”農”と言える!?

元・食推おばさんのソムリエ日記

次の10年も

2011-09-30 09:50:20 | “農”

我が家の向かいには、メロンの温室がありました。

もともとは田んぼだったところに土を運び、

温室を作ったそうです。

 

その温室でメロンの栽培は、30年続けられました。

そして、その後の10年は、その設備を利用して

トマト、中国野菜などが栽培されていました。

 

私は、19年前に今の家に引っ越してきたので、

40年の歴史の後半の部分を毎日見てきました。

 重油の高騰

 施設の老朽化

 後継者不足

 生産者の高齢化

という問題を間近で見てきました。

 

今月の初め、ついにその温室の解体が決まり、

工事が始まりました。

Img_2110

生産者さんは、どんな思いでこの工事を見ていたのでしょうか?

 

今は更地になっています。

Img_2164

 

思い切って聞いてみました。

「温室がなくなると、こんなに広いんですね。

 これからはどうなさるのですか?」

 

すると、こんなお返事が。

「ここの土、途中から色が変わっているの、わかるかね?」

確かに、上の写真を見ますと、

ドラム缶が置いてあるところを境に色が違います。

「半分は川砂利、茶色っぽい部分は山の土を運んできて

 その上に温室を建てたんだよ。

 その時代、時代によって埋め立ての土にも流行があってね。

 山の土は畑にも向いている。

 川砂利はね、温室を建てるのには都合がよかったんだけど、

 畑には向かない。

 だから、私が元気なうちに、ここに土を運んで

 畑に向く土壌に変えようと思っているんだよ。」

 

もう、年だからきつい作業はできないとおっしゃっていましたが、

いえ、いえ、そんなこと。

奥様も直売所に、野菜や栗の出荷を続けていらっしゃるし、

“農”への思いは、まだまだ消えていません。

 

私は、この更地がどんなふうになっていくのか、

次の10年も見守っていきたいと思います。

コメント (2)
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