家人の友人の海老原さんが、体調が悪くて、演歌ライブへ行けなくなる。チケットは2000円。ムダにできない。交際費もかかるが、代わりに中野まで行った。 有意義な日であった。
中野の東京演歌ライブなかの 秋の男祭り!歌謡パレード 終了後、喫茶店で懇談した。看護師の人もいた。 家人は改めて交際範囲が広いと感心した。看護師の現状など聞けた。上野発、17時53分で帰宅。
家人の友人が、都合が悪くなり、代わりに中野へ向かっている。上野経由、神田回りがよかった。だが、日暮里で降りしまった。家人は神田へ向かっている。中野駅前で合流することになる。
昨日は、月1回の老人会。
約40分、会館まで歩いて行くが、足の甲の先端が痛い。
後で気付いたら、靴紐の金具が当たっていた。
内側の一部がよれていて、金具が足の甲に当っていたのだ。
痛いはずだった。
運動靴は踵の方が二重の構造となって足が入りづらい構造。
一見おしゃれに見えるがシンプルな構造であるべきだ。
何時ものとおり、歌を合唱。
「同じ歌ばかりなのか?」との不満もあって、もう1曲を追加した。
このあと啓発ビデオを観る。
月刊誌の巻頭言を朗読する段階になったが、当方は10月号はもう使用しないと思い込み11月号を持参した。
失態である。
隣に座る寺川さんに雑誌を借りて当方が朗読した。
ついで、新聞の連載小説の感想や思い、近況や活動報告、決意などを各自が述べる。
原点を持つ人は強いと改めて感じた。
司会者は日程を間違えたそうで、終了15分前に到着。
また、責任者の1人も挨拶をする予定であったが、体調不良で先月同様に欠席した。
最後に中国語の音楽に合わせて、健康体操。
これが15分。
太極拳の流れと同じで動きは全てスローである。
筋トレではなく、全身を伸ばす感じだ。
帰りは取手西口徒歩2分のウェルネスプラザ(10月オープン)へ行く。
玄関裏に、取手医師会の検診バスが停車していた。
自転車振興会の寄贈。
友人が写真を展示しているので多目的ホールを覗く。
取手市写真クラブとニッコール写真同好会の合同写真展だった。
今日はこれから、東京・中野のゼロホールへ行く。
約40分、会館まで歩いて行くが、足の甲の先端が痛い。
後で気付いたら、靴紐の金具が当たっていた。
内側の一部がよれていて、金具が足の甲に当っていたのだ。
痛いはずだった。
運動靴は踵の方が二重の構造となって足が入りづらい構造。
一見おしゃれに見えるがシンプルな構造であるべきだ。
何時ものとおり、歌を合唱。
「同じ歌ばかりなのか?」との不満もあって、もう1曲を追加した。
このあと啓発ビデオを観る。
月刊誌の巻頭言を朗読する段階になったが、当方は10月号はもう使用しないと思い込み11月号を持参した。
失態である。
隣に座る寺川さんに雑誌を借りて当方が朗読した。
ついで、新聞の連載小説の感想や思い、近況や活動報告、決意などを各自が述べる。
原点を持つ人は強いと改めて感じた。
司会者は日程を間違えたそうで、終了15分前に到着。
また、責任者の1人も挨拶をする予定であったが、体調不良で先月同様に欠席した。
最後に中国語の音楽に合わせて、健康体操。
これが15分。
太極拳の流れと同じで動きは全てスローである。
筋トレではなく、全身を伸ばす感じだ。
帰りは取手西口徒歩2分のウェルネスプラザ(10月オープン)へ行く。
玄関裏に、取手医師会の検診バスが停車していた。
自転車振興会の寄贈。
友人が写真を展示しているので多目的ホールを覗く。
取手市写真クラブとニッコール写真同好会の合同写真展だった。
今日はこれから、東京・中野のゼロホールへ行く。
「ニコチン依存症管理料」の要件緩和で意見対立
3.com 2015年10月21日 (水) 配信 橋本佳子(m3.com編集長)
厚生労働省は、10月21日の中央社会保険医療協議会総会(会長:田辺国昭・東京大学大学院法学政治学研究科教授)に対し、たばこ対策である「ニコチン依存症管理料」の対象を若年層に広げるために算定要件緩和を提案したが、診療側と支払側で大きく意見が対立した(資料は、厚労省ホームページ)。診療側は厚労省の提案を支持、一方、支払側は要件緩和で、診療報酬での評価を予防的な行為にも広げることにつながりかねないことから反対した。
厚労省は、要件緩和に伴うたばこ対策の年間医療費の抑制効果が、現状の約7.6億円から約132.5億円に拡大するとの試算も提示。しかし、支払側は医療費抑制効果よりも、「ニコチン依存症管理料」の成功率そのものが問題であるとするなど、最後まで議論は平行線をたどった。データを基に、改めて議論することになる見通し。
10月21日の中医協総会は、がん、難病、感染症対策についても議論。
■20歳代、「BI200未満」が82%
「ニコチン依存症管理料」は、1日の喫煙本数に、喫煙年数を乗じて得た「ブリンクマン(BI)」が200以上を算定要件としている。20歳代のニコチン依存症患者82%は、喫煙年数が短いことが影響して、「BI200未満」だ。「BI200以上」という算定要件を緩和するのが、厚労省案。
診療側からは、「現実には、高校生が禁煙外来に来ることもある。20歳未満も対象にすべき」(日本医師会常任理事の鈴木邦彦氏)、「BIという要件自体をなくした方がいい、という意見もある。重症化予防という観点で対策を講じていかなければいけない」(日医常任理事の松本純一氏)など、要件緩和を支持する意見が相次いだ。
これに対し、健康保険組合連合会副会長の白川修二氏は、前回、前々回の診療報酬改定でも、「ニコチン依存症管理料」をめぐる議論があったとし、「この手の話を出すのであれば、その効果をきちんと出し、データを基に議論すべき。若年者の喫煙が増えているから、という話ではない。たばこ対策は基本的には自己責任。保険料を使って、(禁煙対策を)診療報酬で評価するのは、いかがなものか」と述べ、「今のところは、慎重にやるべき、というか、むしろ反対」と述べた。
厚労省によると、2009年度に3417人を対象に実施した調査では、全5回の治療を終えた人は35.5%で、終了9カ月後にも禁煙していたのは49.1%だった。一方、5回の治療を終えることができなかった人は、禁煙が続かないという割合が多かった。
「たばこ対策は自己責任」に反論したのは、日本医師会副会長の中川俊男氏。たばこの害は、本人だけでなく、受動喫煙の害もあるとし、結果としてたばこが原因の疾病により医療費高騰にもつながるため、禁煙対策の重要性を強調。「失敗しても何度でも、禁煙に取り組めばいい。未成年の喫煙に対しても、毅然として禁煙を主張していくべき」(中川氏)。
これに対し、白川氏は、「禁煙対策を進めることに異論はないが、保険を使うかどうかが問題。疾病に対して診療報酬で評価するのが、我が国の保険。自己責任で禁煙する人もいる。特定の人だけドクターの治療を受けないと治らないという。しかも、保険財政が厳しい中で、なぜ保険を使うのか。『自分で治せるものは、自分で治す』のが、今の保険財政の流れ」と反論。
しかし、中川氏も、「ニコチン依存症は疾病であることは間違いない。自己責任で止めた人もいるが、どうしても止められない人を、保険の対象とするのは、無理筋なのか。将来の医療費を考える上でも、むしろ推奨すべき」と譲らなかった。
その後も診療側と支払側の応酬が続き、意見を求められた田辺会長は、「ニコチン依存症という疾病類型があるのだから、それには保険適用にすべき。予防対策まで保険で診る必要はない。今の基準は、喫煙年数が関係している。それが少ないにもかかわらず、ニコチン依存症になっているというなら、合意ができる範囲でその基準と、(疾病と予防の)線引きを考えていくべき」との考えを述べた。
3.com 2015年10月21日 (水) 配信 橋本佳子(m3.com編集長)
厚生労働省は、10月21日の中央社会保険医療協議会総会(会長:田辺国昭・東京大学大学院法学政治学研究科教授)に対し、たばこ対策である「ニコチン依存症管理料」の対象を若年層に広げるために算定要件緩和を提案したが、診療側と支払側で大きく意見が対立した(資料は、厚労省ホームページ)。診療側は厚労省の提案を支持、一方、支払側は要件緩和で、診療報酬での評価を予防的な行為にも広げることにつながりかねないことから反対した。
厚労省は、要件緩和に伴うたばこ対策の年間医療費の抑制効果が、現状の約7.6億円から約132.5億円に拡大するとの試算も提示。しかし、支払側は医療費抑制効果よりも、「ニコチン依存症管理料」の成功率そのものが問題であるとするなど、最後まで議論は平行線をたどった。データを基に、改めて議論することになる見通し。
10月21日の中医協総会は、がん、難病、感染症対策についても議論。
■20歳代、「BI200未満」が82%
「ニコチン依存症管理料」は、1日の喫煙本数に、喫煙年数を乗じて得た「ブリンクマン(BI)」が200以上を算定要件としている。20歳代のニコチン依存症患者82%は、喫煙年数が短いことが影響して、「BI200未満」だ。「BI200以上」という算定要件を緩和するのが、厚労省案。
診療側からは、「現実には、高校生が禁煙外来に来ることもある。20歳未満も対象にすべき」(日本医師会常任理事の鈴木邦彦氏)、「BIという要件自体をなくした方がいい、という意見もある。重症化予防という観点で対策を講じていかなければいけない」(日医常任理事の松本純一氏)など、要件緩和を支持する意見が相次いだ。
これに対し、健康保険組合連合会副会長の白川修二氏は、前回、前々回の診療報酬改定でも、「ニコチン依存症管理料」をめぐる議論があったとし、「この手の話を出すのであれば、その効果をきちんと出し、データを基に議論すべき。若年者の喫煙が増えているから、という話ではない。たばこ対策は基本的には自己責任。保険料を使って、(禁煙対策を)診療報酬で評価するのは、いかがなものか」と述べ、「今のところは、慎重にやるべき、というか、むしろ反対」と述べた。
厚労省によると、2009年度に3417人を対象に実施した調査では、全5回の治療を終えた人は35.5%で、終了9カ月後にも禁煙していたのは49.1%だった。一方、5回の治療を終えることができなかった人は、禁煙が続かないという割合が多かった。
