高知発 NPO法人 土といのち

1977年7月に高知県でうまれた「高知土と生命(いのち)を守る会」を母体にした、47年の歴史をもつ共同購入の会です。

うちの畑にようこそ 10月10日記

2019-10-24 09:00:00 | 生産者からのメッセージ
香美市 わたなべ農園の渡邉志津江です。

「長い長い道のり」

植えつけたキャベツ/ケールの苗を一株ずつ虫取りしている。
葉の一枚一枚の裏表をよく見て、
ヨトウムシやモンシロチョウなどの卵や幼虫を手で潰していく。
ひと畝終わるごとに防虫のためにネットをかける。
防虫用ネットは価格が高いため、4ミリ目合いの白色の防風ネットを代用している。

昼間はモンシロチョウのために虫取り網を手元に置いて作業する。
向こうも生きるために必死だがこちらも同じ。
手間を惜しむと自分に返ってくる。
自然との知恵比べはずっと続く。
畑にはいろんな大きさ種類のクモが走り回っている。
白い卵を抱いたクモを見ると思わず嬉しくなる。
虫取りの仲間が増えるからだ。
そして、大きなコオロギ、バッタはぴょんと跳ねる前に首根っこを押さえつける。
申し訳ないのだが、、

タマネギの苗には防虫ネットはかけない。
太陽をたくさん当てないと育ちにくいからだ。
ヨトウムシは本当に食欲旺盛だ。
なんでも食べる。
放っておいたら食べつくすのだ。
だから見つけた時は嬉しい。
大きいものほど嬉しさも倍増なのだ。
夜になると俄然元気に走り回るカエルのキラキラした目、
私の目もさぞかしキラキラしているだろうなと思う。

遠くから見ると、だんだん緑の点々が線になり、
その線が太くなっていく様はいつもながら感動的である。
虫にも負けず天候にも打ち勝ったもの、生き残ったものだけが私たちの口に入る。
いつものことではあるが、なんとまあ長い道のりなのだろう。

※ この記事は、NPO法人土といのち『お便り・お知せ』2019年11月号より転載しました。
コメント
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