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北海道十勝で生まれ育った私にとって、
じゃがいもはソウルフードの一つです。
そして、広大なじゃがいも畑は、
少年期の原風景です。
ただし、実際に育ててみたことはありませんでした。
「野菜づくり」の本をよく読み、
植える準備を始めました。
畝をよく耕し、種芋を植えるための溝を掘りました。
3月中旬の晴れた日、
種苗店で購入した種芋を丁寧に植えました。
そして、芽が出てくるのを楽しみに待ちました。
しかし、いくら経っても、
芽が出る気配がありません。
結局、じゃがいもの花が咲き乱れる
様子を思い浮かべながら耕した畑に、
じゃがいもの花も芽も見ることはできませんでした。
とくに栽培が難しいと
いわれているわけでもないじゃがいもが、
なぜ発芽すらしないで、全滅したのか。
ただただ呆然としてしまいました。
その後、経験者の話を聞いたり、
本やネットで調べた結果、
ようやくその原因を推測することができました。
「野菜づくり」の本に
「じゃがいもは種芋の上にできるので、
深く植えた方がよい」とあったため、
深く植えるよう努めました。
以前記したように、私の畑は元棚田で、
土の層の下に岩の層があります。
植えるのが深すぎて、
岩の層のすぐ上に種芋を置いてしまったようです。
また、植え付けの直後に、
大雨が降り、畑は一時水浸しになりました。
このとき、種芋は
水に浸かってしまったのだと考えられます。
結局、種芋は地中で腐ってしまったのでしょう。