「たばこ対策は自己責任」に反論したのは、日本医師会副会長の中川俊男氏。たばこの害は、本人だけでなく、受動喫煙の害もあるとし、結果としてたばこが原因の疾病により医療費高騰にもつながるため、禁煙対策の重要性を強調。「失敗しても何度でも、禁煙に取り組めばいい。未成年の喫煙に対しても、毅然として禁煙を主張していくべき」(中川氏)。
これに対し、白川氏は、「禁煙対策を進めることに異論はないが、保険を使うかどうかが問題。疾病に対して診療報酬で評価するのが、我が国の保険。自己責任で禁煙する人もいる。特定の人だけドクターの治療を受けないと治らないという。しかも、保険財政が厳しい中で、なぜ保険を使うのか。『自分で治せるものは、自分で治す』のが、今の保険財政の流れ」と反論。
しかし、中川氏も、「ニコチン依存症は疾病であることは間違いない。自己責任で止めた人もいるが、どうしても止められない人を、保険の対象とするのは、無理筋なのか。将来の医療費を考える上でも、むしろ推奨すべき」と譲らなかった。
その後も診療側と支払側の応酬が続き、意見を求められた田辺会長は、「ニコチン依存症という疾病類型があるのだから、それには保険適用にすべき。予防対策まで保険で診る必要はない。今の基準は、喫煙年数が関係している。それが少ないにもかかわらず、ニコチン依存症になっているというなら、合意ができる範囲でその基準と、(疾病と予防の)線引きを考えていくべき」との考えを述べた。
第1回国際病院連盟賞 受賞
2015 年10月27日 (火) 配信 高橋直純(m3.com編集部)
日本病院会の堺常雄会長は10月26日の定例記者会見で、国際病院連盟が選ぶ第1回国際病院連盟賞の最高位大賞に聖路加国際病院(東京都)が選ばれたと発表した。日本からは全部で3施設が応募し、いずれも入賞した。
アメリカ・シカゴで開かれた10月6日から3日間に渡って開催された国際病院連盟第39回コングレスで、今大会から新たに創設された国際連盟賞の授賞式が行われた。この賞は、世界中の革新的で優れた病院・施設を表彰するというもの。賞には最高位大賞に当たるDr.Kim Kwang Tae Grand Award(金光泰最優秀大賞) とExcellence Awardsの2つのカテゴリーがあり、賞の数は全部で14になる。世界19カ国から105件の応募があり、日本からは3病院が応募。聖路加国際病院が最高位大賞を受賞したほか、八千代病院(愛知県)は最優秀賞、四国こどもとおとなの医療センター(香川県)は優秀賞をそれぞれ受賞し、日本から応募した全ての病院が受賞した。表彰委員会長を務めた堺会長は「地域の中でいかに質の高い医療を提供するかを常に考えており、当然の結果」と話した。
■日本の受賞病院と受賞タイトル
聖路加国際病院:Measurement and Disclosure of Quality Indicator(QI), which express the Health Care Quality, and Improvement Activities(医療の質を表わす指標の測定・公開と改善活動)
八千代病院:Center of SUPER CARE MIX-A comprehensive Care from Emergency to Home for the Community(救急・急性期医療から在宅ケアまで切れ目のない医療を提供する「スーパーケアミックス」の実践)
四国こどもとおとなの医療センター:Developing new tools for analyzing financial management of hospitals and how to improve hospital management after merging of two hospitals(新たな病院経営指標の開発と2病院統合後の経営改善手法について)
2015 年10月27日 (火) 配信 高橋直純(m3.com編集部)
日本病院会の堺常雄会長は10月26日の定例記者会見で、国際病院連盟が選ぶ第1回国際病院連盟賞の最高位大賞に聖路加国際病院(東京都)が選ばれたと発表した。日本からは全部で3施設が応募し、いずれも入賞した。
アメリカ・シカゴで開かれた10月6日から3日間に渡って開催された国際病院連盟第39回コングレスで、今大会から新たに創設された国際連盟賞の授賞式が行われた。この賞は、世界中の革新的で優れた病院・施設を表彰するというもの。賞には最高位大賞に当たるDr.Kim Kwang Tae Grand Award(金光泰最優秀大賞) とExcellence Awardsの2つのカテゴリーがあり、賞の数は全部で14になる。世界19カ国から105件の応募があり、日本からは3病院が応募。聖路加国際病院が最高位大賞を受賞したほか、八千代病院(愛知県)は最優秀賞、四国こどもとおとなの医療センター(香川県)は優秀賞をそれぞれ受賞し、日本から応募した全ての病院が受賞した。表彰委員会長を務めた堺会長は「地域の中でいかに質の高い医療を提供するかを常に考えており、当然の結果」と話した。
■日本の受賞病院と受賞タイトル
聖路加国際病院:Measurement and Disclosure of Quality Indicator(QI), which express the Health Care Quality, and Improvement Activities(医療の質を表わす指標の測定・公開と改善活動)
八千代病院:Center of SUPER CARE MIX-A comprehensive Care from Emergency to Home for the Community(救急・急性期医療から在宅ケアまで切れ目のない医療を提供する「スーパーケアミックス」の実践)
四国こどもとおとなの医療センター:Developing new tools for analyzing financial management of hospitals and how to improve hospital management after merging of two hospitals(新たな病院経営指標の開発と2病院統合後の経営改善手法について)
群大病院改革委
中間まとめ公表、医学系大学院の改変求める
m3.com 2015年10月27日 (火) 配信 高橋直純(m3.com編集部)
群馬大学医学部附属病院で同じ執刀医の腹腔鏡手術や開腹手術を受けた患者が相次いで術後に亡くなっていた問題で、大学が設置した「病院改革委員会」が10月26日、中間まとめを群馬大学に提出した。委員長の木村猛氏(大学評価・学位授与機構顧問、元東京工業大学長)が記者会見し、「群大独特のヒエラルキーが構築され、患者視点の対応ができていなかった」と背景を説明した上で、執刀医について「医療従事者として適格性を疑われる医師が主要構成員として存在したことにより起こった」と指摘した。
■自大学出身の“純血”が多すぎる
中間まとめでは、問題の背景を、(1)県内唯一の大学病院で地域医療機関に対して優位な立場である、(2)患者が増加する中で、問題を起こした肝胆膵チームは労働負担が大きかった可能性があり、加えて病院として診療実績を挙げる意識が強く働いていた、(3)群大は4学部の小規模な大学であるが、医学部は発言力も大きく大学としてガバナンスが及ばなかった――などと分析。自大学出身者が多く、先輩・恩師に対して発言しにくい風土があり、チーム医療や患者説明など、時代が要請する流れに取り残される結果となったとしており、木村氏は「今は純血(群大出身)が多すぎるので、ぜひ変えてほしいと言っており、病院長にも理解いただいている」と説明した。
■スタッフ数に見合わない診療、手術
診療体制については、旧講座の一外科、二外科の教授による指揮命令系統が残り、二つの組織が独立して運営されていたことを特に問題視した。消化器外科の診療科長は、旧一外科(現・病態総合外科学)の教授であるが、内部には消化器外科(一)と消化器外科(二)の2つの診療科が混在し、消化器外科(一)は診療科長が、消化器外科(二)は旧二外科(現・臓器病態外科)の教授が掌握する組織になっていた。関連病院も異なり、「お互い無干渉という慣行があった」とし、安全管理や効率性に負の影響があったと指摘。特に肝胆膵チームは2、3人の少人数で運営され、スタッフ数に見合わない数の患者の診療、手術をこなしており、閉鎖的、属人的医療となっていたとした。
■「人間の尊厳を尊重していない」
その上で「体制的欠陥と医療に従事する者として適格性を疑わざるを得ない医師が、この体制の主要な構成員であったことによって起こったものと思われる」と指摘した。「適格性を疑う」という点について、木村氏は「常識で考えれば分かる。二度続けて死亡事故を起こしたら、自分からアクションをすべき。それが欠けているので適格性を疑うと判断した」と説明。会見の最後にも「医療行為は人間の尊厳を傷つけないものであるべき。執刀医は人間の尊厳を全くと言っていいほど尊重していない。人間の尊厳が踏みにじられているような行為は絶対許すことができない」と厳しく指摘した。なお、病院改革委員会としては執刀医への聞き取りは行っていない。
■組織体制の効率化不可欠
田村遵一病院長は「厳しいが非常に的を射た指摘。早期に改革を行っていきたい」と話した。指摘された問題に対しては「これまでも認識していなかったわけではなく、外科同士で協力しないのは良くないとは思っていたが、現実的に行動を起こせていなかった。報告を受け、何とかしないといけないという意を強くした」。
報告体制の整備や病院長巡視、医学安全教育の教など、これまで同病院が行った改革を説明し、「医師からのインシデント報告が、問題発覚前の月18件から58件に、バリアンス(予期しない合併症)報告が月6件から28件に増えた」と報告。一方で、スタッフの負担増については「負担が増していること確か。今は緊張してやっているが疲労が高まってくる中でも続けられるよう、効率化が必要。病院コンプライアンス委員会で検討しており、今年度中に組織体制の工夫をしたい」と説明した。
2015年4月から内科と外科の診療科を統合し、それぞれ内科診療センター、外科診療センターとしているが、提言の中では医学系研究科の講座構成とねじれが生じていると指摘されている。改善を強く求められており、2016年6月頃の学生募集までに組織改組をするという。
