を果たすと決意を表明しているほか
▽武力紛争で市民や人道支援の関係者を保護する義務などを強調しています。

このあと、各国の首脳が演説し、常任理事国のうち、イギリスのスターマー首相は「世界は、安保理の平和へのリーダーシップをかつてなく求めており、イギリスはその責任を果たす」と表明しました。

一方でスターマー首相は「この世代で最大の国連憲章違反が常任理事国の1か国によって行われた。ロシアによるウクライナ侵攻は違法だ。ロシアがどうしてこの建物に顔を出せるのか不思議だ」と激しく批判しました。

これに対してロシアのポリャンスキー国連次席大使は「わが国を悪者にしようとして脅迫する人々は、巨大な軍事力と経済力を持つロシアのような国に勝利することは不可能だと認識すべきだ」と反発し、常任理事国どうしの対立が改めて浮き彫りになりました。


SNSは対立構造を生む

2024年11月27日 10時20分00秒 | 社会・文化・政治・経済
真偽不明の情報が飛び交う中、「何を信じていいのか分からない」という声も聞く。
真偽不明の中身ではなく、拡散される情報は持つ影響力の大きさ自体が人々の判断を左右するようになれば、社会の分断を生むことになる。
 
「今日的なSNS的影響力のシステムはこうした公共的役割を担うように設計されていない」山腰修三慶応大学教授は指摘している。
 
そこで情報を読み解く能力が求められている。
 
SNSは、ユーザーがアカウントを作成して他のユーザーとつながることで、対立構造を生む可能性があります
 
SNSでは、ユーザーが投稿や活動を行った内容をタイムラインで確認したり、リアクション(いいねやコメントなど)を通じて他のユーザーと交流したりすることができます。また、投稿が拡散される可能性もあります。
 
SNSを利用する目的としては、次のようなものがあります。情報収集、友人や知人との交流、記録、暇つぶし、 ショッピング前の情報収集。
 
SNSに投稿する主な理由は承認欲求で、他者から認められたい、評価されたいという心理が原動力となっています。

日中首脳の相互交流へ

2024年11月27日 10時15分00秒 | 社会・文化・政治・経済
外務省 令和6年11月15日
握手して写真撮影に応じる石破総理大臣と習近平中国国家主席日中首脳会談(写真提供:内閣広報室)
会談する石破総理大臣と習近平中国国家主席日中首脳会談(写真提供:内閣広報室)

 現地時間11月15日17時5分(日本時間16日7時5分)から、APEC首脳会議に出席するためペルーを訪問中の石破茂内閣総理大臣は、習近平中国国家主席と約35分間(同時通訳)、首脳会談を行ったところ、概要は以下のとおりです。

