高知発 NPO法人 土といのち

1977年7月に高知県でうまれた「高知土と生命(いのち)を守る会」を母体にした、47年の歴史をもつ共同購入の会です。

天空の茶園より 6月9日記

2021-07-01 09:00:00 | 生産者からのメッセージ
津野町 天空四万十の2代目見習い 稲田将人です。

天空四万十(旧曙茶業組合)の2代目です。

お茶づくりのきっかけは、
私の母(社長)の独身時、
大阪大学付属病院で
看護師として勤務していた頃に遡ります。
大学病院には先天・後天性問わず
様々な難病に苦しむ子供が入院しており、
その子供達の多くは
人生をかけて闘病を続けていました。

故郷で建設業を営む私の父との結婚を機に、
退職帰郷した母の目に、
茶業農家が大量の
農薬や除草剤を散布している光景が
ベトナム戦争の枯葉剤散布映像と重なり
茶だけは洗って飲むことができないのになぁ、、、。」
と感じたそうです。

これらの体験から
「完全無農薬・無化学肥料でお茶を作る!」
と宣言したのが昭和62年。
関係各所の様々な人達に無謀と言われ続けても
頑固な両親は信念を貫き通し、
農薬の飛んでこない山腹に畑を開拓し、
お茶を植え現在に至っております。


他人様からの言葉では折れない頑固な心も、
雑草や病害虫との闘いの日々は正直、
心が折れそうになる時もありました。
草1本もない慣行農法の畑を見るたび
どんなに楽なことだろうかと思う時もありました。
しかし、
「安全安心な日々の食事が健康な体を作る」と考え、
今も安心なお茶を作り続けています。

お茶を急須で飲む風習が少なくなり
ニーズも低下している状況ですが、
大きな利益を求めず
田舎から安心なお茶をお届けします。


※ この記事は、NPO法人土といのち『土といのち通信』2021年7月号より転載しました。
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