診療科長を選考中で、現在手術を停止している肝胆膵診療科については「大学から教授職を一つ増やしてもらったので、11月から手術を再開したい」とした。関係者の処分については、事故調査委員会の報告を待って行う方針という。
■3つの報告書・提言へ
病院改革委員会は群馬大学学長が設置し、7人の外部有識者が委員となっている(『群大、「意識改革、組織改革が必要』を参照」)。中間まとめの正式名称は「『群馬大学医学部附属病院における医療の質保証体制の今後の改善に向けて』提言」。同じく学長が設置した外部有識者による医療事故調査委員会も調査を行っており(『死亡30例で 遺族ヒアリングの方針、群大新事故調』を参照)、2015年度末を予定している事故調査委員会の最終報告を受けて、病院改革委員会も最終まとめを公表するとしている。2015年3月に病院主体の事故調査委員会が提出した報告書(『死亡全8症例「過失あり」、群大最終報告』を参照)と合わせて、計3つの報告・提言が出ることになる。
■中間まとめの要旨
1:はじめに
診療体制や医療の質保証体制並びに医療安全管理体制の抜本的な改革、全職員の意識改革、同院独特の風土改革が必要との結論に達し、今後の改善に向けての提言をまとめた。
2:背景と課題
群大独特のヒエラルキーが構築され、当該診療科では患者視点の対応ができなかった。
(1)診療体制
・旧講座の一外科、二外科の教授の指揮命令系統で二つの組織が独立に運営され、協力体制がなかった。病院も問題視していなかった。
・旧二外科の肝胆膵チームはスタッフ数に見合わない診療をしていた。診療科長の指導力不足ともあいまって、医療の質低下を引き起こした。説明同意取得の不備の大きな理由は、説明文章が病院として統一されておらず、チェック体制、チーム医療体制が取れていなかった。
・肝胆膵部署では方針が合議によらず、閉鎖的・属人的だった。重大事案発生の理由は、体制的欠陥の中、医療従事者として適格性を疑われる医師が主要構成員として存在したことにより起こった。加えて、そのような状況を解消できない管理体制、指導体制に問題がある。
(2)医療の質保証・安全管理体制
・インシデント等に関する共通認識、システム構築などはいずれも不十分であった。
・他部署から報告がされず、問題が顕在化しない体制は、病院全体の風土から来るものと考えられる。
・医療安全管理部門が十分に機能していなかった。
(3)ガバナンス
・病院長や診療科長が指導力を発揮しなかったため、状況が改善されなかった。
・診療科の独自性が非常に強く、病院全体のガバナンスが機能せず、組織的な取組がされなかった。
(4)意識(風土)や文化
・群大出身者が多く、特異な文化が濃縮、構築され、先輩、恩師に発言しにくい風土があった。状況が固定化し、チーム医療や患者本位の医療、説明できる医療等、自大が要請する流れに取り残される結果となった。
3:改善に向けて
既に様々な改善を行いつつあるが、体制を検証し、安全性の確保と効率化を図った上で、継続的なシステムとして、高度で良質な医療を提供するための確固たる体制を構築する特段の努力が必要である。
(1)安全で質の高い医療体制の確保
[1]診療体制
・2015年4月に設置された外科診療センターは、医学系研究科の体制を変えない状態で設置されたため、病院全体の組織体制の根本的問題は残ったままで、今後十分機能を発揮できるか大きな疑義がある。
[2]医療の質保証・安全管理体制
・報告制度を根付かせるため、組織や職種を超えたチーム医療体制の構築、医療安全管理者の権限確保、病院長直下の医療安全管理部門の組織体制とする等の工夫が必要。
・学生時代から一貫した教育、研修は必須であり、全国のモデルケースとなることが求められる。
[3]医療の質向上に向けてのチーム医療の強化
・チーム医療が必須であり、誰もが提案し、共有できる風土を作り上げなければならない。
[4]継続性のある簡素な機能的システム
・新たな体制構築やこれまでの問題点への対処を検討し、整理、統合など簡素化を図ることも必要である。
(2)管理体制・組織体制
[1]講座と診療科の整合性
・医学系研究科をシンプルな構成にし、診療科と一体になって高い医療行為が行えるようにすべき。
・少人数診療体制が現在も続いている部門があるが、医師の業務負担が懸念され、対策の検討が望まれる。
[2]管理体制
・診療科長や教授の能力、資質を適切に評価し、問題がある場合には自発的に指摘、改善できる体制が必要。診療科長に問題がある場合は、病院長が正しく対応する力を発揮できる体制を備えておく必要がある。
・ハイリスクな診療を率いるトップは、秀でた診療能力と組織管理能力が必要であり、そのような人材を確保する選考体制を構築すべき。
[3]コンプライアンス体制
・病院内のコンプライアンス推進室、大学の病院コンプライアンス委員会が継続的に機能するよう努力すべき。
(3)倫理・意識(風土)改革
[1]現場の意識把握
・他部署、多職種に口を出せない文化を払拭し、病院長が職員の声に耳を傾ける意識構築が必要
[2]意識向上
・病院の理念を全職員で共有し、自発的に問題を指摘する体制を構築すべき。
4:終わりに
改善策を評価し、病院システム全体の徹底的な効率化を図るべき。改革のためのトップダウン体制の構築、現場の声をくみあげられる体制づくりが必要である。進捗状況は病院コンプライアンス委員会が定期的に精査し、速やかに社会に公表する。
中間まとめ公表、医学系大学院の改変求める
m3.com 2015年10月27日 (火) 配信 高橋直純(m3.com編集部)
群馬大学医学部附属病院で同じ執刀医の腹腔鏡手術や開腹手術を受けた患者が相次いで術後に亡くなっていた問題で、大学が設置した「病院改革委員会」が10月26日、中間まとめを群馬大学に提出した。委員長の木村猛氏(大学評価・学位授与機構顧問、元東京工業大学長)が記者会見し、「群大独特のヒエラルキーが構築され、患者視点の対応ができていなかった」と背景を説明した上で、執刀医について「医療従事者として適格性を疑われる医師が主要構成員として存在したことにより起こった」と指摘した。
■自大学出身の“純血”が多すぎる
中間まとめでは、問題の背景を、(1)県内唯一の大学病院で地域医療機関に対して優位な立場である、(2)患者が増加する中で、問題を起こした肝胆膵チームは労働負担が大きかった可能性があり、加えて病院として診療実績を挙げる意識が強く働いていた、(3)群大は4学部の小規模な大学であるが、医学部は発言力も大きく大学としてガバナンスが及ばなかった――などと分析。自大学出身者が多く、先輩・恩師に対して発言しにくい風土があり、チーム医療や患者説明など、時代が要請する流れに取り残される結果となったとしており、木村氏は「今は純血(群大出身)が多すぎるので、ぜひ変えてほしいと言っており、病院長にも理解いただいている」と説明した。
■スタッフ数に見合わない診療、手術
診療体制については、旧講座の一外科、二外科の教授による指揮命令系統が残り、二つの組織が独立して運営されていたことを特に問題視した。消化器外科の診療科長は、旧一外科(現・病態総合外科学)の教授であるが、内部には消化器外科(一)と消化器外科(二)の2つの診療科が混在し、消化器外科(一)は診療科長が、消化器外科(二)は旧二外科(現・臓器病態外科)の教授が掌握する組織になっていた。関連病院も異なり、「お互い無干渉という慣行があった」とし、安全管理や効率性に負の影響があったと指摘。特に肝胆膵チームは2、3人の少人数で運営され、スタッフ数に見合わない数の患者の診療、手術をこなしており、閉鎖的、属人的医療となっていたとした。
■「人間の尊厳を尊重していない」
その上で「体制的欠陥と医療に従事する者として適格性を疑わざるを得ない医師が、この体制の主要な構成員であったことによって起こったものと思われる」と指摘した。「適格性を疑う」という点について、木村氏は「常識で考えれば分かる。二度続けて死亡事故を起こしたら、自分からアクションをすべき。それが欠けているので適格性を疑うと判断した」と説明。会見の最後にも「医療行為は人間の尊厳を傷つけないものであるべき。執刀医は人間の尊厳を全くと言っていいほど尊重していない。人間の尊厳が踏みにじられているような行為は絶対許すことができない」と厳しく指摘した。なお、病院改革委員会としては執刀医への聞き取りは行っていない。
■組織体制の効率化不可欠
田村遵一病院長は「厳しいが非常に的を射た指摘。早期に改革を行っていきたい」と話した。指摘された問題に対しては「これまでも認識していなかったわけではなく、外科同士で協力しないのは良くないとは思っていたが、現実的に行動を起こせていなかった。報告を受け、何とかしないといけないという意を強くした」。
報告体制の整備や病院長巡視、医学安全教育の教など、これまで同病院が行った改革を説明し、「医師からのインシデント報告が、問題発覚前の月18件から58件に、バリアンス(予期しない合併症)報告が月6件から28件に増えた」と報告。一方で、スタッフの負担増については「負担が増していること確か。今は緊張してやっているが疲労が高まってくる中でも続けられるよう、効率化が必要。病院コンプライアンス委員会で検討しており、今年度中に組織体制の工夫をしたい」と説明した。
2015年4月から内科と外科の診療科を統合し、それぞれ内科診療センター、外科診療センターとしているが、提言の中では医学系研究科の講座構成とねじれが生じていると指摘されている。改善を強く求められており、2016年6月頃の学生募集までに組織改組をするという。
診療科長を選考中で、現在手術を停止している肝胆膵診療科については「大学から教授職を一つ増やしてもらったので、11月から手術を再開したい」とした。関係者の処分については、事故調査委員会の報告を待って行う方針という。
■3つの報告書・提言へ
病院改革委員会は群馬大学学長が設置し、7人の外部有識者が委員となっている(『群大、「意識改革、組織改革が必要』を参照」)。中間まとめの正式名称は「『群馬大学医学部附属病院における医療の質保証体制の今後の改善に向けて』提言」。同じく学長が設置した外部有識者による医療事故調査委員会も調査を行っており(『死亡30例で 遺族ヒアリングの方針、群大新事故調』を参照)、2015年度末を予定している事故調査委員会の最終報告を受けて、病院改革委員会も最終まとめを公表するとしている。2015年3月に病院主体の事故調査委員会が提出した報告書(『死亡全8症例「過失あり」、群大最終報告』を参照)と合わせて、計3つの報告・提言が出ることになる。