  1. 両首脳は、日中両国は、引き続き、「戦略的互恵関係」を包括的に推進し、「建設的かつ安定的な関係」を構築するという大きな方向性を共有していることを確認しました。また、両首脳は、日中間の4つの基本文書の諸原則と共通認識を堅持し、率直な対話を重ねられる関係を築いていくことを確認しました。
     さらに、両首脳は、この大きな方向性の下で、首脳レベルを含むあらゆるレベルで幅広い分野において意思疎通をより一層強化し、課題と懸案を減らし、協力と連携を増やしていくために互いに努力することを確認しました。石破総理大臣から、日中関係が発展して良かったと両国民が実感できるような具体的成果を双方の努力で積み上げていきたい旨強調しました。
     両首脳は、協力拡大と懸案解決に向け、外相の相互訪問及びそれに伴う日中ハイレベル人的・文化交流対話、日中ハイレベル経済対話を適切な時期に実現すべく、調整を進めていくことを確認しました。
  2. 両首脳は、ALPS処理水の海洋放出と日本産水産物の輸入規制に関する発表を両国できちんと実施していくことを確認し、石破総理大臣から、中国による日本産水産物の輸入回復を早期に実現するよう求めました。
     石破総理大臣から、日本産牛肉の輸出再開、精米の輸出拡大に係る当局間協議の早期再開を求め、両首脳は、意思疎通を継続していくことを確認しました。また、両首脳は、環境・省エネを含むグリーン経済や医療・介護・ヘルスケア等の分野において、具体的な協力の進展を図っていくこと、及びグローバル課題で協働していくことで一致しました。
  3. 石破総理大臣から、尖閣諸島を巡る情勢を含む東シナ海情勢や中国軍の活動の活発化につき、深刻な懸念を伝え、中国側の対応を求めました。
     また、石破総理大臣から、蘇州や深圳での日本人学校の児童等の殺傷事件に関し、在留邦人への安全対策強化を要請しました。これに対し、習主席から、中国は法治国家であり、法に基づき事件を処理する、また、日本人を含む在中国の外国人の安全を確保する旨発言がありました。
     石破総理大臣から、台湾について、最近の軍事情勢を含む動向を注視している旨伝えつつ、台湾海峡の平和と安定が、我が国を含む国際社会にとって極めて重要である旨強調するとともに、南シナ海、香港、新疆ウイグル自治区等の状況に対する深刻な懸念を表明しました。また、石破総理大臣から、拘束されている邦人の早期釈放を求めました。
  4. 両首脳は、拉致問題を含む北朝鮮情勢についても意見交換を行いました。


政治改革 与野党協議の初会合 政策活動費廃止などで7党が主張

2024年11月27日 10時06分56秒 | 社会・文化・政治・経済

政治改革をめぐる与野党7党による協議の初会合が行われました。
政策活動費の廃止や企業・団体献金の禁止などの取り扱いをめぐって各党が主張を展開しました。

協議は自民党が呼びかけたもので、与野党7党の政治改革の責任者が出席し、公開の形で行われました。

各党の責任者の発言です。

自民党 渡海前政調会長
「政策活動費については明快に廃止を決定した。抜け穴を残したと言う人がいるが誤解がある。支出の内訳で、プライバシーへの配慮や党外交も必要だと思っており、場合によっては公表の仕方に工夫が必要だ。また、政治資金や選挙に関する犯罪で起訴された場合、その党に対する政党交付金の一部停止や返還する制度を設ける」

立憲民主党 大串代表代行
「『熟議と公開』を原則にした場を持ってほしいと言ってきたがこうやって国民に見える場で意見交換することは非常に有意義なことだ。特に企業・団体献金の禁止と政策活動費のきちんとした廃止、そして旧文通費の改革などは非常に大きな論点だと思っている。ぜひ協力しながら成案を得ていけるよう頑っていきたい」

日本維新の会 藤田幹事長
「政策活動費と企業・団体献金はテーブルに上げて公開で議論していくべきだ。政策活動費は抜け道をなくして、シンプルに廃止に行き着けるようにしたい。企業・団体献金は党として自主的に受け取らないことをこの十数年やってきたので、これもテーブルに上げて熟議したい」

公明党 西田幹事長
「わが党は政策活動費を使ったことがなくどのような機微に触れ、必要なのか、想像がつかないのでシンプルに法律上、廃止するとしている。企業・団体献金によって政治がゆがめられることがあってはならないということが大前提だ。司法の判断もあり、専門家の意見も聞き、われわれ議員もしっかり議論していくことが大事だ」

国民民主党 古川代表代行
「政治資金の透明化、連座制の導入、大きな権限を持った第三者機関を国会のもとに設置という点がポイントだ。企業・団体献金の禁止については、多くの業界団体が政治団体をつくってそこから寄付しているので、政治団体をどうするのかも含めて議論しないと、国民の不信を払拭できない」

共産党 塩川国対委員長
「自民党の『裏金』の全容解明を国会での証人喚問や政治倫理審査会などを通じて行っていくことがまず前提として求められている。その上で、企業が多額のお金で政治を動かして政策をゆがめることが根本問題として問われているわけで企業・団体献金の全面禁止を実現するのが政治改革の根幹だ」

