みつとみ俊郎のダイアリー

音楽家みつとみ俊郎の日記です。伊豆高原の自宅で、脳出血で半身麻痺の妻の介護をしながら暮らしています。

Pレッスン

2012-01-04 21:59:40 | Weblog
と称している(二人で勝手につけた名前で、要するに piano lessonのこと)私と恵子の「音楽療法」の時間は、ほぼ毎日続いている。
例のロール(巻き)ピアノでの簡単な童謡のレッスン(しかも右手のメロディだけ)は、曲を「弾けるようになる」ことを目的にしているわけではなく、不自由な右手の指を一本一本独立させて動かす手助けをするためのもので私なりの「音楽療法」だ。
まあ、こういうものは俗に言う「代替療法」になるのだろうが、別に私は音楽療法士ではないので、これを「音楽療法」と言いきってしまうのにはちょっとためらいがある。
大体において、日本だけでなく世界的に見ても「音楽療法」ということばにユニバーサルな定義やルールがあるわけではない。
ただ、日本人というのは「学会」が大好きらしいので、まだ保険認定の治療法でもないのに「音楽療法学会」なるものがあって(それも一つではない)、それなりのガイドラインやルール、そして、音楽療法士がそれを実践する場合のマニュアルなるものがあってそれに沿うものが「正しい音楽療法」であってそれ以外のものはそうではないらしい(らしいというのは、私は学会員ではないのであまり迂闊なことは言えないが、学会誌を読んだり関係者からの情報ではそういうことになっているらしい)。
ただ、私はそんな学会には微塵も興味はないし、何をどう定義しているかにもまったく興味がない(どうせ、ただの権威好きな人たちの集まりだろうから)。
私は、私なりに長年音楽療法に関心を持って調べてきたつもりだし、それを大学や病院、あるいは施設などで研究し実践している世界中の人たちと長年の間いろいろ連絡を取りあったり、知識や意見を交換してきてきた中で私なりに「音楽」そのものの人間に対する役割とその影響を考えるところから「音楽と医療、介護、看護、リハビリ」との関係を何とか一つの筋道の中で考えていけたらと思っている。
恵子の治療の一環に私が勝手に組み入れたこの「Pレッスン」がどれほどの効果があるのか科学的に検証することはできないけれども、二人で毎日弾いている「ちょうちょ」や「チューリップ」そして「ドレミの歌」などが、絵描きの彼女のリハビリにどれほどの効果をもたらすのか?
これまでの生涯で一度もチャレンジしたことのない「音楽」「楽器」という分野に挑戦することが、複雑きわまりない「人間の手の動きのメカニズム」にどれほどの影響を与えてくれるのか、その効果に少なからず期待をしていることは確かだ。

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