北大病院が独自指針運用
北海道新聞 2015年9月7日(月) 配信
手を尽くしても助かる見込みがない患者の延命治療をどこまで続けるべきなのか。苦痛を引き延ばすことにならないか―。
終末期医療をめぐって、医療従事者が直面する問いだ。北大病院の先進急性期医療センターは、治療の中止や差し控えに関する手続きを明確にした独自指針を2011年から運用し、病院の倫理委員会も含めて判断する仕組みを作ってきた。容体が急変したため、本人の意思が分からないケースも多い救急・集中治療の現場で、患者や家族とどう向き合うのか、模索が続いている。
日本救急医学会など3学会は昨年11月、共同で終末期医療の指針を公表した。主治医が抱え込むのではなく、必ず医療チームで対応することがポイントだとしている。
北大病院ではこれに先駆け、先進急性期医療センターで、独自指針の運用を11年5月に始めた。今年7月までの約4年間に、終末期の10~90代の患者115人の延命治療を中止したり、差し控えたりしてきた。60代以上が6割強を占める。
センター部長の丸藤哲医師は「患者に苦痛を与えるだけの治療は見直し、必要な治療は迷わずできます」と指針の意義を強調する。
北大病院の指針は、医師と看護師それぞれ2人以上を含む医療チームでの判断を求め、医療チームだけで判断が難しい場合は上司や他診療科の医師らを交えて協議する。センター内の会議で情報を共有し、必要に応じて病院の倫理委員会でも審議する。判断の誤りや独善性を取り除く狙いがある。患者の家族には病状などを繰り返し説明し、治療の方針について理解と同意を得るという。
実際に中止や差し控えの対象となった医療行為の内容は、抗菌薬などの薬剤投与や輸血、人工透析、栄養補給など多岐にわたる。無呼吸テストを含めた厳格な方法で患者が脳死と診断されたときは、人工呼吸器の取り外しも選択肢に含まれており、115人の中には呼吸器を取り外した患者も1人いるという。
一方、医療チームなどの判断と倫理委員会の意見が異なり、呼吸器の取り外しを見送ったケースもある。
指針の導入当初のことだった。事故で脳死とみられる状態となった患者について丸藤医師らは家族と相談し、患者が延命治療を望む様子がなかったことを確認した上で、呼吸器の取り外しを検討した。
これに対し、病院倫理委は数カ月の審議の末、昇圧剤などの投与中止を認める一方、呼吸器の取り外しは許可しなかった。患者の目に損傷があるため、光に対する反射の有無を確かめる検査を行えず、厳密な脳死診断ができないことが理由だった。
患者の心臓が停止し、亡くなったのは事故から約半年後。丸藤医師は「早く家に連れて帰りたいという家族の願いをかなえられず残念だったが、倫理委の指摘ももっともだった」と振り返る。
北大病院先進急性期医療センターの指針は終末期医療とは別に、救急患者の家族が治療開始を希望しないときでも、医学的に救命の可能性があれば治療を行うと規定している。
こうしたケースでは医師の倫理的判断を優先する姿勢を明確にした。しかし同時に、家族との信頼関係を築く努力も求めている。
丸藤医師は「無理な延命治療で個人の尊厳を無視してはならないし、一方で助かる命が失われてはならない」と強調している。
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★昨今、多くの若者が求めている人生哲学は、内発的な力の開花を通じた人類社会の改善・向上を実現する思考。
★全ての人間が尊重される世界を目指す。
★自分を含めた全ての生命を慈しみ、各人の個性を尊重していく生き方。
★他者の苦しみをわが苦しみと捉える「同苦の心」を育む。
★「原爆より強力なのは、人間精神の力だくだ」アメリカのノーマン・カズンズ博士
★プロというのは寝ても覚めても仕事のことを考えている。
生活のすべてが仕事。
そこがアマチュアとの絶対差だ。書家・相田みつお
★二流の思想では決して一流にはなれません-野球評論家・野村克也
★リーダーはいかなる時も上機嫌で希望の旗印を掲げていなければならない-冒険家・三浦雄一郎
★かつてない困難からかつてない改革が生まれる。
かつてない改革からはかつてない飛躍が生まれる-・パナソニック創業者・松下幸之助
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北海道新聞 2015年9月7日(月) 配信