■中間まとめの要旨
1:はじめに
診療体制や医療の質保証体制並びに医療安全管理体制の抜本的な改革、全職員の意識改革、同院独特の風土改革が必要との結論に達し、今後の改善に向けての提言をまとめた。
2:背景と課題
群大独特のヒエラルキーが構築され、当該診療科では患者視点の対応ができなかった。
(1)診療体制
・旧講座の一外科、二外科の教授の指揮命令系統で二つの組織が独立に運営され、協力体制がなかった。病院も問題視していなかった。
・旧二外科の肝胆膵チームはスタッフ数に見合わない診療をしていた。診療科長の指導力不足ともあいまって、医療の質低下を引き起こした。説明同意取得の不備の大きな理由は、説明文章が病院として統一されておらず、チェック体制、チーム医療体制が取れていなかった。
・肝胆膵部署では方針が合議によらず、閉鎖的・属人的だった。重大事案発生の理由は、体制的欠陥の中、医療従事者として適格性を疑われる医師が主要構成員として存在したことにより起こった。加えて、そのような状況を解消できない管理体制、指導体制に問題がある。
(2)医療の質保証・安全管理体制
・インシデント等に関する共通認識、システム構築などはいずれも不十分であった。
・他部署から報告がされず、問題が顕在化しない体制は、病院全体の風土から来るものと考えられる。
・医療安全管理部門が十分に機能していなかった。
(3)ガバナンス
・病院長や診療科長が指導力を発揮しなかったため、状況が改善されなかった。
・診療科の独自性が非常に強く、病院全体のガバナンスが機能せず、組織的な取組がされなかった。
(4)意識(風土)や文化
・群大出身者が多く、特異な文化が濃縮、構築され、先輩、恩師に発言しにくい風土があった。状況が固定化し、チーム医療や患者本位の医療、説明できる医療等、自大が要請する流れに取り残される結果となった。
3:改善に向けて
既に様々な改善を行いつつあるが、体制を検証し、安全性の確保と効率化を図った上で、継続的なシステムとして、高度で良質な医療を提供するための確固たる体制を構築する特段の努力が必要である。
(1)安全で質の高い医療体制の確保
[1]診療体制
・2015年4月に設置された外科診療センターは、医学系研究科の体制を変えない状態で設置されたため、病院全体の組織体制の根本的問題は残ったままで、今後十分機能を発揮できるか大きな疑義がある。
[2]医療の質保証・安全管理体制
・報告制度を根付かせるため、組織や職種を超えたチーム医療体制の構築、医療安全管理者の権限確保、病院長直下の医療安全管理部門の組織体制とする等の工夫が必要。
・学生時代から一貫した教育、研修は必須であり、全国のモデルケースとなることが求められる。
[3]医療の質向上に向けてのチーム医療の強化
・チーム医療が必須であり、誰もが提案し、共有できる風土を作り上げなければならない。
[4]継続性のある簡素な機能的システム
・新たな体制構築やこれまでの問題点への対処を検討し、整理、統合など簡素化を図ることも必要である。
(2)管理体制・組織体制
[1]講座と診療科の整合性
・医学系研究科をシンプルな構成にし、診療科と一体になって高い医療行為が行えるようにすべき。
・少人数診療体制が現在も続いている部門があるが、医師の業務負担が懸念され、対策の検討が望まれる。
[2]管理体制
・診療科長や教授の能力、資質を適切に評価し、問題がある場合には自発的に指摘、改善できる体制が必要。診療科長に問題がある場合は、病院長が正しく対応する力を発揮できる体制を備えておく必要がある。
・ハイリスクな診療を率いるトップは、秀でた診療能力と組織管理能力が必要であり、そのような人材を確保する選考体制を構築すべき。
[3]コンプライアンス体制
・病院内のコンプライアンス推進室、大学の病院コンプライアンス委員会が継続的に機能するよう努力すべき。
(3)倫理・意識(風土)改革
[1]現場の意識把握
・他部署、多職種に口を出せない文化を払拭し、病院長が職員の声に耳を傾ける意識構築が必要
[2]意識向上
・病院の理念を全職員で共有し、自発的に問題を指摘する体制を構築すべき。
4:終わりに
改善策を評価し、病院システム全体の徹底的な効率化を図るべき。改革のためのトップダウン体制の構築、現場の声をくみあげられる体制づくりが必要である。進捗状況は病院コンプライアンス委員会が定期的に精査し、速やかに社会に公表する。
ソ連が崩壊した時点で、国際社会は共産主義思想に「ノー」を突き付けたように思われた。
つまり、共産主義思想の矛盾や限界を国際社会は再認識したのではなかったのか?
だが、日本の共産主義思想は、ソ連とは一線を画くするとして、延命し今日に至る。
日本人は大きな変化をこの好まない国民性である。
つまり、変われない国民性なのだ。
厳しく言えば「誤り」を「誤り」と認められない国民性とも言えるのではないだろうか?
それは、仏教思想にも言及できることだ。
教主・釈尊が自らの教えの中で「法華経」こそが第一の教えと言明しているのに、日本の多くの仏教界はそれを容認していないのだ。
沼田利根
ドクターコールで損害賠償
JALは自社で負担
「臨機応変に」「独自プログラム導入」
各社で取り組み様々
m3.com 2015年9月7日 (月) 配信 成相通子、高橋直純(編集部)/医療維新
「お医者様はいらっしゃいますか」――。飛行機や新幹線などで、急病人が発生した時、医師に協力を求めるドクターコール。それに「応えたくない」と考える医師がいるのは事実。検査や治療の手段が限られる上、何らかの問題が生じた場合に責任を取られるなどの懸念があるからだ。
m3.com編集部が国内外の航空会社に対し、急病人が発生した場合の対応方法に関して取材したところ、その公表の有無を含め、航空会社により大きな違いがあることが分かった。その取材結果を紹介する。
■損害賠償があれば、JALは原則「自社で負担」
ドクターコールに応じるか否か悩む原因の一つが、問題が起きた時の責任の所在のあいまいさだ。医療訴訟が身近になる中、善意で引き受けたドクターコールでも、その対応に問題があったとして損害賠償請求を受けるではないかとの懸念がある。
m3.com編集部が国内外の航空会社約10社に対して取材し、全日本空輸(ANA)、日本航空(JAL)、AIR DO、デルタ航空の4社が回答を寄せた。そのうち、責任問題について明確な回答を得られたのは、JALのみ。
同社は、「航空機内における医療行為は、場所的な制約、利用できる医薬品、医療器具、その他、多くの制約下で緊急的に行われる診療で、その行為に要求される注意義務は軽減される」とした上で、「当該医療行為に起因して、賠償請求が発生した場合には、原則として当社が賠償金と関連する訴訟費用を負担する」と回答。医師がドクターコールに応じて損害賠償請求をされても、原則的に医師は賠償責任を負わないようになっているとした。
一方で、ANAはドクターコールに関する規定はあるものの、「社内規定なので公開していない」として回答を控えた。他の航空会社も、「回答は差し控える」との答えや、明言を避ける内容だった。
医師がドクターコールに応えた後、乗客の転帰を伝えるなどの対応や謝礼については、どの社からも、具体的な回答は得られなかった。規定があっても公開できないとする答えや、明確に決まっておらず、「臨機応変に客室乗務員が対応する」との回答だった。
■“ドクター・オン・ボード”プログラム
医師が積極的にドクターコールに応えられるように、医師であることをフライト前に登録してもらった上で、航空運賃の割引などを提供したり、法的責任の免除を明らかにするプログラムも、海外の一部の航空会社が導入している。
ルフトハンザ航空やオーストリア航空が実施しているのが、医師の事前登録制度「“ドクター・オン・ボード”プログラム」。ルフトハンザ航空の場合、医師は同社のマイレージサービスに参加した上で、インターネットサイトから、医師免許と専門医認定証のコピーなどを登録する。付与された登録番号を使ってフライトを予約し、そのフライトで急病人が発生した場合に、乗務員が乗客の医師にコンタクトする仕組みだ。
登録した場合はマイルのプレゼントや、次のフライトの割引などのサービスが受けられるほか、同社が提供する航空・渡航医学、緊急医療に関する有料のセミナーに参加することもできる。万が一、医療措置を施した患者に訴えられた場合は、同社の保険でカバーされる。
ただ、このような取り組みをしている会社は、国内外を問わず依然として少ない。
■24時間体制の医療アドバイス提供
では、急病人が発生した時、そもそも医師が同乗していない場合はどうするのか。ANA(国際線)とデルタ航空は、外部の医療関連会社と契約しており、緊急の場合は、無線などの通信手段で医療アドバイスを24時間体制で受けられるようになっているという。
ANAは、国際線に関しては米国アリゾナ州フェニックスにあるMedAire社のMedLinkを契約。24時間無線で交信して専門の医師からの医療的アドバイスを受けられる。
デルタ航空が契約するのは、ピッツバーグ大学メディカルセンターが提供する民間の緊急医療サービス「STAT-MD」。所属医師が搭乗許可や機内での急患に関するコンサルティングを提供しており、そのようなサービスと乗り合わせた医師の双方からアドバイスを受けて、客室乗務員が「的確な行動を取れるように訓練を受けている」という(同社広報室)。
このような医療アドバイスは、一定程度有効かもしれないが、直接患者を診ることはできない。両社も急病人が発生したら、ドクターコールを行うとしている。
ICAO(国際民間航空機関)によると、世界の航空旅客数は年々増加し、10年前と比較して約2倍の30億人以上に。さらに、医療技術の発達による高齢人口の増加などで医療を思わぬ所で必要とする人々も増えているだろう。航空機内での急病人対応はますます重要になっているが、乗り合わせた医師の善意に頼っている状態だ。
つまり、共産主義思想の矛盾や限界を国際社会は再認識したのではなかったのか?
