「今日の小さなお気に入り」 - My favourite little things

古今の書物から、心に適う言葉、文章を読み拾い、手帳代わりに、このページに書き写す。出る本は多いが、再読したいものは少い。

足るを知ること 2004・12・10

2004-12-10 07:00:00 | Weblog
   今日もまたリンドバーグ夫人の著書「海からの贈物」の一節です。



  「浜辺での生活で第一に覚えることは、不必要なものを捨てるということである。どれだけ少ないものでやって

  行けるかで、どれだけ多くでではない。」


   「私は、生きて行く上で一番疲れることの一つは、体面を繕うことだということを知っている。」


   「所有欲が過ぎると、美しいものを本当に理解することができなくなる。」


 
  「足ルヲ知ル者ハ、辱シメラレズ」という老子の言葉がありますが、考え方次第で、「年収300万円時代」を心豊かに

 過すことはできる筈です。老いの身を養うのに、左程多くのお金やモノは必要としないのではないかと思っています。
 
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海からの贈物 2004・12・09

2004-12-09 07:00:00 | Weblog
 今日紹介する「お気に入り」は、リンドバーグ夫人の著書「海からの贈物」(故吉田健一氏の翻訳、新潮文庫)

 の一節です。

 「人生の黎明や、40、或いは50前の壮年期に属する原始的で肉体的な、仕事本位の生き方はもう中年にはない。しかし、

 人生の午後が始まるのはそれからで、我々はそれを今までのもの凄い速度でではなしに、それまでは考えてみる暇もなかった

 知的な、また、精神的な活動に時間を割いて過すことができる。我々アメリカ人は若さとか、行動とか、具体的な成功とか

 いうものに何よりも重点を置いていて、そのためにこの人生の午後を軽視し、そんな時期が来ることなどないと決めて掛り

 さえする傾向がある。我々は時計の針を押し戻して、人生の朝を長引かせようとし、この不自然な努力に体力を使い果す。

 しかし、勿論、それに成功する訳はないので、我々は我々の子供たちと競争することはできない。……」


  人生のそれぞれのステージの良さを認めずに、息を切らせて走り続け、50歳を過ぎての「人生の午後」に初めて出会う

 もう一つの花盛りのときを取り逃がしてしまうのはつまらないことだと指摘しています。

  聡明で、洞察力に富んだ米国の女性が50年程前に書いた文章です。

  この著書の中の別のところで、著者の友人の言葉として引用されているものと、サン=テクジュぺリの言葉として引用されて

 いるものの二つも「お気に入り」に加えた言葉です。

  
   「二つとないもの(*)などはなくて、二つとない瞬間があるだけ」

    (*)著者は「二つとないもの」として、「二つとない恋愛や、相手や、母親や、安定」を挙げています。

      この世にたった一つのものなど存在しない、あるのはたった一つの瞬間だけだ。

      今、現在を大切にということを言っているのだと感じました。


   「愛というのは、互いに相手の顔を眺め合っていることなのではなくて、同じ方向に二人で一緒に眼を向けること

   なのである」
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お気に入り 2004・12・08

2004-12-08 07:00:00 | Weblog
 40歳を過ぎた頃から、日常目にした同時代人や先人、先哲の言葉、俳句、短歌、詩、フレーズ、ジャンルを問わず、何でも気にいったものを、折々手帳に書き留めるようにしています。
 時々読み返すのですが、今でも変わらずいいなと思うものもあれば、初見のときほどではないなと思うこともあり、年齢や見る時々の心境によって「お気に入り」の度合いが変わってゆくのが面白いところです。
 若い頃の私の心を惹かなかったものが、50代半ばを過ぎた今の私をひきつけ、「お気に入り」のリストに新しく加えることもあります。

 これから毎日ひとつかふたつ、私の「お気に入り」リストの中からここに紹介していきたいと思います。

 「どうしても変えなければならなくなる前に自らの意思で変えよ。」

 「自分自身の運命は自分で管理せよさもなければ、誰か他の人があなたの運命を決めるだろう。」
                                 (ジャック・ウェルチ)

 サラリーマン生活に区切りをつけよう、そのために布石を打とうと心を決めた頃、目にとまった言葉です。33年間勤めた会社を退職する3年程前のことでした。

 
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養生訓 2004・12・07

2004-12-07 07:00:00 | Weblog
 健康維持は生きていく上での目的ではないが、自分のためにも、周囲のためにもなる「たしなみ」だと思っています。
 
 貝原益軒の「養生訓」の中に、
「養生の術を勤め学んで久しく行はば、身強く病なくして天年を保ち、久しく楽しまん」
「凡そ養生の道は、内欲をこらゆるをもって本とす」とあります。
 
 或る食品会社の役員の方が「積極的な意味で『長寿を健康で楽しむ』には若いときから理にかなった食生活をして健康を造り込んでいくことが大切」であり、「各人の健康は、幼児の頃からの環境と習慣付けに始まり、若い頃からの自己責任に基づく、日々の造り込みにより実現される」と書いておられるのを読んだことがあります。自分自身については、時既に遅しの感がありますが。
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