れいわ新選組 高井幹事長
「大前提として『裏金議員』が政治資金規正法の改正を議論すること自体がおかしく、自首か議員辞職すべきだ。政策活動費の廃止や旧文通費の公開に加え、企業・団体献金や政治資金パーティーは禁止すべきだ。金集めをしなくていい選挙と政治を実現してほしい。特に日本は供託金が高すぎる」

政治資金規正法の再改正に向けては、自民党と立憲民主党、日本維新の会、公明党、国民民主党の5党が、年内に結論を出す必要があるという認識を示しました。

さらに、立憲民主党は臨時国会に野党各党と法案を提出するため調整を行うとした上で、国会の特別委員会で議論を始めるよう求めたほか、共産党とれいわ新選組は与野党協議ではなく特別委員会で議論することが基本だと指摘しました。

自民 渡海前政調会長 献金“企業が悪 個人が善との立場取らず”

自民党の政治改革本部の本部長を務める渡海・前政務調査会長は記者団に対し「いい議論ができたのではないか。しっかりと国民に答えを出さなければいけないという意識を共有できた。今後の協議について、野党からも積極的な提案があり、それにのっとって進めていきたい」と述べました。

一方、立憲民主党などが求める企業・団体献金の禁止について「自民党は企業献金が悪で、個人献金が善という立場に立っていない。党内の議論でも企業・団体献金をやめろという人は1人もいない。透明度を上げる議論が一番大事だ」と述べました。

立民 大串代表代行 “法案作り 国会で議論できる態勢を”

立憲民主党の大串代表代行は「政治資金規正法を改正する野党案をできるだけ早く作っていくために、あす午前中に野党間で協議を行い、詰めを急ぎたい。法案の形がきちんと見えていないとなかなかきょう以上の議論にはならず、与党も骨子だけではなく、法律案をきちんと作って国会で議論できる態勢をまず作るべきだ」と述べました。

維新 藤田幹事長 “フルオープンの議論 非常にいい”

日本維新の会の藤田幹事長は「フルオープンの場でかんかんがくがくの議論を見てもらうのは非常にいい。政治改革の大きな議題のいくつかはやるかやらないかのステージに入っているので、今後の協議で重要な項目とそれを成立させる時期のコンセンサスを取ることが一番大事だと思う」と述べました。

公明 西田幹事長 “政治改革の課題 かなり見えてきた”

公明党の西田幹事長は「各党で共通する最大公約数的な政治改革の課題がかなり見えてきたのではないか。細部を優先的に詰めて、臨時国会で必ず成案を得ることに資するような協議をしていきたい」と述べました。

一方、立憲民主党などが求める企業・団体献金の禁止について「専門家の中にも肯定と否定の学説があり、合憲の最高裁判決もある中、深い議論が必要だ。あと1か月の間で結論を出すというのは、難しいのかもしれない」と述べました。

国民 古川代表代行 “この臨時国会で前に進めていく”

国民民主党の古川代表代行は「これだけ政治不信が高まっている中でそれを払拭する責任は与党にも野党にもあり、立場を超えてこの臨時国会で前に進めていく。政治資金規正法の再改正を訴えてきたので実現するために全力を尽くしていきたい」と述べました。

経団連 十倉会長 “企業・団体の政治寄付は社会的役割の一環”

経団連の十倉会長は会見で「間接民主主義は参加と責任のシステムと言われているので、企業も社会の構成員の一員として参加する。自発的な寄付はあっていいし、むしろ企業・団体による政治寄付は社会的役割の一環として重要だと思う」と述べました。

一方で、「大前提として、透明性の確保と必ずルールを守ることが担保されないといけない。政党間でオープンに議論されていると聞くが、ぜひ議論して決めてほしい」と述べ、企業・団体献金にあたっては、透明性の確保が不可欠だと強調しました。