だが、日本の共産主義思想は、ソ連とは一線を画くするとして、延命し今日に至る。
日本人は大きな変化をこの好まない国民性である。
つまり、変われない国民性なのだ。
厳しく言えば「誤り」を「誤り」と認められない国民性とも言えるのではないだろうか?
それは、仏教思想にも言及できることだ。
教主・釈尊が自らの教えの中で「法華経」こそが第一の教えと言明しているのに、日本の多くの仏教界はそれを容認していないのだ。
沼田利根
ドクターコールで損害賠償
JALは自社で負担
「臨機応変に」「独自プログラム導入」
各社で取り組み様々
m3.com 2015年9月7日 (月) 配信 成相通子、高橋直純(編集部)/医療維新
「お医者様はいらっしゃいますか」――。飛行機や新幹線などで、急病人が発生した時、医師に協力を求めるドクターコール。それに「応えたくない」と考える医師がいるのは事実。検査や治療の手段が限られる上、何らかの問題が生じた場合に責任を取られるなどの懸念があるからだ。
m3.com編集部が国内外の航空会社に対し、急病人が発生した場合の対応方法に関して取材したところ、その公表の有無を含め、航空会社により大きな違いがあることが分かった。その取材結果を紹介する。
■損害賠償があれば、JALは原則「自社で負担」
ドクターコールに応じるか否か悩む原因の一つが、問題が起きた時の責任の所在のあいまいさだ。医療訴訟が身近になる中、善意で引き受けたドクターコールでも、その対応に問題があったとして損害賠償請求を受けるではないかとの懸念がある。
m3.com編集部が国内外の航空会社約10社に対して取材し、全日本空輸(ANA)、日本航空(JAL)、AIR DO、デルタ航空の4社が回答を寄せた。そのうち、責任問題について明確な回答を得られたのは、JALのみ。
同社は、「航空機内における医療行為は、場所的な制約、利用できる医薬品、医療器具、その他、多くの制約下で緊急的に行われる診療で、その行為に要求される注意義務は軽減される」とした上で、「当該医療行為に起因して、賠償請求が発生した場合には、原則として当社が賠償金と関連する訴訟費用を負担する」と回答。医師がドクターコールに応じて損害賠償請求をされても、原則的に医師は賠償責任を負わないようになっているとした。
一方で、ANAはドクターコールに関する規定はあるものの、「社内規定なので公開していない」として回答を控えた。他の航空会社も、「回答は差し控える」との答えや、明言を避ける内容だった。
医師がドクターコールに応えた後、乗客の転帰を伝えるなどの対応や謝礼については、どの社からも、具体的な回答は得られなかった。規定があっても公開できないとする答えや、明確に決まっておらず、「臨機応変に客室乗務員が対応する」との回答だった。
■“ドクター・オン・ボード”プログラム
医師が積極的にドクターコールに応えられるように、医師であることをフライト前に登録してもらった上で、航空運賃の割引などを提供したり、法的責任の免除を明らかにするプログラムも、海外の一部の航空会社が導入している。
ルフトハンザ航空やオーストリア航空が実施しているのが、医師の事前登録制度「“ドクター・オン・ボード”プログラム」。ルフトハンザ航空の場合、医師は同社のマイレージサービスに参加した上で、インターネットサイトから、医師免許と専門医認定証のコピーなどを登録する。付与された登録番号を使ってフライトを予約し、そのフライトで急病人が発生した場合に、乗務員が乗客の医師にコンタクトする仕組みだ。
登録した場合はマイルのプレゼントや、次のフライトの割引などのサービスが受けられるほか、同社が提供する航空・渡航医学、緊急医療に関する有料のセミナーに参加することもできる。万が一、医療措置を施した患者に訴えられた場合は、同社の保険でカバーされる。
ただ、このような取り組みをしている会社は、国内外を問わず依然として少ない。
■24時間体制の医療アドバイス提供
では、急病人が発生した時、そもそも医師が同乗していない場合はどうするのか。ANA(国際線)とデルタ航空は、外部の医療関連会社と契約しており、緊急の場合は、無線などの通信手段で医療アドバイスを24時間体制で受けられるようになっているという。
ANAは、国際線に関しては米国アリゾナ州フェニックスにあるMedAire社のMedLinkを契約。24時間無線で交信して専門の医師からの医療的アドバイスを受けられる。
デルタ航空が契約するのは、ピッツバーグ大学メディカルセンターが提供する民間の緊急医療サービス「STAT-MD」。所属医師が搭乗許可や機内での急患に関するコンサルティングを提供しており、そのようなサービスと乗り合わせた医師の双方からアドバイスを受けて、客室乗務員が「的確な行動を取れるように訓練を受けている」という(同社広報室)。
このような医療アドバイスは、一定程度有効かもしれないが、直接患者を診ることはできない。両社も急病人が発生したら、ドクターコールを行うとしている。
ICAO(国際民間航空機関)によると、世界の航空旅客数は年々増加し、10年前と比較して約2倍の30億人以上に。さらに、医療技術の発達による高齢人口の増加などで医療を思わぬ所で必要とする人々も増えているだろう。航空機内での急病人対応はますます重要になっているが、乗り合わせた医師の善意に頼っている状態だ。
ソ連が崩壊した時点で、国際社会は共産主義思想に「ノー」を突き付けたように思われた。
つまり、共産主義思想の矛盾や限界を国際社会は再認識したのではなかったのか?
だが、日本の共産主義思想は、ソ連とは一線を画くするとして、延命し今日に至る。
日本人は大きな変化をこの好まない国民性である。
つまり、変われない国民性なのだ。
厳しく言えば「誤り」を「誤り」と認められない国民性とも言えるのではないだろうか?
それは、仏教思想にも言及できることだ。
教主・釈尊が自らの教えの中で「法華経」こそが第一の教えと言明しているのに、日本の多くの仏教界はそれを容認していないのだ。
沼田利根
つまり、共産主義思想の矛盾や限界を国際社会は再認識したのではなかったのか?
だが、日本の共産主義思想は、ソ連とは一線を画くするとして、延命し今日に至る。
日本人は大きな変化をこの好まない国民性である。
つまり、変われない国民性なのだ。
厳しく言えば「誤り」を「誤り」と認められない国民性とも言えるのではないだろうか?