手を尽くしても助かる見込みがない患者の延命治療をどこまで続けるべきなのか。苦痛を引き延ばすことにならないか―。
終末期医療をめぐって、医療従事者が直面する問いだ。北大病院の先進急性期医療センターは、治療の中止や差し控えに関する手続きを明確にした独自指針を2011年から運用し、病院の倫理委員会も含めて判断する仕組みを作ってきた。容体が急変したため、本人の意思が分からないケースも多い救急・集中治療の現場で、患者や家族とどう向き合うのか、模索が続いている。
日本救急医学会など3学会は昨年11月、共同で終末期医療の指針を公表した。主治医が抱え込むのではなく、必ず医療チームで対応することがポイントだとしている。
北大病院ではこれに先駆け、先進急性期医療センターで、独自指針の運用を11年5月に始めた。今年7月までの約4年間に、終末期の10~90代の患者115人の延命治療を中止したり、差し控えたりしてきた。60代以上が6割強を占める。
センター部長の丸藤哲医師は「患者に苦痛を与えるだけの治療は見直し、必要な治療は迷わずできます」と指針の意義を強調する。
北大病院の指針は、医師と看護師それぞれ2人以上を含む医療チームでの判断を求め、医療チームだけで判断が難しい場合は上司や他診療科の医師らを交えて協議する。センター内の会議で情報を共有し、必要に応じて病院の倫理委員会でも審議する。判断の誤りや独善性を取り除く狙いがある。患者の家族には病状などを繰り返し説明し、治療の方針について理解と同意を得るという。
実際に中止や差し控えの対象となった医療行為の内容は、抗菌薬などの薬剤投与や輸血、人工透析、栄養補給など多岐にわたる。無呼吸テストを含めた厳格な方法で患者が脳死と診断されたときは、人工呼吸器の取り外しも選択肢に含まれており、115人の中には呼吸器を取り外した患者も1人いるという。
一方、医療チームなどの判断と倫理委員会の意見が異なり、呼吸器の取り外しを見送ったケースもある。
指針の導入当初のことだった。事故で脳死とみられる状態となった患者について丸藤医師らは家族と相談し、患者が延命治療を望む様子がなかったことを確認した上で、呼吸器の取り外しを検討した。
これに対し、病院倫理委は数カ月の審議の末、昇圧剤などの投与中止を認める一方、呼吸器の取り外しは許可しなかった。患者の目に損傷があるため、光に対する反射の有無を確かめる検査を行えず、厳密な脳死診断ができないことが理由だった。
患者の心臓が停止し、亡くなったのは事故から約半年後。丸藤医師は「早く家に連れて帰りたいという家族の願いをかなえられず残念だったが、倫理委の指摘ももっともだった」と振り返る。
北大病院先進急性期医療センターの指針は終末期医療とは別に、救急患者の家族が治療開始を希望しないときでも、医学的に救命の可能性があれば治療を行うと規定している。
こうしたケースでは医師の倫理的判断を優先する姿勢を明確にした。しかし同時に、家族との信頼関係を築く努力も求めている。
丸藤医師は「無理な延命治療で個人の尊厳を無視してはならないし、一方で助かる命が失われてはならない」と強調している。
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★昨今、多くの若者が求めている人生哲学は、内発的な力の開花を通じた人類社会の改善・向上を実現する思考。
★全ての人間が尊重される世界を目指す。
★自分を含めた全ての生命を慈しみ、各人の個性を尊重していく生き方。
★他者の苦しみをわが苦しみと捉える「同苦の心」を育む。
★「原爆より強力なのは、人間精神の力だくだ」アメリカのノーマン・カズンズ博士
★プロというのは寝ても覚めても仕事のことを考えている。
生活のすべてが仕事。
そこがアマチュアとの絶対差だ。書家・相田みつお
★二流の思想では決して一流にはなれません-野球評論家・野村克也
★リーダーはいかなる時も上機嫌で希望の旗印を掲げていなければならない-冒険家・三浦雄一郎
★かつてない困難からかつてない改革が生まれる。
かつてない改革からはかつてない飛躍が生まれる-・パナソニック創業者・松下幸之助
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