雨過天晴

ジャズとホークスとファッションなどなど
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そして時々飽きます

ビル・エヴァンス名盤物語

2005-07-18 | 


これまでも紹介したことのある中山康樹氏の本ですが、珍しく(?)マイルス本以外の個人伝記が出版されていたので思わず購入しました。
ビル・エヴァンス名盤物です。

日本ではピアノトリオが大人気で、その中でもまずどのトリオ?と聞かれれば絶対に一位にあげられるでしょう。
Portrait In Jazz」、「Explorations」、「Sunday At The Village Vanguard」、そして「Walts For Debby」。
”ビル・エヴァンスと言えば”のRiverside 4部作のビル・エヴァンス、スコット・ラファロ、ポール・モチアンのトリオです。

これまでの本ではおおむね上記トリオについてページが割かれいます。
この本でももちろん4枚ともビル・エヴァンスのキャリアを構成する上で重大なものとして取り上げられてはいるものの、むしろ上記トリオ以外のビル・エヴァンスに重点がおかれているように見られます。
私も「Undercurrent」や「You Must Believe in Spring」の方を好んで聞いていたりするので、このようなスタンスは非常に好意的に受け止めています。

この本では彼のアルバムのうち30枚をピックアップしてその作品が作られていた時期のエヴァンスの状況を調べ、彼の心理に踏み込んで書かれています。
まあ「本当にそうだったのか?」と思ってしまう点もありますが、一読後「ここまでよく調べ、書けたなあ」と素直に思えます。

マイルス本と比べ、やはり氏の思い入れの量が違うのか、”何が何でもマイルス!”(笑)と言う具合にならなかったところが、良かったのかもしれませんね。

お薦めします。