それは、仏教思想にも言及できることだ。
教主・釈尊が自らの教えの中で「法華経」こそが第一の教えと言明しているのに、日本の多くの仏教界はそれを容認していないのだ。
沼田利根
詩人の萩原朔太郎は衝動不審と想われ、当時の官憲に職務質問を受けたそうだ。
徹は中学の担任を憎悪したように、精神を圧迫するような存在を忌んでいた。
虐待を受けて育った徹の一番身近の憎悪の対象は母親であった。
ヒステリックな母親は近所に響く怒鳴り声を上げ、徹の頬に平手打ちを食らわするのが常であった。
「可哀想に、鼻血が流れているじゃないか!それ以上折檻をしたら、徹ちゃんは死んじゃうよ」と隣のお福ばあさんが見かねて止めに入る。
「唇も切れているじゃないか!」と未亡人の峯田徳子も何時ものことかと、呆れかえる。
母親の咲子は時代錯誤の想念に囚われていた。
「日本は負けるはずのなかった戦争に負けた。日本男児は強く育てなければならない。明治維新の時代の志士たちのように」
誰も賛同するはずのない身勝手な思い込みであった。
真冬なのに、井戸端で息子を裸にして、水を被させもしていた。
5歳の幼児は当然、震え上がったが母親は容赦しない。
「何万人に1人いるかどうかの異常性格者だ」と陰口を叩く者も居たのだ。
しかも狂言グセもあった。
夫の信雄は旧制の中学校も卒業していなかったが「高等商業学校卒だ」と言いふらしていた。
元文学少女であったことから、自分の素性や生い立ちまで創作まがいに脚色していたのだ。
群馬県の吾妻郡六合村の疎開先から上京した翌年の昭和23年、徹に対する母親の悪夢の折檻はピークに達していた。
徹は中学の担任を憎悪したように、精神を圧迫するような存在を忌んでいた。
虐待を受けて育った徹の一番身近の憎悪の対象は母親であった。
ヒステリックな母親は近所に響く怒鳴り声を上げ、徹の頬に平手打ちを食らわするのが常であった。
「可哀想に、鼻血が流れているじゃないか!それ以上折檻をしたら、徹ちゃんは死んじゃうよ」と隣のお福ばあさんが見かねて止めに入る。
「唇も切れているじゃないか!」と未亡人の峯田徳子も何時ものことかと、呆れかえる。
母親の咲子は時代錯誤の想念に囚われていた。
「日本は負けるはずのなかった戦争に負けた。日本男児は強く育てなければならない。明治維新の時代の志士たちのように」
誰も賛同するはずのない身勝手な思い込みであった。
真冬なのに、井戸端で息子を裸にして、水を被させもしていた。
5歳の幼児は当然、震え上がったが母親は容赦しない。
「何万人に1人いるかどうかの異常性格者だ」と陰口を叩く者も居たのだ。
しかも狂言グセもあった。
夫の信雄は旧制の中学校も卒業していなかったが「高等商業学校卒だ」と言いふらしていた。
元文学少女であったことから、自分の素性や生い立ちまで創作まがいに脚色していたのだ。
群馬県の吾妻郡六合村の疎開先から上京した翌年の昭和23年、徹に対する母親の悪夢の折檻はピークに達していた。
┏━━━━━━━━━━━【PMDAメディナビ】━━━━━━━━━━━┓
「医薬品・医療機器等安全性情報」発出のお知らせ (2015/10/27配信)
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
本日、「医薬品・医療機器等安全性情報」が発出されましたので
お知らせいたします。
2015年10月27日「医薬品・医療機器等安全性情報」No.327
http://www.pmda.go.jp/files/000207956.pdf
登録時に「医薬品・医療機器等安全性情報」について
添付ファイルの配信を希望された方には、ファイルが添付されて配信されます。
(No.327の内容)
1.酵素電極法を用いた血糖測定器等の使用について
測定原理として酵素電極法を用いた血糖測定器等の使用に際して
採血方法等の注意喚起を行うため、使用上の注意の改訂が行われました。
本号ではその内容について紹介されています。
2.医療事故の再発・類似事例に係る注意喚起について
平成26年7月1日から平成26年12月31日の期間に、
公益財団法人 日本医療機能評価機構が収集した医療事故等の情報を分析した結果、
再発が確認された事例について紹介されています。
3.重要な副作用等に関する情報
【1】アスナプレビル、ダクラタスビル塩酸塩
【2】アマンタジン塩酸塩
【3】ニボルマブ(遺伝子組換え)
【4】ナトリウム・グルコース共輸送体2(SGLT2)阻害剤
平成27年9月15日に改訂を指導した医薬品の使用上の注意のうち
重要な副作用等について、改訂内容等とともに症例の概要等が紹介されています。
4.使用上の注意の改訂について(その268)
(1)フィンゴリモド塩酸塩 他(1件)
平成27年9月15日に改訂を指導した医薬品の使用上の注意について、
改訂内容、主な該当販売名等が紹介されています。
4.市販直後調査の対象品目一覧
平成27年9月末日現在の市販直後調査の対象品目が掲載されています。
「医薬品・医療機器等安全性情報」発出のお知らせ (2015/10/27配信)
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
本日、「医薬品・医療機器等安全性情報」が発出されましたので
お知らせいたします。
2015年10月27日「医薬品・医療機器等安全性情報」No.327
http://www.pmda.go.jp/files/000207956.pdf
登録時に「医薬品・医療機器等安全性情報」について
添付ファイルの配信を希望された方には、ファイルが添付されて配信されます。
(No.327の内容)
1.酵素電極法を用いた血糖測定器等の使用について
測定原理として酵素電極法を用いた血糖測定器等の使用に際して
採血方法等の注意喚起を行うため、使用上の注意の改訂が行われました。
本号ではその内容について紹介されています。
2.医療事故の再発・類似事例に係る注意喚起について
平成26年7月1日から平成26年12月31日の期間に、
公益財団法人 日本医療機能評価機構が収集した医療事故等の情報を分析した結果、
再発が確認された事例について紹介されています。
3.重要な副作用等に関する情報
【1】アスナプレビル、ダクラタスビル塩酸塩
【2】アマンタジン塩酸塩
【3】ニボルマブ(遺伝子組換え)
【4】ナトリウム・グルコース共輸送体2(SGLT2)阻害剤
平成27年9月15日に改訂を指導した医薬品の使用上の注意のうち
重要な副作用等について、改訂内容等とともに症例の概要等が紹介されています。
4.使用上の注意の改訂について(その268)
(1)フィンゴリモド塩酸塩 他(1件)
平成27年9月15日に改訂を指導した医薬品の使用上の注意について、
改訂内容、主な該当販売名等が紹介されています。
4.市販直後調査の対象品目一覧
平成27年9月末日現在の市販直後調査の対象品目が掲載されています。
全員が問題行動を起こすわけではない
★子どもの問題行動「家庭でバランスよく育てられていない」親が子どもに無関心で、放任している。寂しさと愛情不足で、常に不安を覚え、心の中川勝洋会長が落ち着かない。満たされたい思いが、問題行動として思春期に表面化することもある。★子どもに期待を掛け過ぎて、あまりにも教育熱心な家庭のケース。しかし、過度な期待は、子...
>続きを読む
重みを増す日々の生活
厚生労働省の発表(10月1日)によると、2013年のわが国の健康寿命は、男性が71.19歳(対2010年比+0.78歳)、女性が74.21歳(同+0.59歳)に伸びたそうだ。 健康寿命とは、健康上の問題がなく日常生活を普通に送れる状態を指す。健康寿命と平均寿命の差は、男性で9.02年、女性で12....
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『長野県の長寿力』
長野県は、なぜ男女ともに“平均寿命日本一”になり得たのか?その理由を、阿部守一長野県知事が「食事」「生活習慣」「生きがい」「県政の取り組み」など、さまざまな視点から探る。>『長野県の長寿力』(安倍守一、ワニブックス、2014年)長野県知事の安部さんが『長野県の長寿力』を発刊した。長野県は男性80.88歳、女性...
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人間の尊厳を守る絆は福祉社会の生命線
strong>ユマチュードフランス生まれの「ユマチュード」によるケアの効果入院中の認知症患者が別人のように生き生きと明るくなっていく。フランス生まれの「ユマチュード」によるケアの効果だ。フランスで考案された認知症ケアの方法です。見る、話しかける、触れる、立つという4つの方法が柱となっています。認知症の人の人格...
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遠隔医療の実用化へ
日本遠隔医療学会のシンポジウムで公明党の秋野公造参院議員が講演公明新聞:2014年10月26日(日)付 公明党の秋野公造参院議員は25日、長崎市の長崎大学医学部で行われた日本遠隔医療学会学術大会のシンポジウムに出席し、医療の質向上について講演を行った。 この中で、秋野氏は、胃がんの原因となるピロリ菌の除菌につ...
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幸福や人生の意味を失いかねない現代
★人間は深化する。「年を取ると、人は衰える−そう捉えがちだが人間には、加齢とともに進化する能力もある」★「できないこと」を嘆くよりも、「今できること」に喜びを感じる人生でありたいものだ。★現代の教育の理念に求められているものは何か?「子どもの無限」の可能性を引き出して幸福な人生へと導くことだ。★中国の歴史に一...
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「文化・精神の道」のシルクロード
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農業、医療の改革後押し 自民、規制緩和で初会合
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日本歯科大再生医療研究チームが前臨床実験成功2014/10/22 11:39 日本歯科大学の八重垣健教授の再生医療研究チームが、ヒトの乳歯や永久歯の歯髄から得た幹細胞を、肝臓の細胞と同じ性質を持つ肝臓様細胞に変化させマウスに移植し、肝臓の再生・肝硬変の治癒に成功した。 「歯髄」とは歯の神経部分のこ...
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もうダメだとか「決めつけない」ことが大事
批判されることよりもつらいのは、実は「無視」されること孤立無業から抜け出すには、会社でもない、家族でもない第三者との関わりが必要です。今の若者たちは、学生時代からできるだけ失敗しないように育てられ、失敗を恐れているように感じる。でも実際に働くと失敗はつきもの。人や社会のつながりの中で、時には失敗経験も積みなが...
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若者の誰もが無業に陥る可能性がある
無業社会と向き合う 〜今できること・目指すところ〜 若年無業者の増加は顕著で、今や、若者たちの16人に1人が無業状態にあるといわれています。自立支援を受けた当事者と、そのご家族に対して調査を行ってきました。それによれば、彼らの多くは決して怠けているわけではなく、ほとんどが働くことへの意欲を持ち、実際に7割以上...
>続きを読む
橋下徹の維新の党批判に学ぶ「伝え方の極意」(上)
政治ジャーナリスト・松井雅博
■維新を猛攻撃する橋下徹の「正論」は
どこまで伝わっているのか?
