みつとみ俊郎のダイアリー

音楽家みつとみ俊郎の日記です。伊豆高原の自宅で、脳出血で半身麻痺の妻の介護をしながら暮らしています。

出版社のSさんとランチミーティング

2012-01-11 20:58:07 | Weblog
のはずが、Sさんの奥様が急病で病院に付き添われるとのこと。
急遽キャンセルになった。
今日の話で今度の出版物の内容をさらに詰めようと思っていたのだが、奥様の急病というのは致し方ない。
それにしても急病というのが気になる。
私の昨年の9月のことをふと思い出してしまった。

代わりになかなか行けなかった市役所に行き、障害者手帳の交付の手続きをする。
既に担当の医師からは診断書をもらっているのでそれほど面倒な手続きはいらない。
医師も役所の人も言っていたがこの障害者手帳の交付は介護保険の認定と違い、審査役の人がいないので医師の手加減一つで決まってしまう(そこが、ある意味、問題だということだろう)。
以前、この障害者手帳の交付に際して医師の偽りの診断書で障害者手帳を交付されていた人(この人は普通の健常者だった)がいたという一種の詐欺事件があったが、この障害者手帳には詐欺になるぐらいさまざまな特典がある。
障害者なのだから当たり前、では済まされないほど盛りだくさんの特典なので、それに惹かれてこうした詐欺まがいの行為があったりするのも無理からぬことだという気がする。
JR運賃の半額は朝飯前で(介助者も半額になる)、その他細かいのを含めればキリがないぐらいいろいろあって、極めつけは税金までもがかなり優遇されるのだ。
そんなものをこちらが「いただいて良いのですか?」という感じなのだが、ソーシャルワーカーさんによれば、これ(手帳)があった方が今後の(退院後の)リハビリがはるかにやり易くなるとのこと。
介護保険と通常の医療保険は同時には使えないが、この障害者手帳というのはその両方をまたぐことのできる一種の「この紋所が目に入らぬか」的なオールマイティジョーカーとして力を発揮するのだとソーシャルワーカーさんは説明してくれた。
日本の医療制度というのは、フランス、イギリス、ドイツのようにほとんどタダ同然の診療費とまでは整備されていないが、使いようによってはとっても「使える」医療制度なのだということが今回の恵子の病気でよくわかってきた。
何とかとハサミは使いよう、ということなのだろうか。
ただ、私としてはこんなものをいただくよりも、普通の「健常者」になって欲しいのだが。

今年になってから恵子のいるリハビリ病院は超がつくほどの忙しさになっている。
急に入院患者が増え、リハビリ室もそうだが、病室での患者さんの世話に看護士さんたちが毎日テンテコマイしている(寒い時期、人は病気になりやすい)。
一昨日、一人病室で亡くなられた方がいたが、こういうことは異例中の異例。
普通、リハビリ病院は回復の見込みのない患者さんは原則受け入れない。
しかし、どこにも行き場のない患者さんたちもいる。
もうほとんど介護施設代わりに利用している人もいるし(これは本当はいけないことなのだが)、家族がほとんど半分病院に世話を押し付けているような患者さんもいたりする。
そんな具合に今年に入ってやたらと人が増えたように見えるのだが、恵子の部屋には昨年から同室のお年寄りが一人いる。
昨年末にご主人を亡くしたばかりで病院から葬儀に行かれたのだが、今日も息子さん(この息子さんも毎日面会にやってくる)が帰られた後「寂しい、寂しい」と言って泣かれる。
恵子と二人で懸命に慰めるが私は面会時間を過ぎてしまったのでその後を恵子に任せ私はあわてて帰った。
その後少し落ち着かれたと恵子からメールがあった。
200床あるこの病院には200種類のドラマと人生があるということだ。

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