維新の内紛が泥沼化している。舌鋒鋭く維新の党執行部を批判する橋下徹市長の「正論」は、受け入れられるのか。橋下流「伝え方の極意」を検証する Photo:読売新聞/アフロ
「維新」の内紛が止まらない。
10月24日、党執行部が出席せぬまま、除名されたはずのいわゆる「大阪派」議員たちと彼らを支持する党員たちなどによって臨時党大会が開催され、維新の党の新代表に馬場伸幸衆議院議員を選出した上で,「解党」が決議された。一方、現執行部はこの大会は無効と主張。お互いに法的措置も言及する泥沼試合と化した。この分裂劇が始まったのは、つい2ヵ月前である。
8月27日、橋下徹氏は突如維新の党から離党しながらも、「党を割るつもりはない。大阪ダブル選挙に集中する」と明言していた。にもかかわらず、一転して新党の設立を宣言。その後、次第に自らが設立したはずの維新の党に対する批判のトーンをヒートアップさせていった。
その後、政党交付金を分ける「分党」の形をとるか否か、また「維新」の看板を新党に返上するか否かをめぐって論争となり、10月14日、ついに党執行部は、片山虎之助参議院議員、東徹参議院議員、馬場伸幸衆議院議員の3名及び大阪府総支部所属の国会議員9名を除名処分とし、大阪維新の会の地域政党としての指定を解除した上で、大阪府総支部所属の市長・府市町議会議員153名を除名処分とした。
これが火に油を注ぎ、除名された議員らは「そもそも松野頼久代表の任期は9月末までであり、10月1日以降の決定は無効だ」として、臨時党大会の開催を要求。泥沼化する争いの中で、ついに橋下徹氏は「維新の党は解党するしかない」との考えを示した。
正直、この内紛劇を傍目で見ている有権者の中には、「いったい何が起きているのかさっぱり理解できない」という方が多いのではないだろうか。
安保法制をめぐって「野党再編」の流れが醸成されるなか、ダブル選挙を前に「維新純化」を志向する「大阪派」が反発した、という構図はわかるが、ダブル選挙を前にここまで激しい内紛劇を展開する必要が、どこにあったのか。
お互いに自らの言い分を「正論」として理屈を展開しているが、その「正論」はどこまで人々に伝わっているだろうか。その答えは、今回の内紛劇の帰結によって明らかになるのだろう。
ただ、今回も筆者が興味深く観察しているのは、当初は「無茶な言い分」としか思えないような主張を展開するものの、いつの間にか聞いている側に説得力を感じさせてしまうという、橋下氏独特の「伝え方の妙」である。
過去、自らの発言で窮地に立たされたこともある橋下市長だが、その歯に衣着せぬ物言いには、批判ばかりでなく賛同の声が寄せられることも少なくなかった。こうした従来の政治家とは一線を画した「伝える力」が、これまでの幾多の政争の中で、橋下氏が政治生命を保つことができた重要な要素の1つではないかと、筆者は考えている。
そこで本稿では、いつもと趣向を変え、今回の内紛劇の意味を「橋下徹流の伝え方」を軸にして客観的に観察してみたい。そして、かつて大手コンサルタントファームに勤務した筆者の経験も交えながら、ビジネスパーソンの読者諸氏が仕事で必要とする「プレゼン力」に橋下流の伝え方をどう応用できるかについても、言及してみたい。
■ビジネスに見る「80対20の法則」
なぜ正論は伝わりにくいのか?
まず、人にモノを伝える際に陥りがちな落とし穴が、「正論」は必ず相手に受け入れてもらえる、という思い込みだ。今回の内紛劇で言えば、橋下徹大阪市長も、松野頼久・維新の党代表も、どちらも自らの言い分こそが正論だと信じて疑っていないだろう。
橋下徹大阪市長の正論はこうだ。維新の党が民主党に吸収されてしまうことへの危機感を背景に、維新の存在価値を主張し、いわゆる大阪派議員を一方的に処分した執行部は、そもそも9月末に任期が切れており、10月1日以降の執行部の決定は無効である、という理屈だ。党代表の任期延長は党規約に記載された「重要な事項」であり、それは党大会で決められるもの、と主張している。
確かに、一見正論である。これを橋下徹市長独特の切れ味鋭い言葉で主張されれば、多くの人が納得することだろう。
ただし、小難しい法律論はさておき、少し冷静に考えてみれば、「素直に受け入れられない」と感じる点もある。9月末で執行部の任期が切れることを知っていたならば、なぜ臨時党大会をもっと早く開かなかったのか。任期が切れたはずの執行部と、10月1日以降に協議を続けていたのは何だったのか。また、維新の党を「統治能力がない」と断罪するが、その党を設立したのも今のメンバーを選任したのも、他ならぬ橋下徹市長自身ではなかったか。
一方、松野頼久代表側の正論はこうだ。橋下徹市長は維新の党を離党した立場でありながら、党の内乱を煽り、党執行部への批判を繰り返した。松野代表からすれば、とんだ災難とも言える。確かに橋下徹市長が主張するように、「永田町病」にかかった議員が維新の党内部にいるのは事実だと筆者も思う。だが、正直「何を今さら」という感もある。
しかしながら、松野代表側の正論も、見方を変えれば受け容れられない気持ちになる。そもそも、維新の党が橋下徹市長のカリスマによって成り立っている政党であることは周知の事実であり、残念ながら橋下徹市長が離党した時点で、すでに勝負の命運は決まっているようにも思える。
様々な議員の主張を眺め、一連のケンカを俯瞰した上で筆者の私見を述べれば、「解釈の問題なので一概にどちらが正しいとは言えない」ということだ。「刑事告訴だ!」と双方が法律論を振りかざすなら、それは法廷で裁判官に判決を求めるしかない問題であり、今の段階では双方に言い分がある。言い換えれば、どちらも「正論」であり、どちらの主張にもそれなりの理屈が付けられている。すなわち、正論はつくろうと思えばいくらでもつくれる、ということでもある。
なぜ、正論なのに容易に伝わらないのか。理屈を付けるほどに泥沼化し、ますます相手に届かなくなる理由は、そもそも立場が変われば正論が正論でなくなるということ以外に、3つの理由があると筆者は考えている。
第一に「利害衝突」である。今回のケースで言えば、「政党交付金の奪い合い」という利害の衝突があった(ただし、途中で税金の奪い合いに見えてしまうことに気づいた橋下徹市長は、「政党交付金を国庫に返済する」との主張を展開した)。
第二に「感情的対立」である。お互いに不信感を持った状態では、相手の意見に聞く耳を持たない。どうやって相手を言い負かしてやろうか、という点ばかりに注力してしまう。
そして第三として、「人は自分が思っているほど相手の話を聞かない」ということだ。相手に何かを伝えようとするときは、そもそも「伝わらない」ことを前提に話した方がよい。そのことを認識すべきだ。
ビジネスの世界には、「80対20の法則」(エイティ・トゥウェンティ)という言葉がある。人を説得するのには100%の正しさは必要なく、80%の人を納得させるには20%程度の正しさで十分、という意味である。筆者自身、マッキンゼー時代には多くの経営陣に向けて提案書や報告書を書いたが、相手に刺さったプレゼンのほとんどは、中身の正当性を認識させたというよりも、全体のストーリーの伝え方がうまくいったことにあったように思う。
■正論よりも戦っている雰囲気を出す
政治で有利になる「伝え方」とは?
ビジネスの世界より、政治の世界の方がさらに求められる正論の率は低くなる。企業と株主の関係であれば、株主は経営の素人ではあるものの、その企業の経営に自分の資産が直接左右されるので、経営陣の話や株価の動きに注目する人が多いだろう。しかし、政治における有権者は政治の世界に直接的な利害関係がないと思っている人が多いので、あまり中身を理解しようとしない。
有権者が注目せず、話もあまり聞かないので、政治家も「有権者など適当にあしらっていればよい」という考えになる。「政策など語らず、駅前で自分の名前を連呼していればいい」という短絡的な考えに陥っていく。適当に政敵をラベリングし、派手に批判していれば議員であり続けられる。これが「政治屋」が世にはばかる原因である。
今回の内紛劇を見ても、橋下徹市長にとって正論はどうでもよく、ただなんとなく「戦ってる雰囲気」だけを意図的に人々へ伝えているように見える。これが政治の世界の特徴であり、それを今の政界で最も頻繁に駆使しているのが橋下徹流の「伝える技術」ではないか。そして、この「伝える技術」は政治の世界以外にも応用できるはずだ。
■中身よりも「伝え方」が大事
人を惹きつける3つのポイント
筆者自身、ラジオパーソナリティとしてマイクの前に座ったり、マッキンゼーアンドカンパニーでロジカルプレゼンテーションを求められたり、研修講師として「伝え方」を新入社員などに講義した経験を持つ。その経験から学んだ、人に「伝える」ために気を付けるべきポイントを、維新の内紛劇を題材にしてエトス(個人の特質)、ロゴス(論理性)、パトス(感情)という3つの観点から説明したい。
冒頭でも述べた通り、橋下徹市長の言葉はよくも悪くも相手に「よく伝わる」と思う。
その理由は、橋下徹市長が自らの「個性」を磨き、それを抑えることなく発揮しているからである。逆に、役所の文書や電機メーカーが商品に添付する家電の説明書などは、非常に読みにくいと感じる人が多いだろう。なぜなら、万人に誤解を与えないようにわざと文章から個性を殺してしまっているからである。
人への伝え方には「個性」がある。橋下徹市長のような攻撃的なスタイルが似合う人もいるが、筆者が同じような物言いをしたら一瞬で嫌われてしまうだろう。したがって、「伝え方」のスキルは個々人の特性に応じて身につけねばならないのだが、読み書き双方で使え、おそらく多くのケースで有効なエトスを3つ紹介したい。
1つめは、「短い言葉を使え」ということだ。橋下徹市長は情報発信を文字制限のあるTwitterで行っている。短い言葉でズバズバと持論を展開する様は実に小気味が良く、切れ味が鋭い。ビジネスの世界でも「エレベータートーク」という言葉がある。コンサルタントは、エレベーターの中でばったりクライアントに出会った場面を想定し、30秒程度で自分の言いたいことを伝えるよう訓練させられる。また「1スライド1メッセージ」という言葉があり、基本的にパワーポイントで資料を作成する場合にも、1枚に込めるメッセージは1つだけであり、伝えたいことは1行で表現せねばならない。なぜなら、それ以上の分量は「伝わらない」からだ。
政治ジャーナリスト・松井雅博
■維新を猛攻撃する橋下徹の「正論」は
どこまで伝わっているのか?
維新の内紛が泥沼化している。舌鋒鋭く維新の党執行部を批判する橋下徹市長の「正論」は、受け入れられるのか。橋下流「伝え方の極意」を検証する Photo:読売新聞/アフロ
「維新」の内紛が止まらない。
10月24日、党執行部が出席せぬまま、除名されたはずのいわゆる「大阪派」議員たちと彼らを支持する党員たちなどによって臨時党大会が開催され、維新の党の新代表に馬場伸幸衆議院議員を選出した上で,「解党」が決議された。一方、現執行部はこの大会は無効と主張。お互いに法的措置も言及する泥沼試合と化した。この分裂劇が始まったのは、つい2ヵ月前である。
8月27日、橋下徹氏は突如維新の党から離党しながらも、「党を割るつもりはない。大阪ダブル選挙に集中する」と明言していた。にもかかわらず、一転して新党の設立を宣言。その後、次第に自らが設立したはずの維新の党に対する批判のトーンをヒートアップさせていった。
その後、政党交付金を分ける「分党」の形をとるか否か、また「維新」の看板を新党に返上するか否かをめぐって論争となり、10月14日、ついに党執行部は、片山虎之助参議院議員、東徹参議院議員、馬場伸幸衆議院議員の3名及び大阪府総支部所属の国会議員9名を除名処分とし、大阪維新の会の地域政党としての指定を解除した上で、大阪府総支部所属の市長・府市町議会議員153名を除名処分とした。
これが火に油を注ぎ、除名された議員らは「そもそも松野頼久代表の任期は9月末までであり、10月1日以降の決定は無効だ」として、臨時党大会の開催を要求。泥沼化する争いの中で、ついに橋下徹氏は「維新の党は解党するしかない」との考えを示した。
正直、この内紛劇を傍目で見ている有権者の中には、「いったい何が起きているのかさっぱり理解できない」という方が多いのではないだろうか。
安保法制をめぐって「野党再編」の流れが醸成されるなか、ダブル選挙を前に「維新純化」を志向する「大阪派」が反発した、という構図はわかるが、ダブル選挙を前にここまで激しい内紛劇を展開する必要が、どこにあったのか。
お互いに自らの言い分を「正論」として理屈を展開しているが、その「正論」はどこまで人々に伝わっているだろうか。その答えは、今回の内紛劇の帰結によって明らかになるのだろう。
ただ、今回も筆者が興味深く観察しているのは、当初は「無茶な言い分」としか思えないような主張を展開するものの、いつの間にか聞いている側に説得力を感じさせてしまうという、橋下氏独特の「伝え方の妙」である。
過去、自らの発言で窮地に立たされたこともある橋下市長だが、その歯に衣着せぬ物言いには、批判ばかりでなく賛同の声が寄せられることも少なくなかった。こうした従来の政治家とは一線を画した「伝える力」が、これまでの幾多の政争の中で、橋下氏が政治生命を保つことができた重要な要素の1つではないかと、筆者は考えている。
そこで本稿では、いつもと趣向を変え、今回の内紛劇の意味を「橋下徹流の伝え方」を軸にして客観的に観察してみたい。そして、かつて大手コンサルタントファームに勤務した筆者の経験も交えながら、ビジネスパーソンの読者諸氏が仕事で必要とする「プレゼン力」に橋下流の伝え方をどう応用できるかについても、言及してみたい。
■ビジネスに見る「80対20の法則」
なぜ正論は伝わりにくいのか?
まず、人にモノを伝える際に陥りがちな落とし穴が、「正論」は必ず相手に受け入れてもらえる、という思い込みだ。今回の内紛劇で言えば、橋下徹大阪市長も、松野頼久・維新の党代表も、どちらも自らの言い分こそが正論だと信じて疑っていないだろう。
橋下徹大阪市長の正論はこうだ。維新の党が民主党に吸収されてしまうことへの危機感を背景に、維新の存在価値を主張し、いわゆる大阪派議員を一方的に処分した執行部は、そもそも9月末に任期が切れており、10月1日以降の執行部の決定は無効である、という理屈だ。党代表の任期延長は党規約に記載された「重要な事項」であり、それは党大会で決められるもの、と主張している。
確かに、一見正論である。これを橋下徹市長独特の切れ味鋭い言葉で主張されれば、多くの人が納得することだろう。
ただし、小難しい法律論はさておき、少し冷静に考えてみれば、「素直に受け入れられない」と感じる点もある。9月末で執行部の任期が切れることを知っていたならば、なぜ臨時党大会をもっと早く開かなかったのか。任期が切れたはずの執行部と、10月1日以降に協議を続けていたのは何だったのか。また、維新の党を「統治能力がない」と断罪するが、その党を設立したのも今のメンバーを選任したのも、他ならぬ橋下徹市長自身ではなかったか。
一方、松野頼久代表側の正論はこうだ。橋下徹市長は維新の党を離党した立場でありながら、党の内乱を煽り、党執行部への批判を繰り返した。松野代表からすれば、とんだ災難とも言える。確かに橋下徹市長が主張するように、「永田町病」にかかった議員が維新の党内部にいるのは事実だと筆者も思う。だが、正直「何を今さら」という感もある。
しかしながら、松野代表側の正論も、見方を変えれば受け容れられない気持ちになる。そもそも、維新の党が橋下徹市長のカリスマによって成り立っている政党であることは周知の事実であり、残念ながら橋下徹市長が離党した時点で、すでに勝負の命運は決まっているようにも思える。
様々な議員の主張を眺め、一連のケンカを俯瞰した上で筆者の私見を述べれば、「解釈の問題なので一概にどちらが正しいとは言えない」ということだ。「刑事告訴だ!」と双方が法律論を振りかざすなら、それは法廷で裁判官に判決を求めるしかない問題であり、今の段階では双方に言い分がある。言い換えれば、どちらも「正論」であり、どちらの主張にもそれなりの理屈が付けられている。すなわち、正論はつくろうと思えばいくらでもつくれる、ということでもある。
なぜ、正論なのに容易に伝わらないのか。理屈を付けるほどに泥沼化し、ますます相手に届かなくなる理由は、そもそも立場が変われば正論が正論でなくなるということ以外に、3つの理由があると筆者は考えている。
第一に「利害衝突」である。今回のケースで言えば、「政党交付金の奪い合い」という利害の衝突があった(ただし、途中で税金の奪い合いに見えてしまうことに気づいた橋下徹市長は、「政党交付金を国庫に返済する」との主張を展開した)。
第二に「感情的対立」である。お互いに不信感を持った状態では、相手の意見に聞く耳を持たない。どうやって相手を言い負かしてやろうか、という点ばかりに注力してしまう。
そして第三として、「人は自分が思っているほど相手の話を聞かない」ということだ。相手に何かを伝えようとするときは、そもそも「伝わらない」ことを前提に話した方がよい。そのことを認識すべきだ。
ビジネスの世界には、「80対20の法則」(エイティ・トゥウェンティ)という言葉がある。人を説得するのには100%の正しさは必要なく、80%の人を納得させるには20%程度の正しさで十分、という意味である。筆者自身、マッキンゼー時代には多くの経営陣に向けて提案書や報告書を書いたが、相手に刺さったプレゼンのほとんどは、中身の正当性を認識させたというよりも、全体のストーリーの伝え方がうまくいったことにあったように思う。
■正論よりも戦っている雰囲気を出す
政治で有利になる「伝え方」とは?
ビジネスの世界より、政治の世界の方がさらに求められる正論の率は低くなる。企業と株主の関係であれば、株主は経営の素人ではあるものの、その企業の経営に自分の資産が直接左右されるので、経営陣の話や株価の動きに注目する人が多いだろう。しかし、政治における有権者は政治の世界に直接的な利害関係がないと思っている人が多いので、あまり中身を理解しようとしない。
有権者が注目せず、話もあまり聞かないので、政治家も「有権者など適当にあしらっていればよい」という考えになる。「政策など語らず、駅前で自分の名前を連呼していればいい」という短絡的な考えに陥っていく。適当に政敵をラベリングし、派手に批判していれば議員であり続けられる。これが「政治屋」が世にはばかる原因である。
今回の内紛劇を見ても、橋下徹市長にとって正論はどうでもよく、ただなんとなく「戦ってる雰囲気」だけを意図的に人々へ伝えているように見える。これが政治の世界の特徴であり、それを今の政界で最も頻繁に駆使しているのが橋下徹流の「伝える技術」ではないか。そして、この「伝える技術」は政治の世界以外にも応用できるはずだ。
■中身よりも「伝え方」が大事
人を惹きつける3つのポイント
筆者自身、ラジオパーソナリティとしてマイクの前に座ったり、マッキンゼーアンドカンパニーでロジカルプレゼンテーションを求められたり、研修講師として「伝え方」を新入社員などに講義した経験を持つ。その経験から学んだ、人に「伝える」ために気を付けるべきポイントを、維新の内紛劇を題材にしてエトス(個人の特質)、ロゴス(論理性)、パトス(感情)という3つの観点から説明したい。
冒頭でも述べた通り、橋下徹市長の言葉はよくも悪くも相手に「よく伝わる」と思う。
その理由は、橋下徹市長が自らの「個性」を磨き、それを抑えることなく発揮しているからである。逆に、役所の文書や電機メーカーが商品に添付する家電の説明書などは、非常に読みにくいと感じる人が多いだろう。なぜなら、万人に誤解を与えないようにわざと文章から個性を殺してしまっているからである。
人への伝え方には「個性」がある。橋下徹市長のような攻撃的なスタイルが似合う人もいるが、筆者が同じような物言いをしたら一瞬で嫌われてしまうだろう。したがって、「伝え方」のスキルは個々人の特性に応じて身につけねばならないのだが、読み書き双方で使え、おそらく多くのケースで有効なエトスを3つ紹介したい。
1つめは、「短い言葉を使え」ということだ。橋下徹市長は情報発信を文字制限のあるTwitterで行っている。短い言葉でズバズバと持論を展開する様は実に小気味が良く、切れ味が鋭い。ビジネスの世界でも「エレベータートーク」という言葉がある。コンサルタントは、エレベーターの中でばったりクライアントに出会った場面を想定し、30秒程度で自分の言いたいことを伝えるよう訓練させられる。また「1スライド1メッセージ」という言葉があり、基本的にパワーポイントで資料を作成する場合にも、1枚に込めるメッセージは1つだけであり、伝えたいことは1行で表現せねばならない。なぜなら、それ以上の分量は「伝わらない」からだ。